劇場公開日 2014年1月31日

  • 予告編を見る

「欲を抑えるってのも大変だ…」ウルフ・オブ・ウォールストリート ソロモンさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0欲を抑えるってのも大変だ…

2014年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

怖い

まるで欲で満たされた映画、といった感じで包み隠さずすべてをさらけ出したよう作品だったと思います。極端な結論から言うと個人的には面白い映画でした。

三時間という長編映画ですが、劇中の登場人物のテンションが半端じゃなく息切れを感じさせないほどにずっとイカレてるので、見てるこっちもなんか疲れてくる。
ですが不思議と物足りなさを感じないということもなく、意外なところで終わって「あれ?ここで終わり?」っとあそこまで振り回しといてここで終わりかよと思ってしまいました。しかし今にして思えば、主人公ジョーダンとその部下たちのあの豪遊っぷりを見て羨ましく思う自分もいた気がします。

この映画悪く言えばドラッグとセックスばかりの映画ですが、島を一個軽々買えるほどの大金を手にして、不謹慎だのどうのこうのと言って豪遊せずして生きていられるかを考えてみると、まあジョーダンがああなるのも無理もないかもしれません。

その一方で、お金の話を持ちかけても一切顔色を変えず職務を務めたあのFBI。この映画の中で唯一と言っていいほど欲(感情ともいうべき?)を出さない人間でしたが、彼の仕事の動力源は一体なんなのか非常に気になります。バットマンとかみたいになんかすごい信念を持ってるという感じでもなさそうだし、仕事に対して不満そうな素振りも見せないしかといって満足げな感じでもなさそう。(この絶妙な演技をしたカイルチャンドラーさんは素晴らしいかったです)
おそらく今の現状で満足しているのでしょうが、こう欲を抑えるっていうのもなかなか出来るもんじゃい気はしないでもなかったり…

それからジョーダンもあきれてものが言えない男ではありましたが、才能があるのも事実。相手を言葉巧みに誘導する話術と相手を魅了するカリスマ性は正直羨ましいと思えました。(この辺さすがハリウッドスター、レオさん…)今回の失敗を反省して、立派に更生してくれることを願います…。

この映画の元ネタの数年後も似たような「エンロン事件」ってのも起こりましたが、この映画のラストのあの観客のシーンは「この中からまた似たような人間が出てくるかな?」みたいなスコセッシ監督のちょっとした好奇心が出た一場面に見えた。
…まあこの辺私の勝手な妄想なんですが(苦笑)

ソロモン