隠し砦の三悪人のレビュー・感想・評価
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百姓コンビが面白かった
午前十時の映画祭11にて観賞。
戦国時代に敗国秋月家の侍大将・真壁六郎太(三船敏郎)が秋月家の世継ぎの雪姫(上原美佐)と隠していた黄金200貫と2人の百姓とともに、敵陣を突破し同盟軍早川の陣地に到着する話。
次々と絶体絶命の危機が起きるが、間一髪で切り抜けていく所が見どころ。
百姓コンビがいつ裏切るかとハラハラして面白かった。この2人がスターウォーズのC-3POとR2-D2のモデルになったんだと初めて知った。
スリル、サスペンス、アクション、コメディ、とどの要素もレベルの高い良い作品だった。
題の三悪人って誰って思った。
アニメでゲーム
最初の武士が現れて倒れる位置とか、最後の方の牢屋に入れられて迎えに来た人を影だけで見せるとか、もう構図が現代のアニメですね。
さらに言うと、川でたまたま金見つけて、櫛落ちてて見つけてって、ゲームのフラグじゃないか。
こういうのの原点を分かりやすく見つけるのが黒澤映画の楽しさですね。
心まで沈黙するな
そもそも3悪人って誰?と思ったが、登場人物全てではないかと。
だって各々、自分の野心実現や名誉回復しか考えてないし、雪姫も侍も足軽2人も立場が違うだけ。雪姫の付き人(侍)の忠誠心は職務上の言動だよね。戦国時代とは言え、終始彼が足軽2人を罵倒して見下してるのは不快だったよ。
唯一、誰かの為に立ち回ったのは雪姫に庇われた娘かな。健気に人身売買に抵抗した彼女は、その後どうなったんだろう。雪姫に救われた忠誠心から、自己犠牲に転じる姿が可哀想だった。
「貴女が死んでも、また他の誰かが犠牲になるだけだから止めなさい」と言いたくなった。
野心や欲望を「身の程知らず」「ワガママ」と否定的に捉えるより、自尊心や向上心の強さと肯定的に考えた方が権力への依存や自己犠牲を回避できるかも。
エラい人もその他大勢も、ひたすら自分の為に生きて良いんだよ。
見どころは、火祭りシーン。ノースリーブ&短パン姿で軽快に踊る雪姫です。
魅入ってしまう!!!
なんて面白い映画なのだろう。
なんて気持ちのいい映画なのだろう。
何度となく繰り返される二人の掛け合い。観客を映画の世界へ導いてくれる導入・狂言回し、かつ物語のアクセントであるものの、人の”生”を、忠義のために命を粗末にする武将との対比で、謳いあげてくれる。
そして三船さんの登場。『羅生門』の山賊や桑畑・椿と比べると、なんと品のあることよ。なのに、姫に振り回される感じがなんともかわゆい。そして他のレビューでも絶賛される騎乗のスタント。それ以外のスタント。
雪姫の立ち振る舞い。化粧は妖怪かギャグかとびっくりするが、不思議なことに物語が進んでくるうちに美しく見えてくる。所作のキレ、着物の裾裁き、お見事。候補に挙がった女優ではお気に召さず、ずぶの素人の上原さんが抜擢されたらしい。セリフ回しにも最初度肝を抜かれるが、これまた、終盤格好良くキメてくれる。
途中で加わる女。最近のつまらない映画やドラマを見ている身が予想する動きの上を行く。まだ、人の”信”が生きていた時代なんだなあ。
そして、敵の将。江戸時代300年のうちに”忠義”のあり方が捻じ曲げられてしまったけれど、戦国時代はまだ、誰に命を託すか選べる時代だったんだなあ。己を知って、”活か”してくれる上司に使えたいものよ。
国盗り物語故の残酷な場面はある。
でも、上に立つものが、下の者の命や生活を気遣い、下に使えるものが上に立つものの立場を思いやるという筋に、
一緒に旅するものをもだまくらかしての逃避行ーいつばれるのか、
敵陣を突破する逃避行ーその危難の越え方、
が、意表を突くような方法で、わらしべ長者のように、一つの展開が思いもよらない展開を生み、と楽しませてくれる。
しかも、それがダイナミックな、心あらわれる映像・音楽で展開。
観ないと損をします。
C3POとR2D2が結構小ずるい
ルーカスが参考にしたとの事から一度観てみねばと思っていたが……。この二人組は忠誠心も一徹さも無く、凸凹コンビという事以外共通点はほぼ無し。それに上原美佐の雪姫の形相が男まさりとかのレベルでは無く無茶苦茶怖いんですけど。参考にしたのは設定までだったよう。それはともかく火祭りの場面は圧巻。戦国と上映当時の日本全体の「何が何でも復興してやる」の象徴をかけたのか、何かとてつもないエネルギーが伝わってくる。北野武が座頭市でやりたかったのはこのオマージュだったのだね。(あっちは唐突すぎて違和感ありまくりだけど)
捕虜の反乱シーンといい、よく死者が出なかったなあと感心する。ストーリーはともかくやはり黒沢映画(特に白黒映像)の迫力は凄いな。
139分ある
ほんとは139分あるのにここでほ109分て書いてある。なぜだ? 前に公開したときは109分だったのか?
