コクリコ坂からのレビュー・感想・評価
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アリエッティと共にジブリの今後の分岐点となるだろう作品
宮崎吾朗監督の前作「ゲド戦記」は、ジブリ作品としては今一つ面白味に欠けたので、同監督の新作となる本作も、果たして…?という期待半分、不安半分だったが、今回はなかなか良かったのでは?
ジブリ作品としても、ここ数年(アリエッティ、ポニョ、ゲド)で一番素直に見れた。
主人公二人の純愛ストーリーをメインに、学生運動、出生の秘密…内容的には盛り沢山。
正直、90分くらいでは物足りず、展開が早かった気もする。
しかし、温かな昭和の雰囲気(ジブリならではの美しい背景)と、汚れなき青春物語(少女漫画が原作ながら安易なメロドラマになっていなかった)が見事にマッチしていて、爽やかな作品に仕上がっていた。
長澤まさみの声優も悪くなかった。
声だけだが、ここ数年では一番魅力的だと思った。
ジブリも非ファンタジーでなくともイケるし、ジブリ=宮崎駿という考え方もそろそろ崩れてきてもイイ。
勿論、宮崎駿の作品は圧倒的だが、宮崎駿だっていつまでも映画を作れる訳じゃない。
ジブリの今後の為にも、非宮崎駿作品を、もっと温かな目で応援すべきだと思う。
大人にこそ観てほしいアニメ
前作ゲド戦記が散々だったので、期待せずに行ってきました。
一言でいうと…いい意味で裏切られました。
声優の長澤まさみにも全く期待してなかったのですが、
意外に透き通った声がまっすぐなメルの雰囲気に違和感なくハマっていました。
キャラクターのCGが惜しい感は否めませんが、背景の作画なんかは凄くいい感じでカルチェラタンの雰囲気なんかは最高でした。
それに何より嬉しかったのが、近年のジブリ作品の中では人物描写がダントツで良いと感じれた事。
水沼、哲学部の部長、そら、広小路さんなど、表情豊かなキャラクターが物語を一層盛り上げてくれていたような気がします。
作中のセリフでもあった「まるで安っぽいメロドラマ」で終わらせないのは、いまのところ監督の腕では無く、やはり長年ジブリを支えてきたスタッフがいるからこそできるのだろうと思いました。
好きな人だけ好きなら良い
18歳の男です。同い年の男友達と二人で行きました。こんなことを紹介したのはコクリコ坂は一緒に観る相手が重要だなって思うような映画だったからです。
ゲド戦記は苦手だったので、あまり期待していませんでした(笑)
簡単に書くと
音楽がとても多くて、
主人公・海は前半は堅苦しい印象なのに後半にどんどんかわいくなります。
何より改装前カルチェラタンが最高に魅力的でした。
後半になると少し失速しますが最後の巻き返しはちゃんとあります。
(まあ緩急と思えば)
ただ、登場人物を覚えるのが苦手な自分にとっては若干説明不足に思えます。
メルって誰?水沼?ヒロコオジサン?男なの?(笑)
結局一回目では整理しきれなかったので二回観に行きました。二回目にもなると細かい描写にも気付ける部分が増えて、余裕を持って鑑賞出来ました。
何か魅力を感じたのなら二回観るのもアリかもしれません。
以下ネタバレ
脚本から調べました
観た人は「あ〜」って納得していただければ。
主人公のあだ名「メル」は
フランス語のラ・メール(海の意)から来ています。
ヒロさんは広小路と言います。ヒロコオジサンと呼ばれていたのは自分の聞き間違えでした(笑)
信号機はU・W
「航海の無事と健康を祈る」という意味です。
俊の船からは
返答機とU・Wで
「ありがとう」
舞台は1963年なので
東京オリンピックや
それに伴う首都高拡張など
時事ネタも若干・・
個人的にはとても気に入った作品でした
あの頃の青年や大人は、今どこに
高1の娘と観ました。大人の映画でした。でもあらゆる層の人にもお薦めです。登場人物も素敵ですが、トトロの草壁家や千と千尋の油屋のように建物がとても素敵でした。上を向いて歩いていたあの頃の青年や大人たちは、今どこに行ったのでしょうか。娘にここにいるよといえる大人でいたい、そう思いました。また一つ好きなジブリの映画が増えました。
なぜ、今、ジブリからこの作品なんだろう・・・?
