舟を編むのレビュー・感想・評価
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もう何年も前にこの映画を観たはずなのに内容もすっかり忘れていました
その時には言葉の持つ力や素晴らしさに全く気が付きませんでした
NHKでドラマが始まり何度も何度も言葉に感動し玄武書房 辞書編集部の面々に励まされた気分です
なんだかこの映画は暗いイメージだったはずなのに、今見てみるととても熱く薄暗い編集部の部屋なのに熱気がじわじわと伝わり見ているこちらまでワクワクが止まらなくなります
最初に見た時には何も気付かずただ眺めていただけだったのでしょう
しかし今こうして心震わせる作品に出会えたことに感謝です
やっぱり素晴らしい
11年前に観た作品だったが、改めて観て本当に良かったなと思った。確か11年前も自宅から4時間程かけて遠い町に観に行ったんだっけ。あの時も小旅行みたいだったけど、観て良かったなと暖かい気持ちで家に帰ったことを思い出した。
全てが温かい。山も谷もそんなにない映画ですが、情景描写、人物設定、演出、全てが丁寧に作られています。キャストやスタッフがこの作品を愛しているのがとてもよく分かりました。松田龍平さんは上手いですよね、本当に。
また観たいと思わせる、心を温かくしてくれる映画でした。
良い
映画。
そして正直に羨ましい。なぁ。
と言う言葉が浮かぶ作品でした。
ちなみに良い映画の条件として
良い脚本と出しゃばらない役者とその演技
そして音楽がある。と言うことが僕の条件な訳だが
本作はまさにその三拍子が揃った映画だった。
それと、僕の言う羨ましいなぁ。は
宮崎あおいとの恋愛に照らし合わせて、僕が思う方との関係を振り返って
素直に良いなぁ。
であった。
どうも僕は本当に好きな人にはひっくり返ってしまうようでw
悔しい限り。と言う意味での羨ましいだったのだ◎
まぁ、最後は余興で、良い作品でした。
静かな情熱が伝わってくる
辞書が発売されるまでの編集物語。
松田龍平の朴訥な演技が上手。
十数年かけて陽のあたることがない地味な作業の繰り返しに耐えられる精神力が辞書編纂に求められることを知った。
発売日間近で清潔感のない狭い空間に複数の作業員が夜通し誤植探しに追われるさまがリアルに再現されている。
誤りが許されない責任感が仕事のモチベーションの人しか向かない職種では。
わざとらしい波乱の展開を挿入しない分盛り上がりに欠けるが、リアリティがあり良い。
辞書作りの面白さ大変さが分かる。最近は家にある紙の辞書を全く使ってない。
僕は原作を先に読んだのだが、その時、映画にも出てくる ”右” の説明の鮮やかさに思わず唸ってしまった。
馬締の ”恋” の語釈がいい。特に最後の 「成功すれば天にも昇る気分になる」というところが笑えた。
僕が持ってる三省堂の新明解(独特な語釈で有名になった辞典)の恋の説明も面白い。長いからココでは省略。 ”右” は「時計」と「明の文字」の2つの説明があった。(漢字の明による右の説明方法は、映画では数字の10で右を説明する方法で出てきた)
今回(2024)の映画は旧作のリメイクだと思ってたら、リバイバルだった。公開時に見たけどほとんど覚えてなかったので新鮮だった。NHK・BSドラマ記念らしい。
さすがに辞書完成まで13年だから2時間映画では無理があって、突然13年後に跳んだ時にはキツネにつままれたような気分だった。だけど辞書作りの面白さと大変さは十分伝わってきて良かった。BSドラマ見たいけど、うちBS見れないんだヨ (^^)
パンフレットが復刻版で売ってた(¥2000 )。パンフレットは今まで5、6回しか買ったことがないが、○○B○さんが128頁もあるって書いてたので思わず買ってしまった。見るの楽しみ。
コトバの意味の説明はホントに難しい。特にカタカナ語を人に説明するのって難しいと思う。
黒木華さんが突然出てきて驚いた。このころは今ほど有名ではなかったと思う。
がっつりと辞書編纂に取り組む
関心はあったけど観る機会をつくれていなかった。
