アシュラ(2012)のレビュー・感想・評価
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仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実...
仏教に於ける六道の阿修羅道の阿修羅様がモデルだろうが、もう少し現実的なストーリー展開であってもらいたかった。差別や貧困や飢餓などが、社会とどう関わっていたかを説明していない。これでは、大和民族の創世記の頃のGODZILLA退治になってしまっている。それでいて、最後は火の鳥の『鳳凰編』をリスペクトしている。
僕は小学生の時にこの作品に出会って、トラウマになり読まずに目を背けた。しかし、その後『カムイ伝』『火の鳥 鳳凰編』と出会い。我が人生は健やかに育む事ができた。(と思う。)
人間だけが心を持つ。だから、罪が理解出来ると言うが、それでは『罰』がまるまる抜け落ちている。心があっても罪を重ねる事が出来る存在こそが、寧ろ人間だと思う。動物はどんなに美味そうな獲物が目の前を横切っても、腹が満たされていれば、殺すことはしない。しかし、人間は何一つ理由が無くとも罪を重ねる。と思うが。
そうでなければ、ラスコーリニコフの行動をどう解釈するのだろうか?
この作品の女性の取った行動だけを評価する。そこに留めて置くべきだった。阿修羅様はアシュラであってもらいたくない。そもそも、仏僧が『自分の身を食べさす』と言う思想は仏教にあっただろうか?人肉を食べるのは鬼であり、仏教に於ける悪魔だったと解釈する。いくら、地獄の阿修羅様であっても、それは畜生以下だとおっしゃるはずだ。
このストーリー展開で僕は泣けない。勿論、この程度で50年間もトラウマにしてきた自分を恥じる。
でも、阿修羅さまと出会えてから良いでしょう♥
今ひとつ…
原作を知らないし、何の予備知識もないまま、どんな内容なのかな?と思って観始めて、最後まで一気に観られた作品でしたが、『入れたい事がいろいろあって収まりきってない』感があるように思えました。『彼は、成長してお坊さんになりました』っていう結末なのに、仏門に入る決心をするまでの話が抜けてしまっている点が今ひとつスッキリしないなぁ。と思いました。
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