ニンフォマニアック Vol.2のレビュー・感想・評価
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今作も余りにも残酷
物語は前作の続きで、冒頭から飛ばしてました。
前作もでしたが、随所にセンスのあるユーモアがありますね。
彼女のエロスの旅は今作から危険を孕んできて、まるで破滅していくかのよう。
その真なる主演ゲンズブールですが、その芝居が凄いです。
流石にミアゴスと並ぶと歳は感じるものの、それでもゲンズブールは相変わらず美しいですね。
そんな彼女の後継者となるミアゴス。彼女とのベッドシーンはとても美しかったです。
また、今までも個性的な人物が多かったのですが、一番キテるのが今作のジェイミーベルでしょう。かなりのサイコな芝居でした
そうして巡り巡ってまた襲ってくる屈辱的な数字3:5。
この「色情狂としての誕生」に絡めてくるのはうまかったです。
そんな旅の最後。
少しそんな感じもしていましたが、今作も余りにも残酷でした。
終わり方がまさしくあれですね。
長くても、vol.1を見たら見なくてはならないvol.2・・・でも、前の見てダメだったら見なければいいし、前ので興奮したならばこれでもイケます。
性器とか性的な事柄が惜しげもなく出てくるので、そのつもりで鑑賞を─。当然エロだと見なす人はいると思いますし、まさにエロ丸出しなのですが、これは決してポルノではないと思います、個人的には─。
映像とか展開や色んな組み合わせといった点では、個人的にはvol.1のほうが面白かったなぁという印象ですが、シャルロット・ゲンスブールの凄さとか、物語の終わらせ方とか、やっぱvol.2も非常に素晴らしいと思いました、色々とぶっ壊されますが─。でも、これこそまさにラース・フォン・トリアーの真骨頂と言えるのでは─。
そして次は待ちに待ったキングダムの帰結です。これまでにないくらいLVTへの期待感。とはいえ、裏切ることも辞さないラース・フォン・トリアー・・・頼むから最も娯楽色の強いこの病院ものだけはと─、ただただ祈るばかりです。
まぁそんな期待や不安も含め、さすがラース・フォン・トリアーといったところなのでしょう。
残りの95%
さすがトリアー。美しい映像、哲学的な対話、実に直球、いやなところを突いてきて、ユーモアがあって、映画的エンターテインメントが成立している。
「ペドフィリアが実際に子供に手を出すのは5%くらいで残りの95%はファンタジーで終わる」のくだりが一番インパクトがあった。さすがトリアー、それはなかなか口にできない。でも真実のような気がする。
二作品通して壮大なポルノグラフィティと思うなかれ
首の皮一枚で繋がった他の映像にすっ飛ばす様がスリリングであり、またユーモアが含有されている。
ニンフォをモチーフにしつつも決してエロを描いている訳ではない。しかしvol.1の方がその衝撃は上かも。
アンチクライストは見てて辛いが、こちらは製作者のセンスを気軽に楽しめるのでは。
エロスの色情のまえに抱く、キリストの色欲の罪
個人評価:3.7
抑えきれない色欲を、4時間半もの時間をかけて紐解いていく。人間の強い感情の一つを、毎作品カタチを変えて描くラース・トリアー。今回は色情狂というテーマを存分に味わう事が出来た。
エロスになぞらえた主人公と、そのエピソードを聞く老紳士。まるでエロスとキリストが話している構図のように見え、最後のエロスの色情の前に、色欲の罪を見せたキリストのメタファーが、本作をさらに邪悪な作品に仕上げている。
自分の樹を見つける事で、強く生きる事ができるという父の教えが、ラストの救いの無い展開の伏線にもなっており、この世は辛く厳しい真冬の中で、あの樹の様に強く立ち続けなければならないと格言めいた印象を与えてくる。
でも好き
舞台は至ってシンプルで、倒れた女が老人に拾われて身の上話をするだけ。いわゆるストーリーで揺さぶる映画ではなく、会話や情景、描写や関係性、皮肉やメタファーで揺さぶるタイプの映画と感じます。
部屋の中のものをヒントに話を進める部分や、時折混ざる老人のキリスト的観点が、大雑把な表現ながら性というテーマを皮肉に彩っていると感じます。
ただ合わせて4時間はレビューするには長すぎますね…
性を扱う映画でこうも不快感のないものは、数少ないと思います。アクション映画さながらの爽快感さえある。映画の色が章ごとに変化していくのは、一貫性がないと捉えられることもあるかもしれませんが、テーマは一貫しているし、その混沌がそれはそれでニンフォらしくて私は好きでした。
いい意味で予想できる鬱展開が続き、ラストも予想できる方は多いでしょう。ですが、予想できた方はそうあって欲しいと考えている方が多くラストとしては相応しいと感じられると思います。
メッセージ性がとか、結局こういう映画だとか、そんなのはどうでもいいと思える作品でした。そういう視点でこの映画を見ると、なんか馬鹿馬鹿しくなります。
でも、私は好きです。
探求の先に待っていたものは?
