鑑定士と顔のない依頼人のレビュー・感想・評価
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引き込まれるのですが、、、
いきなりネタバレですけど、最後に鑑定士がだまされるのがわかるというか、なんというか。
おじいちゃんが若い女にだまされなきゃいいけどねーって途中で思ってたらその通りになっちゃって、最後の最後でおじいちゃんが「そんなのわかってたよー」って大逆転するのかと思いきや、それもなく終わってしまったのが残念だね。
映画内でわいた疑問点
・目隠しして入った隠し部屋に入る時の暗証番号は一緒に生活してて聞いちゃったの?
・機械いじりの男、恋仲になる女、オークションで協力していた画家、ヴィラの管理人、機械いじりの男の恋人全てが、画家の私怨を晴らすために2年も働いていたのか?
・機械いじりの男の店に主人公はなぜ最初から行けたんだ?
贋作の中にも本作がある
がテーマであることは明白ですが、恋仲の男女が贋作(騙されてるからね)だとしたら、本物の愛があるというのをラストシーンで表しているのでしょうか?よく分からんですな。
ハッピーエンドではないが。
原題の英語訳は Best Offerだが、この邦題は良かったと思う。主役俳優の演技力が素晴らしく、感情移入してしまった。オチは(1人の関係者を除いては)薄々読めていたが、それでもハッピーエンドを期待してしまった。ハッピーエンドではないがバッドエンドでもないと僕は思う。ラストでナイト&デイで彼女を待っている時は女性の肖像画に囲まれていた時よりも幸せではないのか?何故修理屋はあんなに大掛かりな仕掛けを行う時間も資金力もあるのか?主人公が暴漢に襲われた時に彼女に電話しなければ(或いはする力が残っていなければ)どうするつもりだったのか?とか色々つっこみたくなる所もなくはないが、素晴らしい、実にヨーロッパらしい映画だった。旅行で何度か行ったのでウィーン、プラハの景色は懐かしかった。
いい勉強させてもらうトホホ映画
女を避け仕事一辺倒な人生を生きてきた初老の美術鑑定士(ジェフリー=ラッシュ)が、いい勉強させてもらうトホホ映画。
主人公が宙ぶらりんなまま放り出されて終劇したのが監督の狙い通りならば、「完璧な仕事人よりも、恋に翻弄されボロボロになる人生を生きた方が、人間らしい」という主張にも解釈できる。
いともたやすく偽装される愛情/友情に翻弄されるのが人生の苦さ、
機械人形(作り物の人間像)に真実を幻視しちゃうのが人生の情けなさ。
えーそーですとも(泣)
騙され裏切られながらも、伴侶を待ち続ける。C'est la vie。
ンッン~、オトナなテイスト♪
ただ、結末の裏切りがエゲツナすぎて・・・(^^;)映画らしい救いが少しばかり欲しいところ。
限りなく高い美意識で実装された絵作り、役者さんたちの迫真の演技、話運びの巧みさにため息が出る。
名俳優ジェフリー=ラッシュは言わずもがな、
主人公を声色だけで翻弄するシルヴィア=フークスのパフォーマンスは鳥肌モノ。
(仕事モード/不安/癇癪/相愛)
半面、2時間は長く感じる(^^;)。
観客にミステリ物かと誤読させておいて、正体不明の依頼人がさっさと姿を現してしまう展開があまり効果的でない。
ヒロインが主人公の気を引く手法が、キレる→謝る→キレる→謝るの一辺倒でちょっと芸がないかな。
そんな安易な振り回しに没頭し、仕事をおろそかにしてゆく主人公の「魅力」が削がれていくのは大きなマイナス。ユーモアを忘れず、でも仕事は敏腕、というところが素敵だったのに終盤ただのくっちゃくちゃなおじんになり果てる(^^;)。
組み上がっていく機械人形が「寓意」としてのみ意味を成し、ストーリー上の必然性を失っていくのも、なんか設定を活かし切れてなくて残念。
鳥肌
もう10年も経つのか。映画館で鑑賞した際はあまりの衝撃に鳥肌が立ったのを覚えている。モリコーネの音楽が素晴らしくて、ストーリーと大音響が相まって恐怖すら感じた。
2回目の鑑賞で、色々わかった上で観るとまた面白い。今回は自宅で心に余裕を持って観られたし、伏線も楽しめた。
でもやはりあの隠し部屋の白い壁を見た時の衝撃は2回目でも充分なものがあった。またヴァージルの表情が上手い。演出の間も完璧だと思う。
色々な見方が出来ると思うけど、私にとってはバッドエンドかなあ。胸が痛い。
ただ音楽も含め忘れれない印象的な作品なので高評価。
ミステリというより後味悪い系
