劇場公開日 2014年11月15日

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「日本版、ブラックスワンのような」紙の月 あいさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0日本版、ブラックスワンのような

2019年7月7日
iPhoneアプリから投稿

・リアリティのある人間描写
日本の縮図のような登場人物たちが魅力的でした。
女性陣、男性陣とも、周りにいそうなリアリティ。
これは素晴らしい俳優陣による賜物。
周りにいそうな心理描写が面白い。

宮沢りえ演じる、真面目すぎておかしくなってしまうタイプ。
大島優子演じる、調子のいいタイプ。
小林聡美演じる、ルールが命のタイプ。

そして男性陣もとてもリアル。
田辺誠一が演じるのは、女心があまりわかっていない俺様タイプ。
池松壮亮が演じる、今時のブレブレな若者。
そして、近藤芳正演じるダメ上司。

こんなにも、生々しく、わたしが感じていることが
映画にされていて、やはり同じことを考えている人は
大多数いるのかもしれないと思った。

それぞれの孤独感。
苦しみ。
それを下敷きに回る社会。

苦しみもがく宮沢りえは見ていて
ブラックスワンのナタリーポートマンのような役どころ。

全員、誰か実際にモデルとなる人物がいて、
それを真似たのか?と思ってしまうほどの
リアリティ。
言葉の途中の息遣いひとつまでも、リアルで。

終わり方はロック。いや、パンクか。

邦画の湿っぽい雰囲気は苦手なのですが、
この作品はぐっと引き込まれた。

もっと暗くて、軽いホラー要素があるのかと思っていたら
案外普通だったのも予想外。

とても丁寧で、スランプに陥ったらまた見たいような作品。

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あい