う~ん。良いか悪いかで言ったら良かったんだけどね。
「なぜ、今、ジブリからこの作品なんだろう」って思ってしまったのが正直なところでした。
1960年代の横浜を舞台に、高校生男女の交流を描く。
戦争で船乗りの父を亡くした海は、父が亡くなった後も毎朝信号機を上げるのが日課。
そんな中、海が通う高校の文化部室棟(通称カルチェラタン)の取り壊しをめぐって学生運動を繰り広げられる。
取り壊し反対の風間俊と出会い、心惹かれていく。
~~以下、ネタばれ~~
1980年代生まれとしては、世界観に入れなくて置いてきぼり感が…
そもそも主人公、海(うみ)が「メル」って呼ばれているのも謎だし、(フランス語のラ・メールからきてるそう)、
学生新聞を作ってる俊から「ガリ切って」って言われても謎だし、(昔の印刷技術で、トレース紙のような紙に彫刻等のような鉄筆で文字を書き込み、それを謄写版に貼り付けてインクをつけ、ローラーでゴロゴロやって印刷する)、
激しい討論会があるような、学生運動も全く体験がないんだよな、残念なことに。
ブラウン管のTVみながら「もうすぐ舟木一夫がでるのに~」って言われて、出てくる舟木一夫がおじさん(おじいさん)なのは私だけじゃないはず!冷めた瞬間。
戦争でお父さんを亡くしたのに前向いて生きてるっていうのも古いし、
親友の赤ん坊を自分の子として戸籍謄本出すって…(よくあったことって・・・)
しかも、だから兄弟かも?!って韓流もびっくりですよ。
見終わったとき、宮崎駿はやおはもはや老害でしかないと思えました。
見終わったとき、宮崎駿はやおはもはや老害でしかないと思えました。シブリとしては、何ら新機軸を打ち出していなく、そこに描かれているのは、東京オリンピックが開催される直前、昭和38年(1963年)という時代へのノスタルジーでしかありません。
その年、宮崎青年は大学を卒業し、東映動画に就職し、労組の書記となるまさに青春ど真ん中にありました。おそらくは、当時経験した淡い恋心や学生運動の記憶は、団塊の世代の人たちにとって、忘れがたき思い出なのでしょう。
小地蔵も、学生自治会の役員を経験して、過激派学生に対して、学園暴力反対活動に取り組んだ経験があります。小地蔵の時は、既に学生運動は廃れて、残党みたいなのが残っているだけでした。それでも、作品に登場する小汚いサークルボックスやガリ版印刷の新聞発行などは、小地蔵の学生時代にも残っていて、堪らなく懐かしさがこみ上げてきました。だから原作を書いた宮崎駿の気持ちは、よく分かるのです。
しかしクリエターがノルタルジー浸ってしまうというのは、お迎えが近い(^^ゞということで、本来なら気鋭の新進に道を譲らなくてはいけないのです。
そんなおやじ殿の企画を押しつけられるような格好になった、息子の吾郎監督は、「あの頃は良かった」みたいなことをやるのは下の世代として承服できないと抵抗はしたものの、どうあがいてもおやじ殿の懐古趣味に浸っているモチーフを抜け切れません。
それでも、いろいろと工夫して、自分らしさを出そうとしている吾郎監督の努力は感じられます。
水彩画のごとく柔らかな空気と光と色どりが導入されて、昭和の雰囲気や作品のテーマである「人を恋うる心」を良く表現していると思います。台詞使いも、吾郎監督ならではのピァアな純情が、衒いもなくストレートに表現されていました。惜しむらくは、自分のモチベーションで描いていないということです。だから、何とか作品背景に太平洋戦争とか朝鮮戦争に目を向けさせようとした結果、戦争でお父さんを失ったことを引きずっている暗い女の子の話になってしまったのです。
