プロヴァンス物語 マルセルの夏

劇場公開日:

プロヴァンス物語 マルセルの夏

解説

フランスの国民的作家マルセル・パニョルの自伝的小説「少年時代」3部作をもとに映画化した「プロヴァンス物語」2部作の第1作。お針子の母オーギュスティーヌと教師の父ジョゼフのもとに生まれた少年マルセルは、幼い頃から読み書きが得意だった。やがて弟や妹も生まれ、9歳になったマルセルは家族や伯父夫婦と共にプロバンスの丘陵でひと夏を過ごすことに。狩猟の名人である伯父に誘われて狩りに出た父は、はじめは頼りなかったものの見事にヤマウズラの王バルタベルを仕留める。楽しい日々はあっという間に終わりを告げ、マルセルは愛するこの丘と、ここで知り合った親友のもとに留まるべく奮闘する。監督は「わんぱく戦争」のイブ・ロベール。2018年、デジタルリマスター4K版で2部作同時にリバイバル公開。

1990年製作/111分/フランス
原題:La gloire de mon pere
配給:オンリー・ハーツ
劇場公開日:2018年8月4日

その他の公開日:1991年8月24日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

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(C)1990 GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION

映画レビュー

4.0【一夏の経験は少年を大人への一歩を踏み出させる。フランスの国民的作家、マルセル・パニョルの自伝的小説「少年時代」を、『わんぱく戦争』などの名匠、イヴ・ロベール監督が詩情豊かに映画化した作品。】

2024年1月29日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■お針子と、真面目な教師の間に生まれた少年・マルセルは、幼いうちから読み書きに秀でていた。
 やがて弟、そして妹も誕生し、パニョル一家は夏のヴァカンスを過ごすため、ローズ伯母とその夫・ジュール伯父が借りている丘陵の緑とセミの声に包まれた別荘に向かう。

◆感想

・観ていてとても気持ちの良い映画である。それは、聡明な少年がある夏休みに経験したことが、鮮やかに描かれているからである。

・プロヴァンスの豊かな自然を背景に、マルセル少年が子供が生まれる過程に疑問を抱いたり、誇りに思っていた父が、駆りの腕で伯父さんに劣る事をハラハラしながら観て居たり、弟の存在が何だが、疎ましく思う姿や、更に誕生した新たなる命をドキドキしながら観る姿。

■イキナリ、私事で恐縮であるが、私は小学一年の時から夏休み、冬休みには母の祖父母の家にほぼ休みの間、行っていた。
 東京駅で新幹線に乗り、(当時はサポートしてくれる優しいお姉さんが居た。運転席にも乗せて貰ったものである。)、祖父母のいる浜松で下車すると、初孫ということもあったのであろう、祖父母が満面の笑みで迎えてくれたモノである。
 特に夏休みは、私は祖父母の広大な家で王様の如く、我儘一杯に過ごしたモノである。
 祖父と相撲を取れば、百戦百勝であった。
 弟が出来てからは、彼を連れて一緒に言ったモノである。
 後年、祖父が亡くなった際に、その家を訪れたのであるが、幼児にとっては広大な敷地及び、家だと思っていたのが”こんなに小さな家だったのか!”と驚きと哀しみを感じた事は、今でも覚えている。
 だが、今作でも描かれているように、幼き時に豊かな休みを時間を過ごす事が如何に大切な事なのかを感じるのである。
 それは、幼き感受性豊かな子供にとっては貴重な時間だからだと思うからである。

<今作は、そのような幼き子供が夏休みを過ごす中で、微妙に大人同士の関係性や父に対する想いや、自分の幼き弟たちを持つ姿を、絶妙なタッチで描いた作品であると思うのである。>

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NOBU

4.0子ども時代のこと。

2024年1月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

単純

幸せ

ダイナミックでユニークな景色と、少し気だるいリラックスムードのテーマ曲…。
冒頭から明るい。
そしてその印象どおりの映画だった。

ここに出てくるのは、ささいな事に夢中になりこだわりもする、感じやすくも無邪気な、誰でも多少は経験のある子ども時代のこと。
自然。さまざな人たち。暖かい家族の見守り。そんな中で育んできた知恵や愛情や勇気。振り返ってみれば、のん気でのびやかで幸せだった時のこと。

この映画を観て、そいういえば自分も...などと子供時代を思い出し多かれ少なかれ童心に戻り癒やされる人は結構いるのかもしれない。
でも、自分の場合はこんなに恵まれていなかった...という人も中にはいるだろう。

後者にとっては、この作品は、はたして観てよかったと思えるものだろうか?…
そんなことを考えてしまうのも、私はこの作品に、所詮は理想像にすぎないでしょ?というちょっとひねくれた?印象もまた持ってしまうから。

…でも、きっと観る価値はあるのだろう。良いものは伝染していくから。
ストンとは受け入れられなくても、少しでも気持ちが洗われたり、なにかを再認識できればそれでよいのだろうな。

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あま・おと

3.519世紀末の自然豊かなプロヴァンスで過ごした穏やかな夏の日の想い出

2021年1月5日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

フランスの長閑な田舎を舞台にしたコメディ映画「わんぱく戦争」「ぐうたらバンザイ!」のイブ・ロベール監督の作品だが、以前のユーモア溢れる作風は影を潜めて、淡々とした大らかな演出が19世紀末の時代を再現する。小学校教師の厳格な父親と若くて美しい母親を尊敬し愛する9歳の少年が過ごした夏の日の出来事。母の妹夫婦と家族同様に触れ合う描写も良く、当時のフランス中流階級の生活感が偲ばれるノスタルジックな作品。夏のバカンスの舞台になるプロヴァンス地方の荒涼としながらも原始的な美しさが残る自然の背景、、その中で寛ぐ家族の生き生きとした表情が羨ましい。想い出の中では美化された記憶が蓄積していくであろうが、それを承知しても、この映画の温もりは失われた人間らしい安らぎの時を刻んでいる。ロベール監督がユーモアの先にある温もりに到達した愛すべき佳作。

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Gustav

2.0ホームビデオ?

2020年10月19日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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odeonza

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