ジミーとジョルジュ 心の欠片を探してのレビュー・感想・評価
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デル・トロ、インディアン
S・ペンの「プレッジ」で精神的におかしいインディアンを演じたデル・トロを観て今回の起用?
淡々と静かに進むストーリーで今に始まった訳ではないPTSDに苦しむ人間。
デル・トロありきでした。
ネイティヴアメリカンとユダヤ人の不思議な友情物語
原因不明の頭痛や発作に苦しむネイティヴアメリカンの帰還兵ジミーと、その治療を依頼されたユダヤ系フランス人の文化人類学者ジョルジュ。ほぼ、ふたりの対話だけで話は進んでいく。毎日1時間のカウンセリングの様子を丁寧に描くことで、ふたりが友情を育んでいく心の機微をじっくりと描き出していく。その繊細な手つきにいつの間にか引き込まれてしまった。戦争のトラウマを扱った作品かと思いきや、より個人的な過去の記憶に話がフォーカスしていくところもいい。素晴らしい。
光あれ!涙
確かに万人受けはしないけれど…響く人の胸には確実に響く一本。
静かな作劇と、主演2人の自然な演技が素晴らしい。
それ以上に…
デルトロ氏の抱えた闇が、自分自身と重なりすぎて!涙
そこにマチュー氏が道を照らす、その過程…嗚呼!涙
私やあなたにも、マチュー氏のような人物が居てくれたのならば…
映画評とは随分と離れてしまったけれども。
そういった個人の窓を開けた意味で、実話をベースにしながらも「物語」としての価値は高い作品。
ある原因で「もう恋なんてしない!」なんて言ってる野郎は是非観るべし!涙
細やかで心への呼びかけ
観る人によっては、とても退屈かもしれません。が、よーく集中してみてほしいです。深みのある、人の心の奥深くに響く様な大切な、そして、哲学的な言葉の数々に私は惹かれました。特に「魂が人の中にはいれば、人は蘇る」等など。根気強く付き合った精神医とその主人公の患者の言葉のキャッチボール。そして回復した奇跡の中に観る側も、幸せ感や充実感さえも得ました。この患者は戦争後のPTSDからの病気と始まりますが、この主人公はネイティブアメリカン出身でよくよく見れば、寧ろインディアンの歴史を紐解いていきます。そういう意味でも深みのある映画です。
心についての意欲作
ジミーとジョルジュの出会いは患者と医師の関係を超え、人種も超え、同じテーマを抱えた人間同士の触れ合いとなっていく。程度の大小はあれ、多くの人の心に密かに存在するであろう心の欠片を探す旅。自分の心の中を覗くきっかけになるかもしれません。
男性俳優二人の対話の演技
俳優さん二人ベニチオとマチューの演技が素晴らしいです。とても、シンプルな対話中心の映画ですが、二人の演技がとても上手く、心理分析だけに静かだけれど、心のさざ波うつような映画。
心理学をかじっている者としてはもっと、専門的な分析を披露して欲しかった、そこを期待して観てしまったけど、これはこれで満足でした。台詞で「難しい専門用語を使うな。」これは自分的にドキッとしました。「魂が傷ついたんだ」という台詞、現代の投薬中心の精神医療に、この言葉を言ってくれる医者はいるのだろうかと考えました。
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