ロック公国ジャゾンIII世

解説

ロックスターが支配する未来のロック公国の王位継承をめぐる奇想天外な物語を実験的な手法で描いた作品。製作はジャック・ブランとジョルジュ・ラヴォダン、監督・脚本はクロソウスキーとの共同作業などで知られる映像作家ラウール・ルイス、撮影はアカシオ・デ・アルメイダが担当。出演は音楽とも兼ねるオリヴィエ・アンジェル、ジェラール・メモーヌほか。

1984年製作/75分/フランス
原題:Regime Sans Pain

ストーリー

国民の人気投票で王が選ばれるというロック公国の国王ジャゾンIII世(オリヴィエ・アンジェル)はTV出演中にその支持率が下がり始めたことで王位を降り、宿命である仕組まれた交通事故による“死の儀式”に臨まねばならなくなる。しかし彼はそれを前にカトリック移民地区へと逃亡し、そこで彼に恋する車椅子の女性アルエット(アンヌ・アルヴァロ)と、彼の創造主であるピー博士(ジェラール・メモーヌ)に出会う。ピー博士はジャゾンに特権を与えられている「国王の言葉」を彼の記憶から消し人格を抹消する役目を持っていたが、アルエットの必死の頼みでジャゾンを再び王位に就けるように教育する。新しい国王を選ぶコンクールの日、ジャゾンは候補の最後の10人に残るが、投票を前にして盲目の女性(アニー・ペレ)を家に送り、彼女の夫にコンクール用のコスチュームを渡してしまった結果、彼がジャゾンIV世に選ばれてしまう。しかしジャゾンIV世もやがて人気を失って死の儀式を迎え、そしてジャゾンIII世は自殺、ピー博士は引退した。

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