ミンヨン 倍音の法則

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ミンヨン 倍音の法則

解説

「四季・ユートピアノ」「川の流れはバイオリンの音」といったNHKの名作テレビドラマで国内外から高く評価されてきた演出家・佐々木昭一郎が、約20年ぶりにメガホンをとって手がけた、初の長編劇映画。ソウルで暮らす女子大生ミンヨンは、亡き祖母が遺した1枚の古い写真に心をとらわれている。それは、祖母の親友だった日本人・佐々木すえ子とその家族を撮った戦時中の写真だった。すえ子への思いを抑えきれず日本へと渡ったミンヨンは、そこでストリートチルドレンの少年や何者かに追われるジャーナリストら、多くの人々と出会う。やがて、すえ子がかつて暮らしていた屋敷にたどり着いたミンヨンは、70年の時を超えて戦時中のすえ子の苦難を経験する。

2014年製作/140分/日本
配給:シグロ
劇場公開日:2014年10月11日

スタッフ・キャスト

監督
脚本
佐々木昭一郎
企画
はらだたけひで
プロデュース
はらだたけひで
製作
山上徹二郎
佐々木昭一郎
撮影
吉田秀夫
音響
岩崎進
編集
松本哲夫
録音
仲田良平
音楽
後藤浩明
指揮
武藤英明
ピアノ
佐々木秋子
ギター
加藤早紀
助監督
黒川幸則
美術
天野竜哉
劇中画
はらだたけひで
映像技術
奥井義哉
演技事務
西川文郎
製作担当
中円尾直子
製作主任
古野修作
製作デスク
佐々木正明
石田優子
奥野尚子
高畠隆
製作協力
渡辺栄二
スタジオエンジニア
大野誠
インフェルノ
斉藤隆明
カラーグレーディング
大重裕二
スペシャルサンクス
遠藤利男
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(C)2014 SIGLO/SASAKIFILMS

映画レビュー

中尾幸世でも「夢の島少女」は酷評されたそうだが

2024年1月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

難しい

 冒頭のヒロインの顔のどアップは「四季・ユートピアノ」そのもので「七色村」でも使っていた日本軍が捕獲した連合国側の「爆音識別レコード」も「四季・ユートピアノ」でヒロインの家の物置から蓄音機と一緒に登場していた。要は佐々木昭一郎にとって中尾幸世を起用していた絶頂期の昭和50年代後半の劣化版に過ぎない。中尾幸世でも主演女優が急に降板したらしく代役に起用されて初出演した昭和49年の「夢の島少女」は酷評されたので昭和55年の「四季・ユートピアノ」は今で言うところのリベンジ的な設定が目につくものだ。
 ミンヨンと中尾幸世の違いは中尾幸世が「夢の島少女」の前に東京キッドブラザーズで舞台に立った事があるにしても100分枠の「四季・ユートピアノ」のヒロインを演じても存在感があるのにミンヨンは存在感のないただの素人に過ぎない。佐々木昭一郎は自分が起用したはずの木佐貫邦子を「モダンダンス馬鹿」だと酷評した人だが一時期は入れ込んでいたはずの「オルガさん」とはいつの間にか不仲になったらしい。言ってみればミンヨンは1時間枠の「東京・オン・ザ・シティー」でウンザリするほどひどい演技?らしきものをした「オルガさん」と同じような存在だと言っていい。
 「七色村」で露出した平成の佐々木作品の「特徴」である時代考証という概念が一切存在しない点や独りよがりな作劇は「ミンヨン 倍音の法則」でも際立っている。「夢の島少女」が酷評されたのが主役2人のバラバラに展開する作劇に由来するらしいので元々持っていた要因なのだろう。佐々木昭一郎の母親は新宮出身で大石誠之助の縁者との事なので山本七平とは遠縁になるが、あの「洪思翊中将の処刑」と観念的な作劇の昭和20年のミンヨンの物語では雲泥の差としか言いようがない。頭の中で考えたような「日韓友好劇」を書く前に植民地時代の朝鮮を書きたかったらもっと調べろ!と言いたくなった。御都合主義でかつ独善的な作劇が好きな人か何が何でも佐々木昭一郎は天才だ!というファンしか向かない映画だ。

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大阪マフ

1.0なぜそこまでアップにこだわるのか

2014年10月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

 オーケストラや吹奏楽の音楽は印象的。それに合わせて歌う主人公の女性のアップが繰り返し映し出される。これが、いくらなんでも後半には鼻についてくるようになる。
 韓国の若い女性が、祖母の親友であった日本人女性の足跡を追ううちに、その日本人女性の視点を得ていくドラマそのものをもっと映し出したほうが面白い作品になったと思う。なぜ、ここまで彼女のアップにこだわるのだろう。歌と佐々木すえ子のエピソードで、戦争や原爆の悲惨さを物語る意図との関係を理解しようと努めた2時間余りだった。

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佐分 利信

5.0音楽を愛する全ての人へ

2014年9月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

楽しい

知的

幸せ

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てるね

1.5調子外れな不協和音

2014年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

寝られる

NHKで「四季・ユートピア」「川の流れはバイオリンの音」という名作テレビドラマを生み出した佐々木昭一郎さんが、約20年の沈黙を破って手がけた初の長編劇映画。
プロの俳優を使わず、一般人による生のリアクションによるライブ演技と、美しい映像と音楽に彩られた作品構成は変わらず。
一般人の演技のみで作品を成り立たせようとすると、下手をすると「学芸会」になってしまう。
以前の佐々木作品なら、詩のような台詞に伴奏のような音楽と映像が乗り、透明感溢れるハーモニーを奏でていた。
ところが本作品では、調子外れな不協和音が交って透明度が低い。
そして140分という上映時間が長過ぎて、このくどい展開が何時終わるのだろうかと思ってしまう。
20年のブランクの間に佐々木さんが表現したいことが溢れ、それを本作品に盛り込みたいのは分かる。
ましてや佐々木さん縁の人々に捧げた作品ならば尚更だ。
ただその思いが強ければ強い程、主張したいことを前面に出せば出す程、持ち味である透明感は濁っていく。
美人ではないが、マルチリンガルで歌声が美しいヒロイン・ミンヨンは魅力的ではあるが、プロではない一般人に2時間以上の長丁場を持たせるのは無理があると思う。
そういった「馬脚」を更に助長させているのは、噴飯ものの設定と展開。
本作品では、現代と戦時中とが交錯して展開するのだが、その二つの時代を合わせ鏡にしようとしての設定と展開なのは分かるが、あざとさが残る。
やはり20年のブランクを埋めるのは難しいということなのかもしれない。

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