「ミステリ好きにおすすめ」とあったから観たものの…9割までは恋愛映画。え??どこがミステリなんだ??と思いながらも…親子ほども年の離れた娘に夢中で恋患う主人公が面白くて見てしまう。何故か主人公に好意を持ち始めるクレアも不思議で気になる。どんでん返しは本当に終盤も終盤。あの白い壁を見た時の衝撃を想像すると、血の気が引く感じはしました。クレアは最後まで謎でしたね。回想のベッドシーンを何度も印象的に見せるのは、クレアの愛は本物だったと思わせます。しかし、全てを失った孤独な主人公。他人事ではない感じがして、暗い気持ちになりました。。。
ミステリー好きはぜひ観て
美術品の天才鑑定士・ヴァージルの下に両親が遺した美術品を鑑定してもらい、売りたいと依頼が入る。
奇妙なことに依頼人は何かと理由をつけて、対面の約束をすっぽかし、一向に顔を見せない。
次第に明らかになる依頼人の素性、その奇妙な状況に堅物・短気なヴァージルの心も少し揺れ動く。
結末までの持っていき方が巧妙で、こんなオチかな?いやこうかな?と考えながら最後まで楽しめて観れた。
ちょっとその仕打ちは酷くない?と思わなくもないが、因果応報と言うべきなのか…
観る人によってヴァージルにどんな感情を抱くか変わるだろうから、
そこもこの映画のだいご味。
私はラストのシーンがほんのり切なくて、少し肩入れしたくなった。
映画本筋とは別に、『ニュー・シネマ・パラダイス』のトルナトーレ監督作だったのね!ってことを観終わってから知る。
(観たいと思った映画はその瞬間から何も情報を入れなくなるタイプなので、よくあること)
音楽もモリコーネだし、なんだかトルナトーレ監督作を一気に観たい気持ちになった。
観終えたあと思わずネットサーフィン
本作は面白く観れたものの、個人的にはジュゼッペ・トルナトーレ監督らしさがあまりなく少し物足りなく感じた。
綺麗な映像と音楽そして心洗われる感動を期待していたが、どちらかというと伏線を張り巡らせたストーリー重視の仕上がり、という印象。メイン言語の影響もあるかも。
観終えたあと、あれって感じで…ネットであらすじを読みまくってしまった(汗)
こんなに凝ったストーリーだと思っていなかったので、もう一度観直すと本作の本当の良さがわかるかも。
びっくり!
前知識なく、たまたま見つけて期待せずに見た。
まあ、設定も話もわかるし登場人物も多くなく見てた。
が、、、すごいどんでん返し。
なんか最近は、見る映画でわけわからん、ひねりすぎたスパイものとかで「ハズレ」な気分を味わってただけに、この映画はたまたま見たにしては「当たり」だったかな、と。
奴はとんでもないものを盗んでいきました・・あなたの心です。
タイトルは冗談としてw
とにかく、とにかく絵が素晴らしい。そして抑制と抑揚のよく効いた端正な音楽。
ストーリーも演技も非常にミステリアスで、伏線がふんだんに張り巡らされており、
緊張感が途切れることがありません。
童貞を拗らせた爺さんが、いい歳してハニートラップに引っ掛り、すべてを失う映画・・
と表現すると身も蓋もありませんが、
単純に、財産や信頼や愛する相手を根こそぎ奪われてバッドエンド、なのではないのですね。
対人恐怖症で、女性の手にも触れられない、目も合わせられない美術鑑定士は
仕事上の目利きは超一流であるが、人生における目利きは超三流で、
友人も、愛も、信頼できる相手も、張り巡らされた陰謀も、なにも見抜くことができません。
その彼が、引き籠り、築き上げてきた自分の城という殻から、
ラスト、ようやく解放されることができたのですね。
都合よく自分を見つめ、微笑んでくれる大勢の美女たちに囲まれて暮らすのは、
それはそれで、長らく、幸福で安寧だったのでしょうが、
そんな逃避しているだけの、歪んだ幸福で、一生を終えてしまって良いのでしょうか。(それもまた人生! なのですが)
そっとしておいてくれないのが、この映画なのですね。
かなり手荒い手段でしたし、彼はその人生のなにもかもを、財産も、社会的名誉も、恋人も
一旦は、心すら失ってしまう訳なのですが、
ただ、その苦く、つらい経験が、彼を、蘇らせてくれるのです。
人並みに、貧や、挫折や、失恋を経験し、
社会のなかの(ごくありふれた、当たり前の存在=)歯車として生まれ変わることができたのです。
チャプリン「モダンタイムス」以降、高度経済化、機械化社会のなかで「歯車」と描かれることは
非人間的で、悪だという価値観が長く支配してきていたのですが、
