ハイ・ライズ

劇場公開日:

ハイ・ライズ

解説

トム・ヒドルストン主演で、「太陽の帝国」「クラッシュ」で知られるSF作家J・G・バラードによる長編小説を映画化。フロアごとに階級が分けられ、上層階へ行くにしたがい、富裕層となるという新築タワーマンション。このコンセプトを考案した建築家アンソニーの誘いで、マンションに住み始めた医師のロバートは、住民のワイルダーと知り合い、マンションの中で起こっている異常事態を知ることとなる。「マイティ・ソー」シリーズのロキ役で知られるヒドルストンがロバート役を演じるほか、「ドラキュラZERO」のルーク・エバンス、「運命の逆転」のジェレミー・アイアンズ、「アメリカン・スナイパー」のシエナ・ミラーらが出演。監督は「ABC・オブ・デス」「サイトシアーズ 殺人者のための英国観光ガイド」のベン・ウィートリー。

2015年製作/119分/R15+/イギリス
原題:High-Rise
配給:トランスフォーマー
劇場公開日:2016年8月6日

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(C)RPC HIGH-RISE LIMITED / THE BRITISH FILM INSTITUTE / CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION 2015

映画レビュー

4.0好き嫌いは分かれるが、唯一無二の個性を持った映画ではある

2017年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

J.G.バラードのSF小説を映像化するにあたり、ベン・ウィートリーを監督に起用するという選択肢を誰が想像しただろう。しかしこの異色作と異色監督の相性は相当良かったらしく、斬新なビジュアルの中に危険な香りと艶めかしさが十二分に漂うエキセントリックな珍作に仕上がった。実際、本国でも「好き嫌いは分かれるだろうが、今年観るべき価値のある一本」として広く受け止められていたようだ。

タワーマンションに住み始めた主人公が徐々にこの中に階層社会や貧富の差を見いだし、両者の壮絶な闘争に巻き込まれていく過程は見応えがあるし、これが歴史上の様々な闘争を「マンションの高層と下層」という二極化した状態に投影したものであることも自ずと伝わってくる。ウィートリーならではのブラックな描写やマンション内の荒廃にも耐え、ずっと透明感あふれる個性であり続けるヒドルストンの存在感、彼が時折踏む軽快なステップも冴え渡っている。

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牛津厚信

3.0鑑賞時は「トム・ヒドルストン? 誰?」だったが

2023年11月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

劇中チョイチョイエロエロ光線を出すので後日調べて納得した。
劇場公開時鑑賞。原作未読だがあらすじは把握していたので、何で今映画化???と思いながら観に行ったが、バラードは未来予知でもできるのかね。
カオスな後半も今から考えればアリだったかも。

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なお

2.070年代ロンドンパンクと共振するバラード

2021年11月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

WOWOWで放送されていたので見てみた。うーむ、なんじゃこりゃあw
原作のバラード作品を小生は何十年も前に読んでいるのだが、内容はすっかり忘れてしまっていた。こんなにつまらない話だったっけ…??? まあ、バラード作品を読む楽しみは、華麗な比喩に満ち満ちた晦渋な文体に幻惑されることにあるともいえるから、自ずから映画とは違うけど。

ハイライズ(高層マンション)の中で最上階は王族並みの暮らし、その下の層は貴族風の衣装でパーティ漬け、下層は借金まみれでひいひい暮らしてるのに子沢山…って、こりゃあまりにあからさますぎる英国階級社会の比喩だよなあ。
上流階級いや上層階層の住人たちは下層の連中を思うがままにいたぶって、下層の子供をプールから追い出したり、電気の使用量が多すぎるからと停電させたりして、医師の主人公だって下層だから小馬鹿にされている。
それに対する下層住人の鬱憤がたまり、停電を機にいっきに爆発。その後、人間の内部に潜む動物的本能が目覚め、文明的なものを次々に廃棄し、原始生活を謳歌し始めるというのが主なストーリー。とてもありえない設定と展開と人物たちではある。ただ、それでクダラナイ、つまらないと言ってしまってはおしまい。

原作の発表は1975年。怒れる若者たちから10数年を経て、セックス・ピストルズ等のパンクムーヴメントが燃え上ったのと機を一にする。そのイギリス社会の比喩が原作の執筆動機じゃなかったろうか。
とすると、バラードはパンクをこんなふうに、文明否定にまで押し広げた形で影響を受けたのかもしれないなあ。上海の焼け跡の終戦体験や原爆の爆発目撃以来、世界の終末が大好きな人だからなあ…というような興味は湧く。
残念ながら、それ以外には何もないかな。

追記)
最後のサッチャーの演説(確認できないが)の意味するところは、「揺り籠から
墓場まで」国民の面倒をみた挙句、英国病に陥った国の社会国家政策を批判する
趣旨で、要は国家が企業経済に過度に関与するなという内容。
それを作品のラストに持ってきた意図は監督のバラード愛、つまり無政府主義=文明否定=人類の終末を愛する気持ちを込めたものと受け止めた。

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徒然草枕

4.0文明人というのは脆いものですね・・

2021年2月26日
スマートフォンから投稿

怖い

今現在のコロナの世の中でこういう高層マンションではトラブル続出らしいですね、共用する場所も色々あるでしょうし、低い階の住人はエレベーターを使ったら嫌な顔されるし、悪い噂ばかりなぜかすぐ広まるし、上層階が低層階を見下す・・コロナ関係なく普段からそうか(笑)、場所によっては住人は勝ち組みたいなイメージでしたし(高層マンションて言葉すら似合わない勘違いしてる輩もたくさんいますが)、こういう場所に住んでみたらどんな感じだろうと考えたことはあっても、実際に住んでるのが一軒家でよかった。 映画はよかったです、上流階級だろうとあっという間に崩れ去りますね、エゴむき出し本性むき出し。 シエナ・ミラー素敵でした♪ 後半の裸の女性達も(笑)

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映画は生き甲斐