ここまでしっかり辞書の編纂を描いていたとは。用例採集、校正、気が遠くなるような編集の繰り返し。
ライフワークともいえる。紙への思いも熱い。
ドラマチックでなく、静かな展開、でもそこに人生を感じた。
NHK で連続ドラマ化されたこと、映画公開されて10周年を記念して最上映されたので観てきました
墨田区菊川にあるミニシアターstrangerで観てきました。
原作は忘れてしまいましたが、大渡海と言う辞書を作り上げる編集者の奮闘物語ですが、映画では編集長の馬締(まじめ)の辞書部異動や奥さんとなる香具矢との出会いも描かれています。
ドラマでは辞書編纂途中から参加した、みどりの視点で作られています。映画も面白かったのですが、ドラマも面白いのでお薦めします。
舟を編むは大きな劇場ではやっておらず、墨田区菊川のstrangerと言うミニシアターで観ました。ミニシアターはかつては多くありましたが、最近は殆んどみかけなくなりましたね。
「鈍感!」「すみません」続けて「・」「私も」
舟を編むだけでは会話が出来ない事を伝えている。
「手紙じゃなて言葉で聞きたい。」
「えっ!」
「みっちゃんの口から聞きたい。はっきり言って」
「・・・」
さて、彼はどんな言葉を編んだろうか。舟を編んだ言葉の中から紡いだ言葉がこの映画の答えだと共感する。
追記 僕は辞書大好き人間だった。でも、残念ながら、老眼で10冊以上断捨離した。
追追記
例え。「愛」から始まる辞書であっても、愛の無いAIよりはマシである。
言葉の灯台守たちの、知られざる難事業
三浦しおん原作、同名小説の実写化。
【ストーリー】
中堅出版社玄武書房の営業部に勤める馬締(松田龍平)は、辞書編集部の荒木に自分の後継者として引きぬかれ、部署異動する。
荒木は国語学者の松本教授と共に、『大渡海』という辞書編集作業に長い時間を費やしていたが、定年が近づき、妻の介護のためにもその職を離れざるをえなかった。
あまりに膨大な作業を前にしり込みする馬締だが、下宿の大家さんの孫・林香具矢(宮崎あおい)に恋し、友人・西岡(オダギリジョー)にしたためた恋文の感想を聞いたりするうち、言葉の意味について深く考えるようになる。
香具矢との恋が実り、荒木の後釜として主任に昇格する馬締。
毎日飽きずに言葉の編纂に没頭する馬締だったが、コストばかりかさむ『大渡海』計画は、金食い虫として玄武書房上層部で中止の声があがっていた。
辞書編纂という超地味なのにめちゃくちゃ手間のかかる事業にたずさわる、言葉へのこだわりにあふれた骨太お仕事ストーリー。
これが女性向けファッション雑誌に連載されていたというのだから驚きです。
三浦しおんだからと言って、なんでもおしゃれだと思うなよ。
と勝手にオタク仲間認定していた自分は思うのです。
が、この映画がまた地味な出来。
それでも退屈しないのは、演出とフィルム編集の力でしょう。
俳優さんもよかったなあ、宮崎あおいさんを始めて意識して見たかも。大変お美しい方でした。
テレビアニメ版が面白かったから見てみましたが、こちらも傑作でした。
君はなんでもアニメだな。
ここからは閑話休題。
アニメ版の香具矢は声・坂本真綾さんなんですけど、若いころに日本ヴォーグ社刊行の『ゆかた本』という雑誌にモデルとして掲載されておりました。
所用で購入したその本を、数年後見直したらまあ驚き、かの坂本真綾でございましたのざますよ皆さん。
その本の刊行が1998年、当時はまだ誰もが知るような役はありませんでしたが、あれから四半世紀、その後の活躍は皆さんもご存じのとおり、今や押しも押されもせぬ大声優さんですよ。
原作同様、ファッション雑誌つながりということで、ここでその話をしているわけです。ああすっきりした。
こんな駄文ですら、つらねるのに言葉の意味を調べなければならない自分のような暗愚盆暗にとって、遠くでぼんやり光る灯台のごとく、海にこぎ出す道標ともなってくれる辞書。
誰にでもわかるように言葉の意味を限定するという、顧みられることの少ない地道な作業。
いわば言語文化のインフラ整備。
その仕事にたずさわる方々に敬意を表しつつ、このレビューを終えたいと思います。