この映画は、時代の変化と共に、そこへ一石を投じているように感じます。
歯車のように、他人と同じように生きることもまた、幸せなのだと。
オートマタのような機械仕掛けのシステム(社会)の内側に、
真実を告げる小人のように、隠れてひっそりと暮らすことも、ひとつの知恵であり、
これもまた、ひとつの幸福なのですね。
労働者が消耗品のように扱われてきた時代から、
人間ひとりひとりの人権が、命の値段が、それこそ、芸術品のように高価になった現代ならではの視点ですね。
特異に目立ち、ワンオフの高級品として生きるよりも、平凡ななかに、安寧と幸福を見出す、、
若い世代を中心に、そんな価値観のシフトは実際に起こっていると思います。
老人も、あのまま衰弱し、精神病棟かリハビリ施設で終わってしまってもおかしくなかったのですが、
彼の中で、一念発起し、それこそ自分のなかの根深い価値観(重力方向ですら)ひっくり返して、
ここから、彼は生まれ変わり、再出発するのです。
彼の人生は惨めでしょうか? 他人と比べ、孤独でしょうか。
私には、これまでの彼の人生の方が、ずっと孤独だったのではないかと思いますね。
偽りと虚飾から逃がれ、彼は実は、今がいちばん解放されているのですね。
来るはずのない恋人を待ち続ける、苦しさや悲しみの先に、喜びもまた、待っているのですね。
今はどん底のように感じられるかもしれませんが、
復讐により、一見、すべてを失った彼が、代わりに得たものがある。
皮肉で残酷なメッセージかに思われますが、どうでしょう。
それこそが人生ではないですか。
恋愛、ミステリー、最後はサスペンス
ラストタンゴインパリを見た後みたいな
感じもあり
マーロンブランドよりはだいぶマイルドだけどね
そうなるでしょうなーと思ってはいたけれど
案の定で、、、
せめてビリーは でいて欲しかったけど
一番動機があったのも彼ってことよね
面白かった
クレアが最初顔を出した時の透明感が凄くて
子どものような危うさと妙な色気が
すごかったねミステリアスな美女です
最後全部つながるとなんとも言えない気持ちになります
さいしょの冒頭の高級レストランとラストカジュアルレストランでの彼との
対比
創造と生産と壊すこと
彼には何が残ったのか
壮大な嘘に無理がある
映画としての作り込みは評価するが、それ以前の仕込みにあまりに無理があり過ぎる。
カタログ本一冊分の、それなりの美術品をホイホイと容易に用意したり、修理店の経営を偽装したり、諸々の嘘満載が、せっかくの作り込みも安易なご都合主義作品にしかなりえない。
そもそも、そこまで手が込まなくとも、強盗で押入れば一日で終わること。
あれだけの作品をどこでどう捌くのか、仲間内での報酬をどうするのか?嘘に嘘で固めているから、脚本自体に無理があったとしか思えない。
キャスティングにしても、こんな老いぼれた爺さんに若く美しい女性が恋に落ちるなぞ、完璧な妄想。それならせめてそれなりの主役を持ってくるべき。
始めから不思議な雰囲気がただよう。 美術鑑定士である独身で人間嫌い...
始めから不思議な雰囲気がただよう。
美術鑑定士である独身で人間嫌いの主人公が、ある女性との出会いで愛を知り、変わっていき、ハッピーエンドになるのかなと思いきやどんでん返しのラストが…
騙されても彼女を愛したということ、その事実、その思いでラストのカフェで連れを待つという姿が切なかった。
ストーリー、心理的描写など良くできた映画だと思う。
いい経験したでしょう!
しばらく、この感じでどこまで行くの?と思い観てましたがトータルとても見応えのある映画だなと思えました。
ヴァージル可哀想より自分の絵が認められない事を人のせいにしたビリー自身のワガママな仕返しは最悪だなって感想です。
あと、ロバートとクレアの動機がめちゃくちゃ気になった。
ジャンルを知らずに観てたら悲壮感が半端なかったかも。
悲劇とは思わない
孤児として育ち、人を避け孤独に生きてきた主人公。初めて愛を手に入れたと喜んだのも束の間、地獄に突き落とされてしまう。
だけどこれは、主人公の老人が可哀想なだけの話ではない。だって彼は長年鑑定士としての信頼を逆手に取り人の目を欺いて絵画を手に入れ、自分だけのものにしてきたのだ。
本来手にするべきでなかったものを失っただけのこと。人を初めて愛した気持ちは誰にも奪えない。たとえ相手の気持ちが嘘であったとしても。
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