プリンセス トヨトミのレビュー・感想・評価
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万城目学の思いつく設定は、いつだって怪異
万城目学の直木賞候補になった小説を映画化したもの。この作家が思いつく設定はいつだって怪異なものだが、個人的に好感を抱いている。
大坂夏の陣で滅びたはずの豊臣家の末裔が今も生き続けており、大阪の男たちは400年も秘密として守り続けてきたのだが、調査で大阪入りした会計検査院の精鋭3人が、ふとしたことから事実を知ってしまい、府内の公共機関を含むあらゆる機能が停止する一大事件に巻き込まれていく姿を描いている。
堤真一、綾瀬はるか、岡田将生が大阪に乗り込むわけだが、お好み焼き屋の大将に扮した中井貴一の芝居が実に味わい深く、作品に彩を添えている。
「太閤はん」の大阪ならではの一本?
「太閤はん」と呼んで、何かにつけて豊臣秀吉を敬うことの多い大阪では、密かに豊臣家の末裔を守り続けて来たと言う設定なのでしょうか。本作は。
業務の割りには大勢の職員を抱えている怪しげな法人を、いわば隠れ蓑として国家予算から多額の資金を引き出しながらー。
そして、国庫補助にかかわる会計検査を通して「大阪国」のカラクリに気づいてしまった会計検査院の鬼の平松調査官。
大阪国にしてみれば、平松調査官は、そうとは知らずに大阪国と日本政府(明治政府)との密約を暴いてしまい、その結果、その存在を会計検査報告として国会に報告(最終的には国民に公表)され、自らの秘密を暴露されそうになった大阪国は、その対抗手段として、太閤はんの象徴でもある「千成瓢箪」を合図に、一斉に立ち上がるー。
大阪は「大阪都」として、歴史的にも、担っている経済的な役割の重要性からも、東京都中心の今の日本から独立的な存在を主張すべきだとも言わんげな本作の発想は、評論子は、面白いと思いました。
いわゆる「秀吉レガシー」というもは、今も脈々と大阪の地に根づいているということでしょうか。
そういうファンタジー要素たっぷりのSF作品としては、上質に仕上がっているというべきでしょう。
佳作であったと思います。その意味で。本作は。評論子は。
(追記)
父と息子との間では、相伝すべきこと、相伝しなければならないことがあるのでしょうか。それは、父と娘との間にはない関係なのかも知れません。
息子(会計検査院の院内では「鬼の松平」と言われた調査官)に、当時はすでに病床にあった父親が彼に伝えたかったのは、秘密裏の大阪国の存在ではなく、本当は、大阪人のその「秀吉レガシー」だったのかも知れないと思ったのは、評論子だけではなかったことと思います。
(追々記)
世評では、女性は食が細いとか。
(お子さまランチを注文する女性も少なくなくないと聞きますが、その一方で、子供がレストランに来るということは、その子を連れてくる大人も来るということで、お子さまランチを子ども向けのサービスメニューと位置づけて、採算を度外視して手間暇をかけているケースもあるとかで、大人がお子さまランチを注文することは、お断りするレストランもあるやに聞きます。)
それにしても、鳥居調査官は、食べる、食べる、また食べる。
「京(京都)の着倒れ」に対して大阪は「食い倒れ」の街なんだそうですけれども。
物語の中心が空堀商店街の、しかも大阪の食文化の「代表選手」とも言うべきお好み焼き屋の店頭で、「いかたま」「ぶたたま」の単語を、あえてセリフに盛り込んでいるのは、そしてラストシーンでは(大阪ではご飯のおかずにもなると聞き及ぶ)「たこやき」のセリフが登場するのは、食文化のマチ・大阪のさりげないオマージュだったのでしょうか。
(追々々記)
架空の組織「財団法人OJO」(osaka jou organization)にひっかけて、大阪国の「王女」というのは、些(いささ)か「やりすぎ」?
しかし、「天下の台所」として、江戸の昔から日本の経済を支えてきた商都・大阪。
「大阪商人は、腹を切る」とも言われたそうです。
その大阪に生きる「大阪人の気概」は、充分に感じられそうです。
(追々々々記)
おそらくは、会検(会計検査院)の調査官を主役に設定した作品は、これが初めてではないでしょうか。
実際に、会検の実地検査を受けた経験のある評論子としては…。
「こんな副長って、いるよなぁ。」というのが、偽らざる感想。
能面のような無表情で、淡々と実地検査を進めてゆく会検調査官のイメージに、堤真一のキャラクターがぴったりでしたから。
国費補助事業の全般にわたり、調査官の指摘は、微に入り細を穿ちます。
実際、ほんの手続き上のミスに関し、数億円の規模の事業について、数万円の不適切な支出を指摘されることも、珍しいことではありません。
それに引き換え…。
一片の情にほだされて、年間5億の国庫補助金の不正流用を不問に付するとは!