"ニンフォマニアック" 二部作第2部。
Blu-rayで鑑賞(字幕)。
ニンフォマニアックを自称するひとりの女性の、セクシャリティーを巡る探求と彷徨がついに終着の時を迎えました。
ジョーは常に自分自身の存在とあり方を追求し、セリグマンとのやり取りを通して悟りとも言える境地に達しました。
しかし、彼女の悪夢じみた宿命的な人生は、まだまだ続きそうな感じ。彼女に安らぎの瞬間は訪れるのでしょうか?
ラストはそうなるのではないかなと思っていたので驚きませんでしたが、セリグマンだけは穏やかでいて欲しかった。
ジョーが潜在的に兼ね備えていた、もしくは数々の経験から育て上げ磨き上げて来た魔性が彼にそうさせたのかもなぁ…
[余談]
女性器が瞳に変わる演出、上手いと思いました。
※修正(2023/07/18)
これは彼女の場合
彼女の場合はセクシュアリティであったけど
我々にも何かしらの欲望があって
それを描いているように見えた
1ではすごく奇妙なものとして色情症をみていたけど
2からは慣れてくる。
そのなかで自分の欲望を思い出して
彼女と重ね自分の行動と照らし合わせる
彼女は欲望のために人生を失いかけた
人はどれほどそれを我慢して隠して
生きているのだろう
彼女には孤独が上乗せされたからか
それとも我慢が足りなかったのか
周りの男が悪かったのか
いつか彼女は孤独を感じなくなることが出来るのか
本当の愛を手に入れられるのか
セクシュアリティを頭から消すことが出来るのか
セクシャリティ
見終わった後ひどく考えが揺さぶられた。
彼女はセクシャリティの対象としてしか他人に受け入れられない。初めは彼女自身がそれを望んだとしても、周りも彼女自身ももうセクシャリティを通してしか彼女を見ることができないこれからの彼女の生活を想像すると残酷に感じる。
そもそも彼女に限らず、人はセクシャリティを押し付けられていて、規範から外れた性的嗜好は抑圧を受ける。途中に登場した小児愛者が、自身の性的嗜好を知ることができて苦しむ姿が印象的だった。愛というのは本来祝福される対象であるのに、その矛先が人と違うと非難される。愛することを人生の中心に捉える人が、愛することを許されなければそれはとてもかなしいと感じた。
私が男らしいおか女らしいという表現を嫌いな理由がわかった気がした。
全般に規範というのは社会のためにあるのであって私のためにあるのではない。規範を逸脱することで失うものと、それによって得られるものを秤にかけて行動しようと思う。
ニンフォマニアック
後編は、刺激的な世界から、過酷な映画に変わります。
淡々と、濃い内容が進み、恐怖も垣間見えます。
結論からいえば、よき映画でした。
ラストもかなり、衝撃的。
ニンフォマニアック、タイトルも完璧。
ラストのオチが最高
知的で良心的、性的にも女性に興味は無いようでチェリーな中年紳士も散々聞かされるC・ゲンズブールの卑猥な物語にラストの行動も理解出来る!?
オチは予想はつくが期待通りで笑ったしラストシーンはコメディだ。
エンディングの"ジミヘン"が良い。
まーフォントリア
ラースフォントリア監督作品は大好きなので、今作がなんじゃこりゃってなっても次作も劇場行きます。
中盤のSMシーンは、こういうのをR100でみたかったのになーって思いました。
しかしフォントリアはうつ病とのことで、今作をみてますます心配になりました。
まーオチが結構良かってかなー
まさかの男の悲しい性を見せ付けるラストに爆笑!
色情狂=セックス依存症のジョー(シャルロット・ゲンズブール)が血まみれで倒れているのを救ったセリグマン(ステラン・スカルスガルド)。引き続き、ジョーが話す半生を聞きつつ、トリビア的な雑学、哲学、宗教観など織り交ぜ冷静に分析を始めます。
Vol1で愛を知って不感症になったジョーは、更なる刺激を求めてM女の道に進みます。かなりハード・コアなM女の険しい道です。
話を最後まで聞いたセリグマンは、ジョーは性差別の被害者であって、その抑圧された反抗心で生きて来た。悪くないという。
男性がしたら批判されないことを、"女性だから"批判されたと、フェミニストな発言までする。
けど、私は知っている。
例え自称「無垢な童貞である」初老のセリグマンであっても、男は根っこは同じです。
案の定、本作は男の悲しい性を見せつけるラストになっていて、大爆笑です。
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」とか「メランコリア」とか「ドッグビル」等を観た後には、思いもしませんでした。まさかトリアーで大爆笑するとは!