それを挽回すべく、話の軸は、主人公の海が自分以外の誰かを思うことを描いていきます。安易に恋愛ものにしたくなかったので、海にとって、思いを寄せる俊だけでなく、戦争で亡くなったお父さんへの思い、そして自分を大きく包んでくれるお母さんへの思いを感動的に描いていきます。あることで海が母親の胸に飛び込んで、涙を流すシーンは、吾郎監督らしさが良く出たエモーショナルなシーンだと思います。
但し、恋愛ドラマを回避した結果、俊との関係が薄くなってしまったことが否めません。もしかしたら実の兄妹かもしれないという可能性が高くなって、その証拠の写真が、海の恋心を苦しめます。悲恋がメインのストーリーなら、もっと濃厚に兄妹かも知れないという禁断の恋に葛藤する姿が描かれたでしょう。またこれまでの宮崎監督作品なら、ここで必ず時空を超えた異次元的な展開となったはずです。ところが本作では、兄妹疑惑をあっさり描いているので、なんで今さらこんな因果な話を持ち出すのかと疑問に感じてしまいました。その中途半端さは、まるで「安っぽいメロドラマ」(劇中に出てくる俊の台詞より引用)を見せられているかのようなのです。
一方、学校の古い建物を改築から守る学生運動も、当時としては考えられないくらい穏やかな団交で一見落着してしまいます。これまでのシブリ作品では、対立のなかにもののけも絡んで、派手なバトルを見せるものでした。また当時の団交を知るものとしても、あまりに簡単に決着がついてしまいう過程は出来すぎです。結局は、学生運動も伏線にもならない飾りでした。
さて、本作は製作が遅れに遅れて、東日本震災を跨いでしまいました。「上を向いて歩こう」というコピーは、何やら被災者を励ますメッセージともとれなくはありません。吾郎監督は、意識はしているものの、特に被災者に対する直接的なメッセージは描かれませんでした。
但し、劇中に何度も上を見上げる人々の顔が印象深く描かれます。海は毎日、亡き父手向ける旗を高く掲げ、カルチェラタンの建物は高く仰ぎ、遙か高台にあるコクリコ荘への道中は、いつも見上げて登ることになります。当然人々は自然と顔をあげます。坂本九の音楽と映像だけで、「上を向いて歩こう」というメッセージは、描かれていたのでした。震災後の困難な状況に置かれ、足元ばかりを見がちな昨今。その表情の一コマに、国民のひとりひとりが、失ってはいけないものを、思い出させた人ならば、忘れられえぬ作品となることでしょう。
とはいえ、これまでのジブリファンからの、かなり手厳しい批評を受けてしまうのは、必至だろうと思います。
えっ?
正直、うーん…って感じです。
海がなぜメルと呼ばれてるのか等、??となる点がいくつかありました。
しかし説明は一切なく、さらに話の展開も早くて、なんだか無理矢理90分にまとめた感が否めませんでした。
前作アリエッティーよりはマシですが、最近のジブリはハウル以降がっかり続きで残念です。
ココリコ坂でも
海がきこえる 耳をすませばを 好きな方は
是非行ってください 平日行きましたが老夫婦が意外と多くて
はぁなるほど 年いってもこういうの好きなのねwと思いながら鑑賞
感想ですが これコクリコ坂って題名の意味がわかんなかった
メルもわかんねぇなw
そんな名前の坂でてきたっけ?と最後まで気になって観てたけど結局わからずじまい
坂道はあったけど そんなに題名にするほどの坂でもなさそうだしなぁ
わかりにくい題名は煩わしいだけなので そんな題名ならココリコでも何でも
いいんじゃね?と思った お笑いのココリコ有名だもんねw
んでこれ 分かりにくいとこカットして
1時間弱の映画にするほうが より密度濃くなって
よかったと思います 脚本は良いと思うけど長編(91分)にするほどでもないっしょ
宮崎駿が監督で短編映画にしてたらかなりの良質映画になってたであろうと思います
そんな感じでした まぁよかったです
120分で詳しく作れなかったのか?