甘いぞ、鬼の松平調査官。
シュールな作品
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堤・綾瀬・岡田は会計検査員として大阪へ出向く。
そんな中何か怪しいなと思ったら、実は大阪国という国が存在した。
豊臣家は徳川に滅ぼされたとされるが、実は末裔が代々生き残っており、
明治政府から承認を受けて密かに国家として継続していた。
その国の男達は末裔の王女を守って生きる事になっていた。
父親は死を目前にすると息子に全てを明かすルールであった。
堤は国民の知らない国家のために税金が使われるのを看過できず、
国家の存在の公表と税金の会計差し止めをすると宣言する。
そこで怒った大阪国民により銃で撃たれて倒れてしまう。
堤の父親は大阪人で、ある時父に呼び出されたが、忙しくて無視した。
まもなく父は死んだが、その時に行けなかった事を後悔した。
父は大阪国の人間で、自分もその子孫だったのであった。
普通の社会では父親とそうした会話もろくにせずに別れる事が多いが、
この国ではそうした文化が守られているということに感銘を受けた。
こうして堤は何も見なかった事にしてハッピーエンド。
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全体に評価の悪いこの映画やけど、そんなにおもんない事もなかった。
まあシュールな世界であるのは間違いないけど、
そんなものと思って見たら楽しめるんじゃないだろうか。
あと税金で飯を食ってる会計検査員が、
個人的に感動したとか、自分が実はその国の人間だったとかの理由で、
簡単に見逃したらアカンやろってのも正直な感想。
他の人のレビューを見たら、綾瀬はるかの乳が見所ってよく書かれてる。
でも残念ながら、あんまり画面を見てなかったから気付かんかった。
綾瀬はるか
さんが観たいので、何年かぶりに観ました。
以前も今日もわかりませんでした。
何故撃たれたのに何も無いのか不思議でした。松平は敵と見なされていたのがこっそり助けてくれた隠れ味方だった、と、いうことですか?
森永悠希君だったのですね。セーラー服の男の子。今よく見かけます。沢木ルカさんはどうしているのでしょう。フグのづぼらやの提灯が懐かしいです。
【「瓢箪」”全大阪府民の400年に亘る、密やかな企み。”歴史改編モノに一石を投じた、画期的作品”の映像化作品。映画とは”虚構”であり、重箱の隅を突くことなく、寛容な心で楽しみたいモノである。】
■大阪に出張した会計検査院の調査官、松平元(堤真一)、鳥居忠子(綾瀬はるか)、旭ゲーンズブール(岡田将生)の3人は、財団法人OJOを訪問。
検査は一見無事に終了するが、松平が忘れ物を取りに戻ると、建物はもぬけの殻と化していた。
やがて3人は、大阪の歴史にまつわる壮大な秘密を知るが…。
◆感想
・久方ぶりに鑑賞したが、今レビューサイトでは評価が低いが、とても面白く鑑賞した。
・あり得ない、と言ってはイケナイ、奇想天外な裏歴史設定の面白さよ・・。
・明治維新の際に、”大阪国”が認められていたとか、現在の大阪国の総理大臣を演じたのが、中井喜一さんとか”あり得ないでしょう!”と言う部分を上手く見せている。
<大阪国国会への道を辿るには、”親子愛”が必要な設定など、実に巧い。
今作を”そんな馬鹿な事はないでしょう”と突っ込む人には面白くないのかもしれないが、映画とは”虚構”であり、重箱の隅を突くことなく、寛容な心で楽しみたいモノである。>
主役(堤真一&綾瀬はるか&岡田将生)と豪華。豊臣秀吉の末裔が生きていた?!
タイムスリップするSFファンタジーで
「本能寺ホテル」と良く似ている・・と思ったら、
監督の鈴木雅之。主演も堤真一に綾瀬はるかではないですか?
