春の悶え

劇場公開日:

解説

ペロロフ・エクストラームの小説「彼女は一夏しか踊らなかった」からW・セミチョウヴが脚色、新進アルネ・マットソンが監督したスウェデン映画一九五二年作品。撮影は「令嬢ジュリー」のイエラン・ストリンドベルイ、音楽はスヴェン・シエルドで五二年度カンヌ映画祭において音楽賞を獲得した。主演はフォルケ・サンドクィスト、ウラ・ヤコブソンで、以下「愛欲の港」のベルタ・ハルとエリック・ヘル、エドウィン・アドルフソン、イルマ・クリステンソンらが助演する。

1952年製作/110分/スウェーデン
原題:Hon Dansade en Sommar
配給:東宝
劇場公開日:1954年3月6日

ストーリー

中学を終えたイエーラン(フォルケ・サンドクィスト)は夏休みに田舎の伯父の農園に行き、隣家の娘シエルスティン(ウラ・ヤコブソン)と遊び友達になった。処が頑迷な村の老人達はこの健康な若者達の行動に眉をひそめ就中牧師はことごとに彼らを攻撃した。シエルスティンの父母も娘の教育に関しては厳格をきわめ、若い二人はやっと伯父の理解で農園の納屋を解放して貰っていたが、ここで若者達の芝居をやろうという計画も、事故による伯父の重傷や二人のデイトが娘の義母に発見されたことなどからオジャンになった。娘は遠くの農家へ送られ、恋の想いに堪えられなくなったイエーランは彼女を追って森の中で再会、二人はすべてを忘れて恋に酔った。イエーランは町の両親の許に連戻されたものの再び学校を脱出して村へ戻り、納屋が牧師の指金で焼かれたので、他場所で芝居を敢行した。しかし幸福も束の間、その帰途二人をのせたオートバイが転覆して、重傷を負ったシエルスティンの若い命はうばわれた。葬儀の日、参列したイエーランが受けたのは牧師の嘲笑であった。堪えかねた彼はひそかに墓地を脱け、悄然と思い出の森の湖畔に立って、二度と帰らぬ恋に泣いた。

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