ありがとうございます。
これからもお世話になります。
国語辞典の編集という地味な作業に取り組む主人公の物語
NHKでドラマの放送が始まった
昨年、劇場版を見たのだがレビューを投稿していなかったことに気づいた
思い出しながら投稿する
出版社に勤務する主人公・馬締光也(松田龍平)が辞書の編集に携わる物語
玄武書房では『大渡海』という辞書の編纂に取り組んでいた。
編集部の中心である荒木は定年を控えており、退職後の編集部員を探していた
ある日、荒木は言語学を学んでいた馬締光也という若手社員を見つける
「『右』という言葉を説明してみろ」という質問に「西を向いたときに北のほう」と答えた馬締を荒木は編集部に引き抜く
営業部では成果を上げることが出来なかった馬締だが、辞書の編纂という活躍の場と出会う・・・・
というストーリー
会社が辞書の出版から撤退しそうになったり、そのピンチから編集部を救った西岡が宣伝部に異動になったり、下宿の孫娘に初恋をしたり・・・・・
色々なことを乗り越え編纂は進む
13年後、
『大渡海』の出版記念会場には出版を見届けることが出来なかった監修・松本の遺影が飾られていた
これまでの苦労を語り合う馬締と荒木
「明日から改訂作業に入る」という
国語辞典の編集という、地味なテーマであるが
与えられた仕事をやり遂げた主人公の物語
良い映画を見た
「日本アカデミー賞6部門で最優秀」に納得
だた、他のファンの評価が想像以上に低くてチョット残念
ケチを付けるとすれば宮崎あおい演じる香具矢の最初の登場シーンが「キラキラ」しすぎ(笑
ドラマでは主人公は馬締ではなく女性編集者に変更されているようだ
こちらはこちらで楽しもうと思う
完成された名作、でも人を選ぶみたい
エンタメとしても、魅力的なキャラが多数で格好良さやコミカルさ、知的な面もある。
詰め込んだというより、分析するとその要素が見えてくる。
楽しめた。
派手なアクションではなく、知的で何かを成し遂げる魅力的のキャラのストーリー。
地味なのは良いが、熱意が伝わらない
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出版社で営業をしていた松田は全然営業に向いていなかった。
そして辞書作成部門に引き抜かれて異動。
不器用ではあったが、熱意を持って10年以上かけて出版する。
でも共に歩んだ監修のおっさんはその直前にガンで死亡。
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日本アカデミー賞6部門受賞とのことやが、そんなにおもろいかな?
映画内では主人公の地味な熱意がやたらと評価されていたが、
観客にはそれが今ひとつ伝わらなかったんじゃないのかな。
ただ長年を地道に淡々と仕事して出版にこぎつけただけに見えた。
おれも地道にこういう作業を継続するのが得意なもんやから、
この仕事やってみたいなと思った。その反面、凄いとは思わんかった。
あおいは相変わらずかわいかったが、何で松田を好きになったんかが謎。
そして物語の中では大して重要な役には思えんかった。ただの嫁って感じ。
あと10年以上経ってもあおいが全く変わらずかわいいままなのも不自然(場)
ほいで、松田があおいに敬語を使い続けてるのも変。
言葉を次世代に繋いでいく美しさ 無限に言葉が増え、そして消え行く時...
言葉を次世代に繋いでいく美しさ
無限に言葉が増え、そして消え行く時代に必死に言葉を残そうとした方々への尊敬しかない
そして一つのお仕事映画でもあり、チームとは、会社が存在する意義を感じる2時間。
人の温かみに触れるヒューマンストーリーもあります。
小学生時代に辞書を引くことが嫌いだった自分にとっては、目からあウロコの職業体験をした気分だったなあ…
まさか辞書ひとつ完成させるのに、数十年単位でプロジェクトが動いていくとは…
そして辞書ごとに言葉のリファレンスが違うこと、製作者たちの色や好み、考え方が反映されるという人間味あふれる仕事なのだと知りました。
半身を失うような哀しみを乗り越えて
舟を編む?
藁の舟?沈まないの?