設定が似ているはずです。
この「プリンセス・トヨトミ」はタイムスリップの部分がとても少ないが、
「本能寺ホテル」はタイムスリップ部分が大変良く出来ている秀作だった。
「プリンセス・トヨトミ」で学習したのでしょうかね(笑)
原作は万城目学のファンタジー小説。
あらすじは結構込み入っていて一言では話せない。
主人公の会計検査院の3人。
副長の松平(堤真一)
部下の旭ゲーンズブール(岡田将生)と鳥居(綾瀬はるか)
出張で大阪の監査に来ている。
公益法人OJAの監査をしていた松平は、ひょんな偶然からOJAの真の姿は
「大坂国」を運営する公益法人だったと知ってしまう。
実は「大坂夏の陣」で豊臣秀吉の祖先は途絶えてはなく生きていて豊臣の姓は400年後も続いていたのだ。
毎年の交付金5億円で生きながらえていた。
「大坂国」の総理が真田(中井貴一)で、その隠す姿は「太閤」と言うお好み焼き屋の店主。
脱線を重ねて混乱に誘うヒロインは綾瀬はるかで、コメディ的には結構退屈しません。
ただプリンセス・トヨトミの大事なプリンセスが女子高生のチョコちゃん。
(チョコちゃんはあまりに小物なのだった。)
このプリンセスを守るのがテーマかと思ったら、父親が息子に贈る最後の言葉。
「父親と息子の絆」が真のテーマだったんですよ。
折角の楽しい設定が十分に活かせずに、そこが残念だったと思います。
でもキャストが豪華で演技が上手いのでそこそこ楽しかったです。
一般受けする題材、ストーリーではないだろう。
タイトルと出演陣から敬遠していた(てっきり綾瀬はるかが主演の架空の戦国時代劇かと思っていた)が、観てみてよかった。一般受けする題材ではないだろうが面白かった。僕が大阪人だったらこういうことがあっら嬉しいなと思ったのではないか?
日本史に興味ない人は見なくてよい
豊臣秀吉好き、日本史好きな人向けな映画です。
もし秀吉の末裔が現代に生きていたら、というお話。
秀吉がどれだけ大阪民に敬愛されているか、
わかる映画です。実際の秀吉も愛されていたのか、わかりませんが。
中には秀吉嫌いの人もいたとは思いますが、
この映画の中では大阪民全員が秀吉好きです。
政府に大阪国の存在を認められているとは言え、
秀吉の末裔を守るために助成金5億円というのが微妙。
100億円ぐらいでもいいような。中途半端感がある。
だったら、政府の助成金無しで、自分たちで闇組織化して
フリーメイソンみたいな秘密結社にして、お金も自分たちで集めて
陰で活動しているほうがよかったような。
映画の肝は
国税調査員が税金の使い道を調査し、不正がある
団体を見つけるところからはじまる。
大阪国は政府に認められている。
そのため税金が大阪国存続のために使われるのは当然。
大阪が首都になったらなんかいやだなと思った程度
今時このレベルの映画は滅多に見れん
凄すぎる…中井貴一と堤真一の無駄遣い。
何が言いたいのか分からんと言うより、言いたいことはわかるけどそれが何っていう感じ。
え、何?息子に秘密を伝えたってことは中井貴一はもうすぐ死ぬの?
女性アナウンサーが蜂起の符丁である瓢箪をカメラに映すけど、あの人は女性だけど知ってんの?
岡田は言わば国家転覆を計っていたわけだけど、有耶無耶のうちに諦めちゃっていいの?許しちゃって良いの?
プリンセスが堤の指示で誘拐されたってのは勘違いだったわけだけど、それに対する言及は?
堤が倒れたのは何だったの?撃たれたの?どこから誰がやったの?犯人どうなったの?
姫は自分が姫だと知らされずに育つわけだけど、あの暴動シーンに出会してどう納得するの?
トランスジェンダー要素無駄じゃない?てっきり本当の末裔は彼(彼女)でした!はい!意外な形でタイトル回収!とかやると思ってたんだけどそんなことは無かったぜ。
原作もこうなのか?よく世に出す勇気があったな。
綾瀬はるかの胸揺れは自分も気付いたけど、それに言及してるレビューにギャオってるフェミさん見つけたのがこの映画関連で1番面白いっていうね。
敬遠していたがいたが観てみて良かった。
正月に家族で観た。綾瀬はるか(娘が大ファンだが僕は苦手)主演であることで敬遠していた。タイトルから彼女が主演の架空の時代劇かと思っていたが、観てみてよかった。一般受けする題材ではないだろうし奇抜な設定ではあるが面白いと思った。中井貴一の演技が素晴らしい(綾瀬はるかの役は誰でもよかったように思うが)。大阪人ならこういうことがあっても良いなと思うのではないか?
