甘い人生

劇場公開日:

解説

ドラマ『美しき日々』と映画「誰にでも秘密がある」で人気のイ・ビョンホン主演のフィルム・ノワール。頭脳明晰な一人の男が、初めて知る愛によって転落してゆく姿を描く。監督は「箪笥<たんす>」のキム・ジウン。ヒロインには、『美しき日々』でイ・ビョンホンの妹を演じたシン・ミナ。

2004年製作/120分/韓国
原題:A Bitter Sweet Life
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:2005年4月23日

ストーリー

ソウルを一望できる優雅なスカイラウンジ。ここはソヌ(イ・ビョンホン)の城だ。7年かかってラウンジとレストランの総マネジャーであるこの地位までのぼりつめた。冷酷なほどに頭の切れる男ソヌは、表にも裏にも通るその手腕により、裏社会にも絶大な力を持つボスの信頼と寵愛を、一身に受けていた。ボスであるカン氏(キム・ヨンチョル)は、裏社会を牛耳る冷酷無比な男で、ある秘密を抱えていた。若い愛人、ヒス(シン・ミナ)のことだ。カン氏はヒスに他の男がいるのではないか、という考えに苛まされており、ソヌに彼女を監視させ、もし裏切りがあった場合には殺せ、もしくは自分に連絡しろと命じる。数日間の監視のあと、ソヌはカン氏の命令を携え、ヒスと男のいる部屋に押し入った。することは明白だ。彼らを殺すか、携帯電話で出張中のカン氏へ報告するだけだ。しかし、なぜかソヌは自分でも分からない想いに突き動かされ「二度と会うな。何もなかったことにすれば問題はない」と、男を追い出す。ヒスを見ると、ヒスは瞳を涙を濡らし「何もなかったことになんて、あなただったら出来るんですか?」と、まっすぐにソヌを見つめ返してくる。ソヌは全てを元通りにできると思っていたのだ。しかし、ふと我にかえり、自分のしたことに驚いてヒスに詰め寄る。「なぜ自分はボスを裏切るようなことを。自分のためでもないし、勿論あの男のためでもない」。するとヒスが言う。「私のためですか?」。そして、この時のソヌの決断は、対立する勢力に加えて、かつての仲間たちをも敵にまわし、取り返しのつかない抗争の渦へと、破滅への道へと彼を陥れていくのだった。

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映画レビュー

2.0殺し屋の恋…

2023年9月17日
Androidアプリから投稿
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KEI

3.5【”悪の世界で生きて来た男が抱いた初めての恋心が招いた事。”今作は、若きイ・ビョンホンの切なく憂いを帯びた端正な表情が印象的な、サスペンス&アクション&ラブストーリーである。】

2023年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■表の顔は、ホテルの総マネージャーだが、実は裏社会で生きる男、キム(イ・ビョンホン)は、裏社会を牛耳るボス、カン社長(キム・ヨンチョル)に命じられ、彼の愛人ヒス(シン・ミナ)の監視を開始する。
 もし別の男がいれば殺すか、連絡するよう言われていたが、いつしかヒスに心惹かれていたキムは、彼女に男が居る現場を押さえるが、”一度だけ”と言って二人を見逃す。
 それがカン社長に洩れ、キムは生き埋めにされかけたり、身の危険を招いていく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・脚本は、可なり粗い。
 そもそも年老いたカン社長が、”若き愛人に男がいるのではないか。”と勘繰り、”お前は恋をしたことがないから信頼出来る。”と言ってキムに愛人ヒスの監視を任せる序盤で、その後の展開が予測出来てしまう。

・が、そのキムを若きイ・ビョンホンが演じているので、今作は見応えがあるのである。正に今作は、俳優イ・ビョンホンの演技を愉しむ作品なのである。

・キムは、ヒスの買い物に付き合う。
 センスのないカン社長からのランプのプレゼントの代わりに、別のランプを買いに行ったり、ヒスのヴァイオリンコンサートを聴きに行ったり・・。
ー キムが今までに経験した事のない”甘い世界”である。そして、いつの間にかキムはヒスに恋心を抱くが、それは”夢の又夢”である。-