まず、ジブリの映画はすべておもしろいと感じる人にはおもしろいと感じる人が多いのではないでしょうか?
セリフの一つ一つを考えて映画を見る人にはあれ?なんで?って思うところが多い映画だと思います
小さい子供には理解できないところが多々あると思うので、子供連れで行くのはやめたほうがいいと思いました
個人的に疑問に思ったのが主人公の海がメルと呼ばれてたり海と呼ばれていたりの説明がない、メルってなんやねんって感じです、説明もなしに登場人物によって呼び方がかわるのはいかがなものか?
話の展開が早過ぎてマンガをパラパラ読んでいる感覚です
アクション的な話ならまだしもじっくり系の話でこれはないのでは?
映画館で観る話で何回も観ないとわからないというのは老若男女をターゲットにした映画ではあり得ないと思います
ジブリ映画というブランドだけで年間ランキング上位まで持っていけるブランド力があるからこそ、しっかりしたものを作ってほしいと思いました
120分の映画なら詳しく作れたのに90分で作ったから仕方ないという理由しか思い浮かびませんけどね
声優OK
最近のジブリ作品は、とりあえずキャラクター以上に俳優の顔が見えてくる&下手すぎて萎えてましたが、今回は◎です。
長澤まさみも岡田准一も言われないと気づかないかも。
鑑賞前はゲド戦記で最悪だった、風吹ジュンにかなり不安を感じていましたが、今回はバッチリはまってます。
声優って難しいと思うが基本的にジブリはプロを使うつもりは無いようなので、それなら今回みたいな感じでキャスティングして欲しい。
ストーリーはありきたりではあるが、世界観がいい感じ。
宮崎駿が監督なら、物足りないが、他の監督ならオッケーという感じです。
もだえる。
カルチェラタンが素晴らしい。
自分の学生時代とは違ったものの、懐かしさを感じました。
楽しそすぎる。自分が過ごした学校にもあんな建物や活動があったら…!
原作は少女漫画なんですね。だからと言うか、
主人公がなぜこんなにヨイショされてるんだ!
美味しい立場すぎる!ずるい!なんて事も思いましたが、
嫌味のない主人公だったのでそこまで気になりませんでした。
甘酸っぱさは非常に伝わってきます。
途中いろいろありますがその辺は正直あらすじの一部に過ぎないかな。
起承転結の転の部分が仮にほかの内容でも充分楽しめた気がします。
長澤まさみさんの声は主人公の役柄にぴったりでした。
芸能人の声優には反対派でしたが、彼女はすごく上手ですね~。
観終わったあとは悶えたくなる。
ジブリはなつかしさのツボを抑えているとおもいます。
ジブリスタッフはすごい。宮崎吾朗はアニメーション向いてない。
映画評論より抜粋↓
『宮崎吾朗監督は坂のある街の高低差を生かし、テンポで見せる。恋の駆け引きからは機微を一切捨象し、時代感覚を際立たせるが、アニメーションならではの快楽への昇華には到らない。』
正にこの通りだと思いました。
テンポの速いカッティングは、60〜70年代の映画やドラマ等で見られたやたらテンポの速い会話劇をそのまま再現したかったのではないかと、自分は解釈しました。
それならそれで貫いて欲しかったです。そのテンポは最後までは続きませんでした。
ただ、セリフ回しはかなりまっすぐで、逆に新鮮な感じがしました。これは成功だと思います。きっと賛否が割れるとは思いますが、自分は良い方で捉えてます。
これらのどれをだれがディレクションしたのかわかりませんが、率直に芝居、演技はうまいのに、演出はへたくそで安っぽいと思いました。要所要所で切り取ってみるとめっちゃウマいです。声も作画も。さすがジブリです。
「電話をかける」「キャベツを切る」「壁に漆喰を塗る」全部ウマいです。
長澤まさみさんもすごい良かったです。声ぴったりですね。
でも演出が。。うーん。。っていうシーンがいくつもありました。言葉にするのは難しいのですが、このタイミングでこれがくる。みたいなのが、もっと良くできるんじゃないのかって何度も思えました。
