新仁義なき戦い（1974）のレビュー・感想・評価

　一作目のリメイクで、菅原文太が広能ではなくて広能と呼びたくなるが三好。若山富三郎が若くて活きがいい。元々の1作目よりすっきりしていて分かりやすい。

　「新 仁義なき戦い」シリーズ第1作。

　Blu-rayで2回目の鑑賞。

　ストーリー的には正編シリーズ第1作と同内容。
　「第一次広島抗争」における山守組の内紛とその決着が描かれました。
　主人公や主だった登場人物、事件を描く視点など変化しているところが多々あり、全く別物のような感覚でした。しかし決着点は全く同じ…。でも単なる焼き直しで終わっていないところが脚本の創意工夫の賜物だなと思いました。

　菅原文太や松方弘樹、渡瀬恒彦、田中邦衛など、シリーズに欠かせないメンバーが大挙して出演しているのが嬉しい限りでした。
　若山富三郎が、かつて松方弘樹が演じていた坂井に相当する山守組若頭・青木役でシリーズ初参戦。しかし、その凶暴振りは坂井のそれを軽く凌駕していました…。山守組長に赤いちゃんちゃんこを着せて引退を迫ったり、三好(菅原文太)との一触即発のやり取りが堪りませんでした。
　権謀術数を張り巡らし全てを手に入れたかに見えたそのとき、“盛者必衰の理”の如くな逆転劇が待っていようとは…。ラストの死に様が壮絶極まり無く、止めを刺す人物が関勝役の松方弘樹…以前自分が演じた役を殺す役…。すごい、すご過ぎる！
　でも相変わらず山守組長を演じているのは我らが金子信雄！　えげつない人物がユーモラスに見えて来るんだから、名演技とはこういうことを言うんだなと改めて思いました。やっぱり山守組長はこうでなくちゃあいけませんねぇ…！(笑)