三船敏郎の騎馬戦は凄かった!
脚本や展開も良い、SWがこれに影響されたのもわかる。
百姓がC3-POとR2-D2の元ネタって意味がわからん。百姓の方が良い仕事をしてるではないか!?
迫力ある三船の演技、上原美佐のまさしく姫といえる気品、千秋と藤原の...
迫力ある三船の演技、上原美佐のまさしく姫といえる気品、千秋と藤原の味のある2組、そしてどのシーンも目が離せない面白さ。これぞ娯楽時代劇、その醍醐味を存分に楽しむことができる傑作映画だった。
画力
序盤の城内での混乱、雪崩を打って段を下っていく捕虜達。凄まじい動感。
馬上にて刀を構えたまま不動の三船敏郎が敵を追い詰める怒濤の姿。
火祭りの民衆の興奮、炎のように群衆が躍り、姫にも飛び火したように躍る。そら楽しかっただろう。
隠し砦の絶景は言うまでもない。あり得ないような画が散りばめられる。
日本映画黄金期?
モノクロながら迫力のある画面、ケチらない映画。
スターウォーズ絡みで、とある映画館のサヨナラ上映で観た。
午前10時で見逃して、もう見ることないと思ってたけど、こうやって見ることができました!
二人の百姓、人の業の深さと性善性がええバランスで、笑わせてもらいました。
できれば、音も良くなればエエなって。
惚れぼれするような完璧な脚本
いやー面白い!
最高のエンターテイメントに仕上がっています
見事な脚本で一切淀みなく展開します
全く無駄のないプロット
六郎太と姫の物語を太平と又七を配して展開させることでお話に弾みとコメディリリーフとなす
同時に六郎太のプロフェッショナルさを際立ているのです
田所兵衛とのプロットも実に見事
六郎太と姫を引き立てる構造にもなっています
本当に惚れぼれするような完璧な脚本です
そこに姫のキャラクター造形
それを体現し得る役者を探し求めて配役された上原美佐の美貌と美しい身体と演技には参りました
娯楽映画の教科書なのは間違いないです
スターウォーズの元ネタというのは有名ですが、宮崎駿監督のアニメ作品にも多大な影響を与えているとおもいます
太平と又七が姫にジェスチャーで伝えようと可笑しな身振りで笑えるシーンが有りますが、あれは当時NHKで絶大な人気番組だったジェスチャーショーからインスパイアされたものではないでょうか?
これ程のレベルの高い世界水準の脚本を作る力が当時の日本映画界にはあったのです
今の映画界にとって、もっとも必要な、取り戻すべきものではないでょうか
・上原美佐のがなり声が初々しいぞ ・パントマイムがコミカルで笑う ...
・上原美佐のがなり声が初々しいぞ
・パントマイムがコミカルで笑う
・三船の馬の乗りこなし、すっっごい
・なんて粋なクライマックスなの〜
スターウォーズを思い出してください!
