懺悔

劇場公開日:

懺悔

解説

旧ソビエトの検閲下、1984年に製作されたジョージアの名匠テンギズ・アブラゼによる社会派ドラマ。67年製作の「祈り」、76年製作の「希望の樹」とあわせて「祈り3部作」に数えられる。スターリンの粛清を喚起させ、ソ連崩壊につながったペレストロイカを象徴する作品で、1987年カンヌ国際映画祭審査員特別大賞を受賞。とある地方都市で高名な市長が死去し、市長の墓を掘り起こした罪で、生前の市長の独裁により家族を失った女性が逮捕される。彼女は法廷で市長の粛清の過去を告発し、埋もれつつあった悲劇の歴史を訴える。日本では2008年に劇場初公開。2018年には、アブラゼ監督の「祈り」「希望の樹」とあわせた「祈り3部作」の一挙公開で、再び劇場公開される。

1984年製作/153分/ソ連
原題:Monanieba
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:2018年8月4日

その他の公開日:2008年12月20日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第45回 ゴールデングローブ賞(1988年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第40回 カンヌ国際映画祭(1987年)

受賞

コンペティション部門
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞 テンギズ・アブラゼ
審査員特別グランプリ テンギズ・アブラゼ

出品

コンペティション部門
出品作品 テンギズ・アブラゼ
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(C)Georgia Film ,1984 (C)RUSCICO, 2003

映画レビュー

2.5祈り3部作の3本目

2019年7月15日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

祈りとあるので宗教色の強い映画かと思いきや政治色の方が色濃く出ているように思う。
政教分離とはいかず、政治にうまく宗教が使われている様はこれまでの映画でも画かれてきたので然して目新しいテーマではない。

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ちゆう

4.0面白かった

2018年10月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

特集として立て続けに見た3本目。3作とも非常に面白かったが、前二作と比べて映像的な美しさや笑えるシーンが少なく、政治とか国家体制に関する寓意性を強く感じさせるストーリーだった。製作背景について知りたくてパンフを買ってみたが、そこまで詳しい記述はなかったので自分で色々調べたい。
とにかくチョビ髭市長のキャラが圧倒的。本気で背筋が寒くなる恐ろしさだった。あと、長々と続く丸太探しのシーンがいたたまれなかった。
何年か前にロシアのプロパガンダ色丸出しで製作された「オーガストウォーズ」を見た(面白かった)が、グルジア周辺は今も酷い事になっているようだ。平和になったなら、死ぬまでに是非旅行してみたい素敵な国だ、と今回の特集上映でつくづく思った。

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どんぐり

劇場型独裁者の恐怖

2018年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

テノール市長の怪演、葛藤息子の熱演、不条理独裁の恐怖。
親世代の暴挙を、子世代が認め謝罪できるのかというテーマが重くのし掛かってくる。
ベートーヴェン歓喜の歌のそら恐ろしさに身震いする。

(岩波ホールが採算度外視してやってくれた)テンギズ・アブラゼ監督祈り三部作は心の深い所に残り続けそうです。

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旅するランナー

3.0作品中の劇は、観念優先の抽象絵画のよう

2013年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

難しい

総合:60点
ストーリー: 65
キャスト: 70
演出: 55
ビジュアル: 70
音楽: 65

 ちょび髭の市長が死んだ。だが女性がたった一人で大量の土を掘り返し、自分よりもずっと重い市長を自在に運びだす。市長は市民一人一人に直接会って、時には部下を引き連れ家を訪ねて白々しい演技をし歌まで披露する。現実にはあまりなさそうなことである。そしてわざわざ中世の甲冑を着た警察が踏み込む。度々突然登場する映画の中の寸劇。そこでは現実とは異なる観念的な劇が上演され、実に馬鹿げた理由で罪と証拠をねつ造されていることに対する批判なんかが展開される。人々の苦難や人権弾圧や密告や恐怖政治などを、いくつもの大袈裟な劇を通して描き、それを繋ぎ合せて物語を構成している。
 それらの劇は、現実を描写するというよりも、出来事や考えを間接的に表そうとした観念的な抽象絵画のようであった。だがそれがゆえに観念的な印象しか受けなかったのも正直なところ。映画としてみれば、作品の中にいくつもの劇を上演するよりも、映画自体を一つの劇として描いてくれたほうが直接的でわかりやすいだろうし、あまりこの手法は私の好みではなかった。ただこの時代にソ連という場所でこれだけ体制批判的映画を作ったというのはとても勇気のあることであり、そこは評価できる。

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