劇場公開日 1979年10月

サイレントフルートのレビュー・感想・評価

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4.0リー氏の死後、海外から伝わって来る情報で心待ちしていたが

2023年5月21日
iPhoneアプリから投稿

当時の雑誌スクリーンなどの情報や、日本ヘラルド映画の「今後のラインナップ」広告なんかを見て、「死亡遊戯の次に残されたのはこれだけだ!」とばかり、心待ちにしていました。

主演もジェームス・コバーンとか書かれていた……
しかし、待てど暮らせどその日ははやって来なかった。

もはやスッカリ諦めていた頃、オールスター・キャスト系のSFモノ『メテオ』というのが公開される事があった。
一応、コネリー等まで出ている大作扱いだから、東京では渋谷パンテオン等のフラッグシップ館が充てられたが、こういう時に劇場(スクリーン)サイズでハンデがある地方館では、東京ではオクラ入り(上映見送り)レベルの作品が併映に付けられての二本立て興行というパターンが当時は良く取られていた。

この『メテオ』の併映に名を連ねていたのが、なんとあの『サイレントフルート』ではないか!?

えっ!、なんで?

と思ったが、とにかく本当にソレなのか我が目で確かめないワケにいかないので行きました、お隣の神奈川県(平塚だったかと)の上映館まで。

っで、例によってクワイ・チャン・ケインのあのキャラダイン氏がまた原案ブルース・リー氏の企画に登場で、なんだか複雑な心境にというか、イヤな予感が…..
更にリーはリーでも吸血鬼のあの方まで登場して、なんだか当時としては脇役(B級)レベル系俳優ばかりじゃ無いのという感じでした。
コバーンはどうしたっ!、って。

物語もこれといった起伏が感じられない平坦な印象で、キャラダイン氏のあのクネクネな調子の格闘アクションはカンフー映画っぽいカタルシスにも遠く、悪い意味での和洋折衷のような無国籍映画と化しているような、「ああ、俺が期待して待っていたものがコレだったのか…….」状態に陥ったのは言うまでもありません。

エンディングについても、「物語の最後に主人公を待っていたものは….」意外なモノでした(?)。
リー氏の哲学的な思考をベースにしたストーリー展開を狙ったという事が良くわかるオチですが。
いかんせん、スケール感が乏しかった為か、ショボい低予算を逆手に取った作りのような印象になってしまったという悲惨な仕上がりに酷くガッカリして、中身はどうって事無いのにスケール感とオールスター攻勢の『メテオ』という余りにも対照的な映画のをフツーに楽しんで、複雑な心境と共に隣県の小屋を後にした1979年、時代は77年の『スター・ウォーズ』79年の『マッドマックス』を経て、まだジョン・レノンも存命時期の日の私でした。

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アンディ・ロビンソン