黒澤映画初のシネマスコープ。いきなりコミカルな演技によって二人が『スターウォーズ』のC3POとR2D2に見えてくる。強欲な狂言回しの二人が最後まで笑わせてくれ、対する姫(上原美佐)が人間の醜さを知っていくところが対照的。そして最初から圧倒されるエキストラの数!大きなスクリーンで観たかったな~と思わせる。
金をどこに隠したか、という小手先のプロットで驚かすよりも、練りに練った脚本、そして田所兵衛(藤田進)との槍決戦シーンや真壁(三船)の本物の流鏑馬よりも迫力ある馬上の殺陣。ごまかしが一切ない映像力だった。
リメイクでは田所兵衛のゲイネタとも思えるやりとりが逆に面白かったけど、全体的に面白さは互角。「裏切り御免」と捨て台詞を吐く田所のシーンが気持ち良かった。
軽いタッチ、重厚な映像。
前半では群衆シーンや城の焼け跡のセットなどに金をかけまくっている。こんな迫力のある金のかかった映画が、このように面白い大作になって後世に残されたことを喜びたい。
今見てみると一番有名なあのシーンは移動撮影でなくてパンなので少し驚いた。しかも長いカットでなく切り繋いだカット。長い移動撮影だと観客の目が慣れてしまって移動撮影の効果が薄れる。それで一旦、別カメラからのショットに切り替えそして再び移動ショット。それを三回やっている。迫力あるシーンってのは物語とリンクしてこそ生まれるのではあるが、黒澤映画にはこのようなカメラワークの工夫がやはりそこには有るのである。・・・それから長回しのシーンについても書かねばなるまい。この映画には一箇所、カメラが固定されたまま異常に長回しで芝居を見せるシーンがある。なんで、あんなに長回しなのか?・・・実は、あのシーンがクライマックスなのである。この映画は冒険スペクタクルであっちこっちに派手な見せ場がある。一つのアクション映画である。ところが、そのクライマックスだけが固定カメラによる静かな長回しなのだ。あのシーンで長回しによる緊張感がしっかりでているから最後のところでスカっとできるのである。なんという演出の妙であろう!!
次に脚本についても少し。
脚本的に成功したのは二人の欲張り達の設定である。くどいように二人が言い争うが、彼らがもう少し物分りがよかったら映画として成り立たなかった。「こんな二人を上手くコントロールして無事脱出できるだろうか?」というハラハラ感がこの脚本の背骨となっている。前半がちょっと長いように見えるがそのあとが正にジェットコースター。脚本家たちが頭をひねって最高に上手く仕上げた娯楽大作だ。
フィルムの美しさがよく現れていてとくに三船のアップが非常に味が出て美しく撮れている。デジタルでは今のところ、あの味わいは出ない。映画監督よ、映画はフィルムで撮れ。
その欲深は浅ましくも愛おしい
七人の侍や用心棒と比べるといまいち印象が薄いのは、シナリオの起伏がやや平坦で盛り上がりどころに欠けるからだろう。
後述の百姓ふたりの生々しくも誇らしい漫才喜劇的な側面と、三船敏郎のプロモビデオを足して、そこに黒澤ならではの高度な時代考証と説得力のある描写が彩として添えられてるような作品。
主役であるふたりの百姓は、端的に言ってしまえば間抜けで強欲だ。そうでしかあるまい。でもそんな単純な言葉に収まらない人間臭さがなんとも魅力的である。
彼らはラストシーンを迎えるまで変わることは無い。愚かで、単純で、目先のことしか考えない。しかして作品のヒロインたる棒読み姫や、とりあえずカッコいいとこだけ見せてる三船敏郎よりも、ずっと愛おしいキャラクターに仕上がっているのが絶妙ではないか。
その理由は、彼らの短慮も欲深さも、現代の価値観に汚れていない非常にプリミティブなものだからではなかろうか。彼らのあの言動は人間が誰しも備えていて、でも合理的に物事を考えられるが故に、あるいは現代社会のモラルに反するから実際に口にしていないだけなのだ。だから彼らを「馬鹿だなぁ、浅ましいなぁ」と眺めながらも嫌いにはなれないし、その行く末をハラハラしながら見守ってしまうのだ。
一方、三船敏郎は他の傑作と比べてまったく面白みのないただのカッコイイ侍に収まってしまってるし、お姫様はなかなか棒読みで大根なあたりに世間ズレしてる風を演じているのかと思いきやマジで素人だったりと、とくに良い印象は残っていない。
描かれる戦国時代の世界は流石で、宿場町の雑踏も、負けた領地の兵士や平民の行く末も、これまであまり気にしてなかったこともバッチリ描かれてて作品世界にぐいぐい引き込まれている。
重要なのは、これはリアルではなくリアリティであるということだ。エンタメ性質を阻害しない部分は、徹底してリアル"風"の描写を徹底している。近年のクソ時代劇が蔑ろにしてる全てがここにある。
姫様が常時化粧バッチリなのは凄まじい違和感があったが、ラストシーンではしっかり時流にあった化粧をしてるので(これには少し驚いた)きっとずっとすっぴんだったに違いない!
バカコンビにまた会いたい
何なんでしょう?
映画力?みたいなものをすごく感じます。
最初の5分でふたりがどうしようもない奴らだとわかり、次の5分でもう目が離せなくなっている。
映像も、日本なのに何か別の世界のよう。
愛すべきバカコンビはややサービスしすぎな感じもあるけど、やっぱりまた観たくなる、会いたくなってしまうようなところがあります。
他の黒澤作品と比べ、気軽に観られるところがとてもいいですね。
ブルーレイ買おうかなぁ…
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