ココシリ

劇場公開日:

解説

海抜4700メートルの無人地帯ココシリで、チベットカモシカの密猟を防ぐ民間のマウンテン・パトロールの姿を描くスリリングなドラマ。監督は「ミッシング・ガン」のルー・チューアン。「Red Valley」で第17回チャイナ・ゴールデン・チキン・アワード(中国で最も有名な映画賞)で助演男優賞を受賞したデュオ・ブジェ、舞台で活躍するチャン・レイとキィ・リャンほか。第17回東京国際映画祭審査員特別賞を受賞。

2004年製作/88分/中国
原題:Kekexili: Mountain Patrol
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
劇場公開日:2006年6月3日

ストーリー

中国が原始のままの姿で残されている広大な無人地帯ココシリ。海抜4700メートルの厳しい自然に抱かれたこの土地は、チベットカモシカの生息地として知られている。だが、20年のあいだに乱獲により、生息数は百分の一に激減。密猟を取り締まる民間のマウンテン・パトロール隊は、武器も車も食糧も乏しいなか、密猟者との命懸けの戦いを強いられていた。ある日、隊員のひとりが密猟者に殺される事件が発生。その調査にやって来た記者のガイ(チャン・レイ)は、マウンテン・パトロールのリーダー、リータイ(デュオ・ブジエ)に取材を申し込む。パトロール活動は、想像を絶する過酷さだった。ユク谷で、パトロール隊のトラックが銃撃される事件が起こり、運転手が死亡。その先には、ガス欠になって打ち捨てられた密猟者のトラックが放置されていた。車内にチベットカモシカの毛の痕跡を認めたリータイは、主犯を必ず追いつめると心に誓う。密猟者に雇われて毛皮の下処理などを行う農民の集まり捕らえるガイたち。彼らは放牧で暮らしていけなくなったため、手を染めたと言う。追跡の任務についたパトロール隊員のひとりが、高地で疾走したために肺気腫にかかる。リータイは肺気腫の隊員を町へ連れ帰り、医者に診せる任務をリウ(キィ・リャン)に託した。押収したチベットカモシカの毛皮を売り、治療費と追加物資の金を捻出するよう命じるリータイの言葉を聞き、ショックを受けるガイ。こうしなければ部下とココシリを守れないと答えたリータイは、顔や手に泥はついているが、魂は清らかだと言う。トラックを降り、道なき道を徒歩で登りはじめたリータイたちは、ついに密猟の主犯たちに追いつくのだが……。

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映画レビュー

5.0命がけ。棄民。ココシリの自然とチベタンの不毛な戦い

2021年9月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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redir

4.0命を懸けると言うことはどういうことなのか・・・・教えてくれた。

2021年4月27日
PCから投稿

「ココシリ」なんて何処にあるのか知らなかった。いや、地名なのかどうかも分からなかった。しかし、何故、この映画を観たんだろうと自問自答してしまった。愛すべき土地というものを知らない僕は彼らの行動が理解できなかった。最初のうちはね・・・・しかし、450頭にものぼるチベットカモシカの骨が画面いっぱいに見せられたときなのか、崑崙山脈の連なりと吹きすさぶ雪のなかを走り続ける車の音を聴かされた時なのか、未だに分からない。でも、国を愛する彼らの心に多少触れられたような気がした。
いいか悪いかなどの問題ではないのだ。ひとの"魂"の在り方なのだ。

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はる

1.5厳しい環境での保護活動

2021年1月30日
PCから投稿
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見聞

4.0絶滅動物保護

2019年12月16日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 パトロールに出るときは、まるで戦地に赴くかのように別れを惜しむ彼ら。同行するガイも勇気が要ることだったろう。地元の有志によるパトロール隊なので密猟者を逮捕することはできず、追い払い、毛皮を没収するだけ。それでも威嚇し、身を守るための銃は必需品。でも手錠で捕えてたけど・・・

 高度4700mの高地。激寒の地なのに、川を渡るためにズボンを脱ぐ。ココシリとは「美しい山々と女たち」という意味。毎年1万頭以上密猟されるという現実のため、自然を守るために必死なんだなぁ。

 捕まえた常習犯の爺さん一家。パトロールを続けるためには食料不足で置いてけぼり。どちらも悲惨だ。途中で射殺された密猟者もいたし。

 それにしても報われないリータイ隊長。やっとのことで密猟のボスに巡り合えたときには、ガス欠や車の故障などで隊は離散状態。解放した爺さんも中にいたけど、彼らに殺されてしまった。怪我人を医者に運んだリウなんて流砂地獄に埋もれてしまうし・・・

 それでもガイの記事によって国が動き、ココシリは保護されることになった・・・こんな過酷な実話があったなんて・・・ドキュメンタリー風だったのも良かった。

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kossy
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