劇場公開日 2011年1月15日

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「情景描写はよくできているが、当時はもっとパワフルだった」ウッドストックがやってくる マスター@だんだんさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0情景描写はよくできているが、当時はもっとパワフルだった

2011年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

単純

69年頃の雰囲気はよくでている。
ヒッピーやゲイを毛嫌いする保守的な大人たちを相手に、自由を求めた若者が身の置き場所を探し歩いた時代だった。
流行だったサイケデリックな描写もまずまずだ。
だが、なんの産業も観光もない片田舎に一大イベントを誘致しようという可笑しさへの期待はあまり報われない。
町の大人たちの反感はたいしたこともなく、誘致そのものも殆ど問題なくとんとん拍子で事が運んでしまう。
雰囲気描写ばかりが先行して、肝心のコンサートもその片鱗さえ描かれず、ぜんたいにユルい。
当時の気怠さとユルいは違う。履き違ってもらっては困る。
この作品からは、現実社会と理想の狭間で鬱屈したジレンマにもがく当時の若者のエネルギーが感じられない。
同年代に作られた映画「俺たちに明日はない」「卒業」「イージー・ライダー」「明日に向かって撃て!」「バニシング・ポイント」のなんとパワフルだったことか。
わたしと年齢が2つしか違わない監督に、なぜこのニュアンスが分からないのか、残念だ。

エリオットの父ジェイクと母ソニアを演じたヘンリー・グッドマンとイメルダ・スタウントンはいい味を出している。

マスター@だんだん