百年の時計

劇場公開日:

百年の時計

解説

「ことでん」の愛称で全国の鉄道ファンから親しまれる香川県・高松琴平電気鉄道の路線開通100周年を記念し、オール香川ロケで撮影されたご当地ムービー。高松市美術館で学芸員として働く涼香は、憧れの芸術家・安藤の回顧展を担当することに。しかし年老いた安藤は創作意欲を失っており、回顧展にも消極的だった。大切にしている懐中時計の前の持ち主が見つかれば新しいアートが生まれるかもしれないという安藤のため、人捜しを引き受ける涼香だったが……。

2012年製作/105分/G/日本
配給:太秦、ブルー・カウボーイズ
劇場公開日:2013年5月25日

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(C)さぬき地産映画製作委員会/真鍋康正 小松尭 大久保一彦 金子修介 金丸雄一

映画レビュー

5.0金子修介監督作では個人的ベストかも

2015年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

知的

町興し資本の入った映画と色眼鏡で観始めたら騙された!多少とっ散らかってるけど金子修介監督作では個人的ベストになるかも。映画は虚構を前提と言うと大林宣彦ぽくなるが、まさにそんな感じ。木南晴夏も良い。

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ykono

4.0夢心地のような快さ

2013年7月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

単純

幸せ

最近、子供映画ばかりで見るものがなく、立ち寄った感じで観ました。

地産映画ということで、香川の田園風景やコトデンがふんだんに取り入れられていますが、ファンタジーな映像になっていて夢心地のような快さを感じました。
その雰囲気を出しているのに、ミッキー・カーチスのお茶目なキャラクターがあったからかもしれません。

また、エンディングに流れている「めぐり逢い」という曲がこの映画にマッチしていて、子供の頃、家で兄弟と台風が通り過ぎるのを待ち、過ぎ去った後、家から外に出た時、先程の大風が嘘のようにかわって南風の空気に青空が見え始めた時の記憶を思い起こしてくれるようでした。

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tabibito56

4.0生きてきた時を重ね合わせる瞬間

2013年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

幸せ

市井のだれもが自身の物語を生きている。車窓からの緑色の気持ちいい風を感じる、いい映画でした。
出会えて良かったです。

新米学芸員と老芸術家の、古びた懐中時計をめぐるお話。
香川県の「ことでん」百周年記念の作品だそうです。私は乗ったことは無いのだけれど、心の中にある地方の街と懐かしいローカル線の話として、多くの人が共感できる語り口でした。

懐中時計が刻んできた時と、参加者それぞれが生きてきた時を重ね合わせる、一期一会のインスタレーション。身近に展開する芸術には、親密で温かい感動がありました。
時計の納まりどころも良かった、時は留まることなく刻まれてゆきます。

神高涼香を演じたのは初主演の木南晴夏、ハツラツとしていて良かった、可愛いです。
ピアスにドクロの指輪のポップな芸術家・安藤を演じたミッキー・カーチス、井上順との共演には密かにニッコリでした。中村ゆり、小林トシ江の演技も、とても印象的でした。

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グッドラック

4.0人生いろいろ 人生これから

2013年6月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

幸せ

この作品との出会いは、1ヶ月前、とある映画館にたった1枚残っていたチラシがきっかけだ。地味なタイトルとスチールの組み合わせでそそるものがないが、どこか誠実そうな印象を受けた。

ミッキー・カーチスとローカル線を走る電車に惹かれて観に行った。
「ガメラ」や「デスノート」など特撮を使った大作を手がけてきた金子修介監督らしからぬ“あらすじ”にも興味があった。

「ことでん」の愛称で鉄道ファンからも親しまれる香川県・高松琴平電気鉄道の路線開通100周年を記念したご当地ムービーでオール香川ロケだが、観光PRフィルムみたいでないのがいい。この手の映画は、その地の観光スポットだの名産だの年中行事の絵が挿入されがちだ。そうしたロケ地へおもねいたところが極力切り捨てられているところに好感が持てる。

ミッキー・カーチスが創作意欲を失くした老芸術家・安藤、木南晴夏がその安藤を尊敬する学芸員に扮し、かなり年齢差があるコンビを組んでの人生再考物語だが事はそう単純でもない。
安藤が長年所持する懐中時計に秘められた過去を手繰るラブストーリーでもある。
過去の二人が醸し出す不思議な時空感に魅了される。

その懐中時計が作られてから100年、「ことでん」が走り始めてから100年、この2つが見てきた日本の歴史、町の変遷、人々の営みを綴りながら、過去あっての現在、そして未来への展望を静かに、そして豊かに語る。
観る者の心を真っ直ぐ見据えた作りは、チラシから受けた印象と同じく誠実感が漂う。

安藤の言葉通りアートとは肩肘張ったものではなく、「ことでん」のように生活に身近な存在を利用し、しかもゲストの人生に直接訴えかける表現方法は興味深い。もっとも、この映画そのものが一大インスタレーションといえる。観てよかった。

惜しむらくは、ラスト近くで「ことでん」に並んで座る二人の位置が左右逆ならよかった。時間を超えた想いが変わらないのであれば、座る場所も変わらないほうが絵的にしっくりする。

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マスター@だんだん
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