男性の根っこは同じだけど、女性は不思議な生き物なんです。
最後のセリグマンの台詞は、観ていた男性全てが思うことかも。
暗転で、気配だけってラストも好みです。
むっちゃ面白かったんですよね-。
やっぱ映画館で観ればよかった!
後半どんどん神話的になる。 いま愛する、娘的であり、又は性的でもあ...
後半どんどん神話的になる。
いま愛する、娘的であり、又は性的でもある女が、以前愛し、裏切った男と、セックスする。しかも、自分がその男と初めてセックスしたときと全く同じように!
3+5!!
しかもそのセックスする様を見せられる!!
ここまでが劇中内物語のラスト。
もの凄く神話的。
母と寝て親父を殺す。みたいな話がギリシャ神話とかであったような気がする。
あとで調べよう。
その後、これが男の話だったら珍しい話ではない、となって、足元から掻っ攫われた。
終着点はフェミニズムか!!と驚いた。
最近フェミニズムの映画多いから尚更。
マッドマックスとかね。
ジジイのラストは、これまたひっくり返った。途中でこのジジイ怪しいと思ったけど、性的欲求がないと説明するシーンにしっかり時間かけてたので、信じたら、裏切られた!笑
一見良い人そうなおじさんに、裏切らせるとは…しかもチンチンが力無さげで惨めで…
ラースは本当に人間不信だな…
ダークナイトのジョーカーみたいだよ
人間って愚かで、クソみたいだろ?
っていう…
そういえばフランシスベーコンが言ってたな。15の時、道で犬の糞をみて、あー人生ってまさにこれだ、と悟ったっていう…
人を殺さずに、原罪を免れたジョー。
しかしそのあとあのジジイを撃ち走り去る。
結局やはりセオリー通りだ。
出てきた銃は必ず発砲されなきゃダメなんだ。
にしても、このジジイはラース本人だろうなと思った。今までの作品の中で突出してラースの知識をひけらかせてて、ジジイに語らせてる。
て事は、俺もこんな風に説教じみた映画作ってるけど、結局股間でもの考えてるんだ、みたいな。そんでそんな自分はジョーに殺されるって、
お前ストイックすぎ!センシティブすぎ!って思った。
とても参考になったのはアメブロでultramarineってアカウントの人の評論
今作はラース監督自身を描いてるって話。
早く性に目覚め、性に夢中になる様は、ラース監督が、若い頃からカメラを持ち、映画に夢中に。
処女作は苦い思い。ジェロームはユダヤ人。カンヌ=ジェローム。
ラース監督の過去作のオマージュが沢山でてくるなど。鬱の時代は、ジョーの不感の時代。
話を聞いてくれるのは批評家?
ラストはジェロームに痛めつけられる=カンヌでの失言、追放。
"突っ立った"ままの口論が滑稽(苦笑)
前半延々退屈で"K"の下りじゃ眠くなったけど、雪の降るベランダにマルセル一人で向かっていく『アンチクライスト』似のシーン(全然映画はまだ見れずですが)で一気に眼が覚めてった。しかもその後のジョーの行動、"サイレント・ダック"なる裏技(って言うのかな?)、男女の"挿入"が書かれた絵(ジョーが自分の部屋の荷を整理しているシーンですね)いきなり出てきた"燃える車"、そこに対するセリグマンのツッコミ、それと"過激な嘘発見器"と全てに苦笑しちゃってたよ。これってブラックコメディだっけ(苦笑)だけど一番凄かったのが黒人兄弟が"穴"を巡って、伸びた男性器構いなしで口論しているシーンだね(苦笑)"お前らそれより下半身(苦笑)"ってバカバカしくて可笑しかった。
だけどまあ最終的にセリグマンはあの行動か…。ジョーは最後にセリグマンの男性器ごと撃ったのかな?色々モヤモヤ残るけど、悪くなかった2部作かな。
あ、それともう一つ。若いジョー役のステイシー・マーティンとP役のミア・ゴスは可憐なのに体当たりで演じてたから強烈だった。特にPを演じた人、次の映画で今ノリノリのジェイク・ギレンホールと共演だし、今後がすごく楽しみ!
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