また、主人公『海』のあだ名『メル』について、作中では何も言及されませんが、ドイツ語だかイタリア語だかで海(英語でマリン)をメルって発音するんですよね。海軍でしたっけ?だから自分は海=メルって呼ばれていることにすぐ気づいたのですが、説明ないのでわからない人にはわからないようになってます。不親切ですね。
他に特筆して良かったと思えた部分は、カルチェラタンのデザインでした。
内装というか、構造(総じてデザイン)が素晴らしいです。あれをデザインしたのは誰でしょうね。あの読みにくいエンドロールからは全くわかりませんでしたが。
カメラワークもあの建物を活かす見せ方をしていて、カルチェラタンはジブリの『湯屋』『ハウルの城』に次ぐ素敵建築物でした。
ただ、結局壊すのかよ。。それでいいのかよ。。
なんか懐かしい感じが…
一言で言うと宮崎アニメ的な感じです。
ストーリーはごくありふれたどこにでもあるんですが、昭和の懐かしさを感じさせるシーンがちりばめられています。昔の横浜の風景や町並みなどは、当時の人々の生活を映し出し、哀愁漂う映像に観客は見入っていました。
一部シーンに「耳を澄ませば」を連想させえる場面があり、ここは例のような展開に?
と思いきや。いろいろあるんですなと感心させられました。(←こうなるとは思いませんでした。)
思っていたより良かったかな
予告編をチラ見した限りでは、あんまり盛り上がらなさそう・・なんて思いつつ見ましたが、
懐かしい感じ映像も手伝って楽しめました。
まぁ、お父さんお母さん世代がターゲットなのかな・・
しかし、見ていて俳優・女優さんの顔が不意に浮かんでくるので、声優さんの配役はエンドロールで判る方が良いなー。
集結せよ、長澤まさみが喋っているぞ
「ゲド戦記」の監督として知られる宮崎吾郎監督が、長澤まさみ、岡田准一を声の主演に迎えて描く、群像劇。
本作の作り手、宮崎吾郎は当初、本作の主人公である海の原画を企画・脚本の宮崎駿に持ち込んだところ、「こんなの駄目に決まっているだろう」と一蹴されたという。顔の輪郭も体のつくりもがっちりした女の子・・宮崎駿でなくとも一蹴するだろうが、それだけ本作の成功のキーポイントに、主人公をきちんと描けるかにあると、作り手の意識は働いていたのだろう。
その重要な役柄を演じることになったのが、東宝の秘密兵器、長澤まさみである。「岳」で見せた柔らかい中にも、凛とした強さと温かさを内包した女性像に、久し振りにスクリーンで輝く長澤の魅力を再確認した。学生運動の波が吹き荒れる熱き時代、その中で友情と恋愛に心揺れる一人の美しい女性・・・長澤はどんな形で演じきるか。期待をもって観せていただいた。
本作は2時間足らず、昨今のジブリ作品にしては短くまとめられた作品である。観客はその濃縮された時間に、壮大なドラマや葛藤、疾走を期待してしまうが、その予測は大いに裏切られる。詳しい事はここでは書けないが、小さな短編ドラマを繋ぎ合わせて作られた印象が強い。
「あの頃は、良かった・・」と当時の時代を生き抜いた方々が胸を暖める記憶を、こっそりと耳打ちしたような秘密の共有が嬉しい、極めてセンチメンタルな魅力が発散する佳作である。大作として観客の度肝を抜こうとしない作り手の身の丈を考えた作品といえるだろう。
その中で、長澤は特異な存在感を打ち出している。小さな記憶に心が躍る柔らかい世界にあって、常に感情を押さえ込み、物語全体の空気とは一線を画している。まるで、感傷に浸る劇場を冷静に引っ張っていく指揮者の如し。その強さと迫力にこそ、作り手は期待して主人公の心を預けたのだろう。
単純に、回顧物語として観客の記憶に刻まれることを拒絶し、未来へと前進する力強さと希望を主人公に、そして彼女を演じた長澤に委ねた意欲が満ちている一本ともいえる物語。声もきちんと味わい、主人公の魅力をしっかり感じて欲しい。
集結せよ、耳を澄ませ、長澤まさみが喋っているぞ!!
