夜の儀式

解説

ベルイマンが初めて手がけたテレビ作品だが、好評を博したので三五ミリの劇場用フィルムにブローアップされた作品。監督・脚本はイングマール・ベルイマン、撮影はスヴェン・ニクヴィスト、美術はレナルト・ブロムクビスト、音楽はレナルト・エングホルムが各々担当。出演はイングリッド・チューリン、アンデルス・エク、グンナール・ビヨルンストランド、エリック・ヘルなど。

1969年製作/スウェーデン
原題:The Rite Riten

ストーリー

北欧のある町で、奇怪な「儀式」という名の芝居を持って巡業中の三人組の一座が、その内容をワイセツ罪で起訴され、予審判事(E・ヘル)のきびしい取調べを受けていた。判事の部屋に一人一人呼び出されて続けられる訊問に対して、三人は三様の反応を示す。座長格で最年長のハンス・ウィンケルマン(G・ビョルンストランド)は冷静沈着、セバスチァン・フィッシャー(A・エク)は終始いらいらとして判事の心証を害し、女優のテア(I・チューリン)はもともと神経症的な女で判事のあらぬ疑いを招いてしまうというふうだった。三人は現在、テアはハンスの妻であるが、以前はセバスチァンの妻であったという奇妙な関係にあった。ホテルの一室ではセバスチァンと戯れあうテアの姿があり、楽屋ではハンスに愛を求めるテアの酔いしれた姿があった。しかし一座の責任者としてのハンスは、六ヵ月後にひかえた解散の時期をあれこれと案じていた。判事の取調べは執拗で、三人の被告たちの混乱は日増しに激しくなっていった。耐えがたい屈辱と切り裂かれる自意識の煩悶に、彼らはそれぞれ苦しみ続けたが、取調べる判事も三人との対決のなかで知らず知らずに浮かび上がる自分自身の偽善と傲慢をえぐられる。実地検証として、判事は俳優たちに舞台衣裳をつけさせ「儀式」の実演を行わせるが、そこでは、調べる者と調べられる者の立場は逆転し、突然、判事は心臓マヒで急死する。三人の有罪は確定するが、その後の彼らの消息は誰も知らなかった。

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