退屈な映画で舟を漕ぐのは得意です。
新しい国語事典【大渡海】出版企画を進める玄武書房辞書出版部に配置転換された馬締光也(松田龍平)。国文科大学院卒の人付き合いの苦手な新米社員。光也の下宿先の女将(渡辺美佐子)の孫娘のかぐや(宮﨑あおい)が突然京都からやって来て、ひとつ屋根の下。ススキにお団子を供えた月夜の晩、飼い猫の寅さんが二階の狭いベランダで二人を引き合わせる。下宿は古い木造の建物で、立派な門柱がある家。とても風情があります。かぐやは湯島の料亭梅の実に勤めながら祖母をサポート。それは東京に出て来る口実だったのかもしれないんだけど・・・
パート編集者のおばさん(伊佐山ひろ子)はすぐに梅の実の予約を入れる。
下宿のおばあちゃんは合羽橋デートをお膳立て。
下宿がやがて自宅に
奥さんは和食の達人
羨ましい
宮﨑あおいはツレがウツになりましてでもかわいい奥さん役でした。どっちもいいけど、やっぱりこっちです。
配偶者に感謝して、これからもよろしくお願いいたしますと言いたくなる映画です。
【恋】の注釈に異論はございません。
【ダサい】の用例。
酔ってプロポーズなんてマジ ー よね。
言葉は生き物であり、用例採集の旅は終わらない。大渡海の発行までには10年以上の年月が流れた。
かぐや姫が月に帰りませんように。
大渡海の出版が中止になりませんように。
松本先生が発売日まで生きていますように。
祈るように観ました。
玉子豆腐や茶碗蒸し。白身のお刺身を断り、ゲル状のものを下さいとかぐやに言う加藤剛。食道癌だった。葬儀のあと自宅でかぐやの作ったそばを食べながら、間に合わなかったと絶句するみっちゃんの背中に黙って手を当てるかぐや。達成感の裏側には半身を失ったような哀しみがありました。
元大学教授で監修の松本先生役の加藤剛。品があってとても素敵です。マクドナルドで馬締と女子高生を観察する場面なんかもう国宝級のお宝です。チョベリグ。奥方は八千草薫! 海辺の立派なお屋敷住まい。
加藤剛みたいな役者は今や絶滅危惧種。
小林薫、オダギリジョー、池脇千鶴、黒木華、宇野祥平、伊佐山ひろ子と豪華な配役。
みんなご贔屓級。夢の共演作でした。
三浦しをんの2012年の本屋大賞受賞の同名作品の映画化。2013年公開。監督は石井裕也。
配給は松竹など。
緻密な作業の大変さ。
辞典の編集の業界を知れる作品。
そこにちょっと恋愛モードも入りつつ。
マジメくんの寡黙さと表に出ない情熱が出ないけど伝わってくる。そんな演技ができるってすごいなーと思いながら見ていた。
辞典編纂というマニアック感が小気味よい
本作を徹底したマニアック作と判断できるのは実際の編纂作業に携わった者のみだろうけれど、素人目線ではかなり本腰入れて辞典編纂の過程を見させてくれた作品と感じましたね。
キャストも外れていると感じた人はなく、主演:松田龍平ははまり役だったと思います。
そして大ベテラン加藤剛さんが映画内でも引き締め役の重鎮として見事な存在感を見せてくれました。
オダギリジョーもフニャフニャお調子者の先輩役としてはまってましたね。彼はシリアスすぎる演技は苦しく感じる場合が多いけれど、本作や時効警察のような不定形でつかみどころがないような役をあてがわれると生きてくる印象ありますね。
ただ、ヒロイン宮崎あおいが後半存在感が薄れてしまいましたが、そこはちょっと引っ掛かった点ではありますね。
しかし、まさか本当に辞典完成までの15年のスパンを描くとは思わなかったので、いきなり13年のタイムワープをした時はちょっと驚き。
松田と宮崎がその間夫婦になって子供がいないのは不自然というか淋しいと感じた部分はあるけれど、それだけ辞典編纂パートに重きを置いていたことの表れと取ることで自己納得。
原作では別の描かれ方をしているのかもしれないので、興味ある人は補足として読むといいかも。私は読まないけれど笑
総じてそこそこ楽しめました。総評3.5の三ツ星
大人のトラ猫が随分大人しくいいマスコット役になっていたが、やはりプロの猫なんだろうねと妙に感心。
2010--
物静かな、でも、ディフォルメ的ディテール性に…
もうかなり前になるが、
家族全員でTV鑑賞した時の
かなり面白かったとの印象がある中、
キネマ旬報第2位作品でもあるので、
NHKの放映を機に再鑑賞。
しかし、今回は、
前回ほどの良い鑑賞後感は得られなかった。
多分に世間一般の人からすると、
かなり異質な世界で、
前回はその異質さに心を奪われた結果、
そこに面白味を感じていたのでは
なかったろうか。
今回の鑑賞では、その異質さにも慣れ、
むしろ、物静かな展開ながらも、
よくよく考えると
ディフォルメ的ディテール性に
違和感を感じ、
少し醒めて観てしまったような気がする。
それにしても、この辞書編纂、
ある意味、世の中の全てを知らないと
成り立たない仕事のようにも思え、
私の狭い認識でも可能だった仕事人生が
果たして良かったのかどうか、
悩ましく振り返させられる作品だった。
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