全体的に吉永小百合さんの日本青春映画の趣。
「ゲド戦記」で酷評された宮崎吾朗監督の二作目。前作は初めてのアニメ監督だったし、そもそもファンタジーものは宮崎駿監督以外誰がやっても難しかった。今作では宮崎駿監督が企画と脚本にも協力してる。
結論からいうとアニメ映画としてゲドよりもはるかによく仕上がってた。
古き昭和を描いた映画やアニメは最近多いが昔の写真を模しただけで、その時代の空気まで再現できてるものはあまりない。舗装されてない道や小汚くゴチャゴチャした街並み、騒然としてるが生命力ある当時の人々の生活感などは、若いスタッフのアニメスタジオでは描くことはできない。宮崎駿監督の監修の下、当時を知るベテランスタッフが揃うジブリならではの作品だ。
今では考えられないような純愛物語、全体的に吉永小百合さんの日本青春映画の趣。宮崎駿監督は若き日の自分や薄れていく懐かしき時代を描き残したかったのではないか。父親の脚本を吾朗監督が叙情的に映像化した。アニメに関心のない50、60代のおじさんおばさんにお勧めしたい映画。
じわりと効能を発揮する良作。
懐古主義か!
韓国ドラマか!
のツッコミと,
弱いドラマが影響して前半は退屈。
しかし,
主人公の松崎海と風間俊の繊細な感情表現と,
ひたむきな生き方は好印象そのもので共感した。
二人の恋路をメインにしたラストが好き。
今作のメッセージが集約された,おじさんの言葉に泣いた。
まるで,
戦争を見せずに反戦を伝える名作映画「二十四の瞳」のよう。
人間のチカラと,
希望の命の輝きに感動した。
大人向けジブリ
試写会にて・・
時代設定や、ちょっとした血縁問題だけを言えば、
子供向けではないと思います。
小学高学年以降~って感じです。
なんとなくジブリ作品ってイメージもないです(個人的に)
主人公は「海」という名前ですが、「メル」というあだ名で呼ばれてます。
どういうイメージで「メル」なのか、サッパリ・・・。
でも、特に問題はありません(笑)
海は、俊という新聞部の部長と「恋」をしていますが、
海の父親を俊が知った後、問題が起きます。
ですが、主人公たちは、前を明るく向いて歩もうとします。
この時代で、周りには恋愛関係が知れ渡っているように思ったのですが、
誰一人冷やかしたりする者はいません。
どうだろ?たぶん、この時代だと、隠したり、冷やかされたりする方が、
多いのでは?と思うのですが。
ま、これもどうでもいい事。
正直、何を訴えたい作品かは、自分には伝わっていません。
「上を向いて歩こう」という、キャッチコピーを伝えたかったのかな?
かといって、つまらないわけでなく、単純に楽しめました。
グループとしては、「海がきこえる」とか「猫の恩返し」みたいな感じです。
また、豪華声優人たちが出てますが、
主人公の長澤さん、岡田くんほか、風吹さん、内藤さん、
かろうじて竹下さんの声しか、わかりませんでした。
岡田君なんか二役やってるのか?と思ったくらい。(やってたのかな?)
正直、大作・映像美が凄いという作品ではないので、
劇場で是非!という感じではありません。
ですが、劇場で観ても損はない、という印象でしょうか。
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