PICNIC<日本バージョン>

劇場公開日:

解説

心の病を抱える3人の若者の、施設と外界の境界線である塀の上を渡って世界の終焉を見に行こうとする“探険”を描いたドラマ。監督・脚本は「Love Letter」の岩井俊二。撮影を「男たちのかいた絵」の篠田昇が担当している。主演はこれがスクリーンデビューとなったCharaと、「幻の光」の浅野忠信。ふたりはこの共演がきっかけとなって95年に結婚した。94年製作。今回は一部のシーンがカットされた“日本バージョン”で公開された。

1994年製作/68分/日本
配給:エース ピクチャーズ=日本ヘラルド映画
劇場公開日:1996年6月15日

ストーリー

双子の妹を殺してしまったココは、心の病を抱えた人たちが暮らす施設へ入れられた。そこは心の平穏を取り戻す場所には程遠く、彼女の心は益々閉ざされていく。ある日、ココはツムジとサトルというふたりの青年と知り合い、施設の塀の上を歩いて渡る“探険”に参加した。塀の向こうへ行こうとしないツムジとサトルを尻目に、ココは「塀の上なら、いいのよ」と、隣の塀へ飛び移る。ツムジがこれに続き、サトルを残してふたりの塀伝いの探険が始まった。たどりついた教会の塀の上で美しい賛美歌に耳を澄ませていると、牧師がふたりに声をかけてきた。地球滅亡を願うツムジと、自分が死んだら地球も滅びると信じているココに、牧師は一冊の聖書を渡す。ココとツムジは施設へ連れ戻されたが、聖書の黙示録を読んだツムジが地球滅亡を予言したことから、サトルも加わった三人は世界の最後を見るために、再び塀伝いの探検に出発する。途中、ドジな警察官からピストルを奪った三人は、ちょっとしたいき違いからバラバラになり、ひとりぼっちになったサトルは塀から落ちて死んでしまった。ツムジも教師殺しという忌まわしい過去の幻影に襲われ、降り出した激しい雨に自らの罪を洗い流そうとする。ようやく追いついたココと埠頭へたどりついたツムジは、太陽が爆発して世界が終われば自分も救われると考え、沈む夕陽にピストルの弾を撃ち込んだ。しかし、世界は何も変わらない。次の瞬間、ココは地球を滅ぼすために、自分の頭に向けて引き金を引いた。崩れ落ちるココの体を抱きとめるツムジ。黄金色に輝くふたりの影は、いつまでも重なり合っていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.0すごい良い。話はシンプルだけれど映画としての魅力がたくさん詰まって...

2018年8月15日
iPhoneアプリから投稿

すごい良い。話はシンプルだけれど映画としての魅力がたくさん詰まってる。

ココがツムジとサトルの二人を外の世界へと導く。

塀の上のココとツムジの間に牧師(鈴木慶一)が梯子をかけて間に入っていく場面があるのが後のことを考えるとなんかすごい。

神を信じてるか?祈ったことあるか。

どしゃ降りの雨の中、破れた傘の下で過去を打ち明けあうツムジとココ。

自分たちが行けるところの最後の場所が世界の果てであり、自分が死ぬ時が地球の最後だという。
自分が関わり知ることができるのは生きている間だけ。
外にある世界と、自分の内側にある世界。象徴的な作品。

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collectible

4.0Chara×岩井俊二

2014年10月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

幸せ

岩井俊二独特の撮り方で
岩井俊二が好きな人はたまりません笑
空がこんなに綺麗に映せる人はなかなかいないと思います。

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タテスジコ
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