劇場公開日 2011年7月15日

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ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2 : 映画評論・批評

2011年7月12日更新

2011年7月15日より丸の内ピカデリーほかにてロードショー

ハリーが背負わされた運命の重さそのものに愕然となる完結編

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ハリーは最後に死ぬらしい……。シリーズ中盤からファンの間で囁かれていた疑問に、ついに結論が出される。だがその結末よりも、ハリーが背負わされた運命の重さそのものに愕然とする完結編だ。ヴォルデモートを倒すために払ってきた多くの犠牲も、最後の試練に立ち向かうための準備だったと分かり、悲壮感が胸に迫る。

最終決戦の場はホグワーツ。敵も味方も、登場人物全員が戦いに臨み、ありとあらゆる魔術が炸裂する総力戦だ。ホグワーツ入学当時の楽しい魔法とは違うが、マジカル映像の魅力を堪能できる。デビッド・イェーツ監督は4作目にしてVFX映像の極意を会得した模様。戦いのスケールの大きさ、激突する力と力、空を飛ぶ飛翔感と疾走感、そして危機一髪のスリル。アクションに不可欠な要素が全て揃って、シリーズ中最高の出来だ。

そしてドラマ部分で場をさらうのがアラン・リックマンのスネイプ。敵なのか味方なのか謎めいた行動が多かった彼の心情が初めて吐露され、見ているほうも心が震える。泣かせるシーンを、ハリーたち主役ではなくスネイプに持ってきた演出が嬉しい。

10年経って子供は大人になり、大人は歳を取った。尻すぼみすることなく、1作ごとに豪華さを増して、8作品を走り続けてきたパワーに改めて感嘆。1作目の「賢者の石」をまた見たくなった。

森山京子

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