Amazon primeのお勧めより見ましたが
面白そうと思いながら、
良い役者さん揃いだし、
ワクワクしながら見たのですが・・・・
出だしは良い感じで始まったのですが、
本題に入って行くほど、気持ちが入っていかない
何が私に嵌まらないのかすら分かりませんが
すげーつまらなかったです。
着想は面白いんだけど
豊臣家の末裔がまだ生存していて、それを守っている人々がいるという着想はすごく面白いと思ったが、そこで大阪国ってのが登場して大阪府民がほとんど全て絡んでいるという設定があまりにも大袈裟すぎるし、そこからのクライマックスも盛り上がりに欠けていた。もう少し面白い話に展開できたのではと思うが、原作がそうなってるのだろうから、映画のストーリーにケチをつけても仕方ないから
ひさしぶりにクソ映画、見ちゃいました。
ひさしぶりにクソ映画、見ちゃいました。
設定はすごく魅力的なんですよ。
綾瀬はるかもかわいいし。
彼女の揺れる巨乳が何度も何度も楽しめますし。
しかし、しかし。
なんだこりゃ。
豊臣家末裔が実は大阪に生きていて、大阪の地下組織として大阪国というものがあった、という設定の映画です。
魅力的な設定でしょう?
あとは、この設定をどう活かして、観客が予想もできないエンターテイメイトに作り上げられるかというのが映画作りの醍醐味ってものじゃないですか。
ないんですよ。
それが、なにも。
なに一つ。
魅力的な設定。ぐだぐだの結末。なんじゃこりゃ~~って感じ。
そう。民主党の登場と鳩山内閣と菅政権の末路を見ているような、そんな、あちゃーーーっ感でした。
こういう徒労感って、日本の最新流行ですかそうですか。
羽柴姓の方はほとんどが何らかの形で秀吉に繋がってると聞いたことがあります
切れ者の副長・松平(堤)、ミラクルの異名を持つ鳥居(綾瀬)、ハーフである旭ゲンズブール(岡田)の3人。ゲンズブールネタで笑わせるだけの映画かと思っていたら、意外な方向へと展開してゆく。
なぜか引き込まれない序盤。断絶されたはずの豊臣家の子孫を守るという、奇想天外な発想は面白いのだが、映画としてのテンポが悪いのだ。『マルサの女』のように胸がすくような華麗な調査を行うのならいいのに・・・また、大阪のおばちゃんネタで笑わすくらいなら、その方向でガンガンいってくれてもいい。どことなく東京人が作った感も否めない。
長曽我部(笹野孝史)が館長を務めるOJOの博物館の地下には豊臣家の国松を逃がしたとされる秘密通路があって、その奥には大坂国の国会議事堂があった。明治維新の際、財政難の政府軍に対しては秘密の契約があり、大坂国に毎年援助されているという事実。お好み焼き屋のおっちゃん真田(中井貴一)が総理大臣だ。そしてボーイッシュな少女・橋場茶子(沢木ルカ)が豊臣の末裔。なぜか羽柴じゃないんだな。
結局は、大坂国の男は末裔であるプリンセスを守るため、事実を父から子へと伝えられる。そんな父と子の絆をテーマにした内容に終わってる。5億円という国の補助金を継続させるために・・・。松平の父親が大坂人だったこともストーリーに活かしきれてないし、ゲンズブールの存在価値もわからない。綾瀬はるかの巨乳揺れが若干ある程度で、彼女のミラクルぶりも面白くなかった。
大阪国。
会計検査院。堤真一 綾瀬はるか 岡田将生。
最初は会計検査院のしごとである税金の不正を暴くところが面白くて引き込まれて観てましたが。。 それから、トヨトミの末裔が生きていた。?という歴史ものに興味がそそられて。。
でも。大阪国が出てきた辺りから。何か。おかしな展開に。。最後の30分からはダメでしたね。
何か最初が良かっただけに残念。
邦画に「あるある」の説教臭さは何とかなりませんか?
会計検査院の検査員が、大阪府の監査過程で豊臣家にまつわる重大な秘密に行き当たり・・・という物語。
設定が斬新で興味を惹かれた作品です。綾瀬はるかや堤真一等の魅力もあり、中盤までは中々楽しめました。
ただ、こういう作品は、終わらせ方が難しいですね。
日本映画特有のエンディングの長さと説教臭さで、面白さも半減です。
あと、真田幸一役は、大阪出身の方に演じて欲しかったです。
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