■だが、キムはカン社長が居るホテル内のバーに向かう前に、彼女が欲しがっていた赤い洒落たランプを彼女の家の前にプレゼントとして置いて行くのである。

<そして、キムがカン社長の指示に従わなかった事から繰り広げられる、凄惨なヴァイオレンス&ガンアクションシーンは見応えがある。
 ラスト、キムがカン社長が居るホテル内のバーに向かい、銃でカン社長の手下を撃ち殺し、最後は・・。
 だが、満身創痍の彼も又・・。
 今作は、初めての恋をした悪の世界で生きる男の哀しきラブストーリーであり、その男の切なく憂いを帯びた表情を、イ・ビョンホンが絶妙に演じている作品なのである。>

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NOBU

1.5イ・ビョンホン主演だから最後まで見れたけど。

2023年8月28日
iPhoneアプリから投稿

イ・ビョンホンがただただ男前な映画。
内容は残念ながら…ペラいし、いまいち不器用な愛?の表現に欠ける。
ドンぱちと流血激しめ。

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84

5.0尺を乗り切る緊迫感

2020年7月11日
PCから投稿

この映画はキムジウンの最高作でビョンホンの代表作だと思う。
韓国ノワールにはヤクザの非情さと同時に、韓国社会が基調的にもっている不人情があらわれる。誰もが一匹狼。同情や依頼心が身を滅ぼす。それが映画に切実な緊張を与する。ラストスタンドが普通なアクション映画になっていたのは道理で、ハリウッドシステムではノワールが描けない。
個人的に韓国映画のベスト1のひとつ。

繰り返し見ることができる映画で、どのシークエンスにも濃い密度がある。豪腕な演出力で、長さを貫通して緊迫感が持続する。リアルな映画だが、ソヌ室長(ビョンホン)は超人的なスタミナの持ち主で、吊られてナマス切り、生き埋め、腹部メッタ刺しの窮地を脱し、一騎当千の立ち回り。リアリティを維持しつつ娯楽の枠を外さない。

導入部からスタイリッシュ。
閉店間際の広いラウンジで室長が悠然とムースショコラみたいなのを食べている。そこへ帰ってくれない与太者の報告、ちょっと問題がありまして……来てもらえませんか……。アラッソヨ。そこからロールと室長の足取りが同時進行する。ラウンジを横切り、ロビーから裏へ、厨房を通り地階へ、用心棒の詰所で若いのを拾って問題客の特別室へ。「すいません営業終了です3つ数える間に出て下さい」徒手空拳で三人の与太者を伸ばして、社長に営業終了の報告。エスプレッソ。何度見ても飽きないプロローグ。

一個惜しいのは、ソヌが組織から狙われるきっかけとなった、カン社長の愛人に、さほど魅力が感じられないこと。シンミナはきれいな人だが、清純型で、風に揺れてしまうほどではない。ヒョジュ、イェジン、ウンチェあたりならわかる。藤井美奈でもよかった。まあ好みの問題であってconsではない。

韓国へ行ったことはないのだが、韓国映画でしばしば屋台を見る。いろいろあるのだろうが、気になるのが、異様に長い串に刺さった、ふやけた食べ物。寒いときにいい感じで、ホクホク食べるのを映画で何度か見たことがある。
この映画でも、この何か知らない串のおでん風の食い物をビョンホンが食べるシーンがあるのだが、これが死ぬほどかっこいい。食べ慣れと、食べ飽きと、食事中の動物のような警戒心が同時にあらわれる。
旅行できる身分ではないのだがもし韓国へ行ったら一番やりたいのがこの謎の茹でものを食べることだ。

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津次郎
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