フランスの思い出

劇場公開日:

解説

フランスの田舎を舞台に、都会の少年が夏休みにそこで過ごして得た様々な人との心の交流を描く。製作はパスカル・オメと「赤ちゃんに乾杯!」のジャン・フランソワ・ルプティ、監督・脚本はジャン・ルー・ユベール、撮影はクロード・ルコント、音楽はジョルジュ・グラニエが担当。出演はアネモーヌ、「サブウェイ」のリシャール・ボーランジェ、アントワーヌ・ユベールほか。88年セザール賞主演男優賞(リシャール・ボーランジェ)主演女優賞(アネモーヌ)。88年モントリオール・オクメニック賞作品賞。87年ドイツ児童映画祭作品賞。87年ジョルジュ・ボールギャール賞監督賞。87年ポール・ヴァイヤン・クテュリエ賞作品賞。87年アカデミー・ナショナル映画賞作品賞。

1987年製作/フランス
原題:Le Grand Chemin
配給:巴里映画
劇場公開日:1988年8月6日

ストーリー

「大通り、つぎは大通り!」ガタゴト道をバスに揺られ続けて、ようやくルイ(アントワーヌ・ユベール)は母親クレール(クリスティーヌ・パスカル)と二人、目的地のルーアンス村に着いた。母がこの夏お産をするので、夏休みを母の幼友達のマルセル・リュカ(アネモーヌ)の家で過ごすことになっているのだ。母親の胸中にはお産のほかに、実は別居中の夫と離婚の危機、という大問題もあるのたが、大人たちの配慮で、ルイ少年にはそれは知らされていない。久し振りに会ったマルセルにルイを預けると、すぐに母は帰ってしまった。ルイにとっては初めての、一人ぼっちの、田舎での不安な長い夏休みが始まった。最初の夜はロクに眠れないという情けない有り様だったが、何日か過ごすうち、ルイも少しずつ田舎の暮らしに馴じんできた。隣の少女マルティーヌ(ヴァネッサ・ゲジ)とも仲良くなり、マルセルの亭主で木工職人のプロ(リシャール・ボーランジェ)も、見かけよりずっと優しかった。マルセルとプロの仲が良くないことだけが、ルイの気がかりであった。数日後、マルティーヌと村のお葬式をのぞき見していたルイは、小さな墓を見つけた。「ジャン・ピエール・リュカ 一九四九年没」リュカ家、つまりマルセルとプロには、かつて男の子が生まれるはずだったが、難産で死んでしまったという話を、ルイはプロから聞いた。ある日、ルイに母からの待ちかねた手紙が来た。こちらは暑い、赤ちゃんはまだ生まれない。パパは忙しい……等々、たがそこには大人たちの許せない嘘があった。憤慨し悲しんだルイは、ある“決死の行動”をおこす。必死に救おうとするプロ、マルセル、そして村人たち。夏の終わりに、出産を終えた母が無事だった、そしてもう少し大人になったルイを迎えに来た。ルーアンスともお別れだ。今度は逆の方向にむかって、ルイと母親はガタゴト道をバスで都会へ帰って行く。秋の冷たい雨が降り出した。長い夏休みは終わった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

映画レビュー

映画レビュー募集中!

この作品にレビューはまだ投稿されていません。
皆さまのレビューをお待ちしています。
みんなに感想を伝えましょう!

レビューを書く