劇場公開日 1959年8月12日

美貌に罪ありのレビュー・感想・評価

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4.0増村保造監督の上手さ

2024年5月25日
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鑑賞方法:DVD/BD

久しぶりに鑑賞、今回は購入DVD(特報、予告編、ギャラリー付き)
以前は若尾文子ばかりに眼が行ってしまったが、今回は杉村春子の凄さに感服。
3組のカップル、「家」の問題、金とプライドなど……いろんなエピソードを盛り込んでいる映画なので、楽しく観れる増村保造監督作🎥✨

女・菊江(山本富士子)と舞踏家の勘蔵(勝新太郎)が菊江の実家に戻ってくるところから始まる。
家の前にはオート三輪が止まっていて、忠夫(川口浩)と次女・敬子(若尾文子)が売り物の花を積んでいる。この二人、何度も共演していて大抵は恋人役なので本作も…?😍笑
更に、ランなどの栽培をしている周作(川崎敬三)、ろうあ者の三女・かおる(野添ひとみ)、そして一家の母親(杉村春子)などが繰り広げるドラマ。

かつては村の富豪だったこの「家」、現在は細々と生活している。そこに、公団が「土地を売ってくれ」と来るのだが、母親は先祖代々150年の歴史があるので断っている。

若尾文子はスチュワーデス試験に合格し、新たな生活を夢見て、川口浩には「新生活始まるんだから、あまり来ないで」と頼んでスチュワーデスとなる。ここで、若尾文子のスチュワーデス姿&洋服姿が美しい。和服姿が多い若尾文子だが、綺麗。更に、この後、水着姿までサービスサービス‼️😄笑

杉村春子が本領を発揮したのは、近所の人たちを集めた宴会の場で、「もう家や土地に執着する時代ではないんでしょうね」と挨拶した後、近所の人々にこれまでの厭味を言いながらお酌する。
このイヤミが痛烈で、ある男には「〇〇さん、長いことお花を安く買ってくれてありがとう。もう決して高く買ってくれなんて言わないからご安心を」とか、「△△さん、農地改革の時には1坪2円というタダみたいな値段で畑を買ってくれてありがとう」、更に「□□さん、高い利子でお金を貸してくれてありがとう」など……😂笑
この場面での杉村春子は、さすがである。「東京物語」での次女の役を思い出させる。

更に杉村春子が凄かったと思うのは「家の広間で踊る盆踊り」。
たかが盆踊りなのだが、ものすごく気合いが入っているように感じた。

たくさんのエピソードを盛り込んで、テンポ良く見せてくれた増村監督の手腕は見事。
増村監督はドロドロした人間関係を描くのが上手いと思っていたが、こうした物語を描くのも上手い🌟

<映倫No.11348>

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たいちぃ