怒れ毒蛇 目撃者を消せ

劇場公開日:

解説

コブラの異名を持つ刑事が、殺人事件の捜査をしながら、恩人の復讐を果たすまでを描くアクション映画。脚本・監督は「男じゃないか 闘志満々」の井上梅次、撮影は「ひとつぶの涙」の小杉正雄がそれぞれ担当。

1974年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1974年2月16日

ストーリー

小村刑事は別名コブラと呼ばれ、執拗で冷酷な刑事として犯罪者たちに恐れられている。ある日、ファション・モデルが何者かに殺された。目撃者は、同僚のモデルのマリ子である。小村は嫌がるマリ子を強引に、彼女のマンションまで送った。二人の後を香港の女殺し屋李萍が尾けている。マリ子がマンションに入ろうとした瞬間、何者かがドラムかんを落した。マリ子は無事だったが、小村の睨んだ通り、生き証人である彼女は消されようとしているのだ。この事件の担当検事として赤木検事が任命されたが、彼はことごとく小村と対立した。というのも、捨て子だった小村は、今は亡き高島巡査部長に育てられ刑事となったのだが、小村のかつての恋人美代子は、今では赤木の妻となっており、赤木は二人の関係を知っているのである。そして、小村の今の生き甲斐は、高島を殺した香港の唐手の達人・北一平に復讐することだった。ある日、マリ子のマンションを張り込んでいた小村は李萍と会った。以前、小村はある麻薬組織の捜査の時に、李萍を利用し、彼女の愛を裏切ったことがある。以来、李萍は小村を狙っていたのだった。数日後、小村は事件の背後の黒幕である組織の主要人物と睨んだ中小企業連合会の会長・中条と松島財閥の松島広高の山荘へ潜入するが、数人のヤクザに捕えられてしまった。だが、何故か中条は小村を助けた。その帰途、天城山中を下る小村の車のブレーキがはずされており、必死のアクロバット運転で車から一瞬飛び降りたが、車は谷底へ転落していった。小村の怒りが爆発した。執念の捜査が型破りの行動で進められていく。マリ子が雪山でスキー競技の優勝者にトロフィーを渡す役に引き出されることになった。それを知った組織では、マリ子を殺すために北一平を加えた。一方、マリ子を殺そうとした李萍を小村は撃った。「私は、やっぱり小村を撃てない」李萍の悲しい最後だった。そして、遂に小村は北一平と相対した。唐手対唐手の死闘、秘術をつくして闘う二人。やがて、小村の空中飛び蹴りが北の咽喉に決まった。怒り狂った小村は、北の手と足を折った。やがて、中条と松島は自首した。小村は高島巡査部長の霊前に報告した。その帰途、小村の中古の車の横に派手な外車が並べられた。それはマリ子からの積極的なプロポーズだったが「縛られることが嫌いだ」と、マフラーの轟音をとどろかせて、小村は街の中へ消えた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0殺人事件と空手とカンフー娯楽作

2023年2月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

シネマヴェーラ渋谷(井上梅次監督特集)にて鑑賞。

コブラ刑事の異名を持つ男(田宮二郎)が、殺人事件の目撃者を殺そうとするワル達から目撃者の女性(奈良富士子)を守りながら、ワルの助っ人の香港カンフー女(!)や日本の空手男とバトルを繰り広げる娯楽作。
コブラ刑事が、やたらと空手が強くて、映画館は爆笑の渦…(笑)

しかし、このコブラ刑事(デカ)の本編での名前が[小村(コムラ)]……笑える(^^)

そして、刑事なのに車の運転が荒く、スピード違反や蛇行運転は、し放題。白バイに止められても、コブラ刑事はスッと[デカ証明書]を見せるとオッケー!

若い時に好きだった女性(山本陽子)にはキス止まり。…山本陽子、綺麗!
目撃者女性を守っている時には、目撃者をおとりにして自分の恩人(山本陽子の父親=警官)を殺した男を呼び寄せようとする。ただ、目撃者女性が(一見つっけんどんな)田宮二郎に惚れるので、二人はキスをする。すると田宮二郎はアッサリと目撃者の元を離れようとするので、女が「なぜ、貴方はキスしてすぐに行っちゃうの?」的な質問をすると、コブラ刑事は「男と女のなりゆき」との一言も笑っちゃう雰囲気だった。

この映画、やたらとカンフー映画っぽくて、台湾映画界の巨匠キン・フー監督の『侠女』などの作品群に観られるようなワイヤー・アクションも見られた。
キン・フー監督の映画から…と言うよりは、本作は1974年の松竹映画なので、1973年に公開されたブルース・リーの『燃えよドラゴン』などのヒットを受けて作られた映画なのかも知れない。

なかなか見られない快作であったが、カラー映画でフィルム状態も良く、とっても楽しい映画であった。

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たいちぃ

2.0わけのわからぬ刑事アクションを作ってしまった

2019年2月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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kossy
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