春(1930)

解説

有名なソビエト記録映画の総帥ジガ・ヴェルトフの実弟として、またその一団「キイキイ」の主任撮影者として知られていたミハエル・カウフマン氏が独立して製作せる第一回作品で、監督、撮影すべて氏自ら当った映画である。

1930年製作/ソ連
原題:Spring

ストーリー

その一、峠。峠は冬から春への自然の転換を意味し、雪と氷の世界よりそれが次第に融けて街が泥寧に苦しめられる状態を示めす。 その二、春来る。張りつめた川の氷が溶けて街が洪水にひたされる。洪水がひくと共に大陸の春が急速に夏に飛んで行く。アイスクリームが子供達の口をうるをし、街ゆく女の裳に風薫る。(無声) その三、春のいとなみに就いて。酷寒と雪融けに悩まされた道路の修理に始まり、ハンマーの一撃、ピストンの一衝から建設の響が上がる。工場はトラクターの建造にその能率を争い農園に運ばれたトラクターは春の土を耕す。 その四、春の生物学。暖風に息づく鳥は既にその卵を孵し、街上では人の子が遊び戯れる。犬の子、豚の子、昆虫類の長閑な生活が示され次で動物園に春の日永を呼吸する獣達が現される。爽やかな風の過ぎゆく所、野に麦の穂波が波うっている。 その五、二つの人生。春の行事の最大なるもの、即ち復活祭が来、五月一日祭が来る。古い人生は復活祭と共にゆき、新らしい人生は五月一日祭と共に踊る。この二つの祭事を対比して新旧の二つの人生を物語る。 その六、再び春のいとなみに就いて。若者達はオリンピアードに於てスポーツ競技に溌刺の春を謳歌し春に避れた人々は飲酒に耽って醜く街上に横たわる。打つ太鼓、吹くラッパの響きに歩調を合わせた青年男女の行進を以て終る。

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