ヒトラー 最期の12日間

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

独裁者アドルフ・ヒトラーの最期の12日間を克明に描いた実録ドラマ。ヨアヒム・フェストによる同名研究書、およびヒトラーの秘書を務めたトラウドゥル・ユンゲの証言と回想録「私はヒトラーの秘書だった」を基に、「es エス」のオリバー・ヒルシュビーゲル監督がメガホンをとった。1942年、ミュンヘン出身の若い女性トラウドゥルは、ナチス総統ヒトラーの個人秘書として働くことに。1945年4月20日、ベルリン。ヒトラーは迫りくるソ連軍の砲火から逃れるため、側近たちとともにドイツ首相官邸の地下要塞に避難する。その中にはトラウドゥルの姿もあった。誰もがドイツの敗戦を確信していたが、もはやヒトラーは客観的な判断能力を失いつつあった。「ベルリン・天使の詩」の名優ブルーノ・ガンツがヒトラー役を熱演。トラウドゥル役に「トンネル」のアレクサンドラ・マリア・ララ。

2004年製作/155分/ドイツ
原題:Der Untergang
配給:ギャガ
劇場公開日:2005年7月9日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第77回 アカデミー賞(2005年)

ノミネート

外国語映画賞  
詳細情報を表示

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

4.0ベルリンの惨状とヒトラーに対する盲信

2024年3月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

スターリングラードの戦いで敗北した時点で、ドイツの敗戦は目に見えていたにもかかわらず、ヒトラーは降伏を決して許さず徹底抗戦を命じた。その結果、遂にベルリンにまで度重なる空襲が始まり、砲弾が打ち込まれ続けるという地獄の様相を呈することになる。そのためドイツの将兵の士気は明らかに低いことだろうと思いきや、一概にそうとは言えないようだ。ヒトラーを盲信する多数の将兵達は、彼に忠誠を誓ったという理由から、そして第一次世界大戦で敗北した屈辱から、降伏など頭に無いのは驚いた。また、逆に状況を冷静に認識している人々もいた。ドイツ国内でも、現状の認識は様々だったことが窺える。このように、ベルリンの惨状や当時の人々の様子を描いた点で、今作は貴重な映画だと思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
根岸 圭一

3.0ヒトラーユーゲント

だった父を持つ、ドイツ系カナディアンとカナダでよく第二次大戦の話しをしました、こちらも気を使って、ヒトラーやドイツばかりが悪いわけではなく、ベルサイユ条約で法外な賠償金を要求して世界恐慌と重なりハイパーインフレーションを引き起こしドイツ経済を破壊したイギリス、フランスにも責任はある、追い込まれたドイツ国民は選挙でヒトラーを選択して経済を立て直し賠償金支払いストップ、アウトバーン建設、再軍備、返す刀で旧領回復、ドイツ人人口の多い地域の占領、とエスカレートし過剰防衛に走ったと説明すると感心していた、日本も三国同盟、対米戦に反対した海軍の三人のリベラル派、真珠湾攻撃を立案した、イソロクヤマモトもその1人、と言うとドイツにも、反乱軍を興したシュタウフェンヴェルクや軍需大臣で密かに焦土作戦に従わずインフラを守ったシュペーアがいたと教えてくれた。
イスラエルに行ったことはあるか?と聞いたら、とんでもない、ドイツ人とわかったら殺されちゃう、と。
カナダ、アメリカで話した何人かのドイツ人は皆そのぐらいの教養があって洗脳されていたとは思われない、もちろん、世代は違うし当事者ではないが、親や祖父母が戦時中何をしていてどういう状況たったか聞いて学んでいることは伺えた。
最近、日本でも戦中のこと、特に特攻隊を語る時、洗脳という言葉を耳にするようになった、映画の中の秘書も知らなかったと言っていたが、パットン将軍が強制収容所を解放し、後世無かった事にしないよう周囲のドイツ市民に見せると皆、知らなかったと。他の周囲の住民に聞き込みをすると、臭い匂いと人間の声とは思えないような絶叫が聞こえたと証言している、どちらが正しいことを?

コメントする (0件)
共感した! 1件)
全国連加盟国不可侵条約締結、武装中立主義、多様性男女平等自由主義、5名作4良作3いい作品なので他は2以下です。

3.5戦争の現実、厳しさ、辛さを知る作品

2024年1月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

怖い

難しい

CSで録画視聴。
色々、考えさせられた作品。戦争の現実、厳しさ、辛さを知る事ができる作品。
もし、自分がこの場にいたらどうするかを考えて観た。
ただ、時間は作品の性格上、仕方なしにしても長すぎる印象が強い。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ナベウーロンティー

4.0悪人をただ在るとしない。

2023年5月29日
PCから投稿

ヒトラーが自決するまでの最後の12日間を描いた作品。
ナチスドイツの中枢で働く人々が戦況の劣勢によって焦燥や盲信、未来への展望が絶望によって染まっていく様子が見て取れる。

ナチスドイツは非道な行いをしたが、「ただ悪として存在した」としてはいけないと私は思う。
独裁者。
差別主義者。
優生思想。
戦勝国が作り上げた「正しさ」によって単純化してしまうことに危機感を覚える。
彼らも同じ血の通った人間であり、大切なもののために考え決断をした人々。
そして、それを支持した人々もいる。

彼らの決断を現代を安穏と生きる私が現代の価値観で論じることにはとても抵抗を覚える。
敗軍の幹部の妻子がどのように扱われるのか。
自分の命一つの覚悟ならできる。
しかし、愛する人の苦渋に満ちた人生を憂えばこそ。
そして薬を飲ませ、食卓で手榴弾のピンを抜く。

ナチスドイツを、ヒトラーを悪と断じて単純化しがちだが、同じ血の通った人間であることを思い出させてくれた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
昭和ヒヨコッコ砲
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る