袋小路

劇場公開日:

解説

全財産を投げ打って、孤島の古城を買い取り、若い妻と理想郷を求める中年男の生活に逃亡中のギャングが侵入し、奇妙な人間関係が出来上がったり、こわれたり……。監督・脚本を「吸血鬼」「ローズマリーの赤ちゃん」のロマン・ポランスキー、協同脚本を「反撥」や「吸血鬼」などのジェラール・ブラッシュ、撮影をギル・テイラー、音楽はコメダ、美術をヴォイテク・ロマン等が各々担当。出演は「007は二度死ぬ」「ソルジャー・ブルー」のドナルド・プレゼンス、「柔らかい肌」「ロシュフォールの恋人たち」の故フランソワーズ・ドルレアク、「大空港」のジャクリーン・ビセット、その他、ライオネル・スタンダー、ジャック・マクガウラン、ロバート・ドーニング、マリー・キーン、イェーン・クォーリア、トレヴァー・ドラニーなど。

1966年製作/112分/イギリス
原題:Cul-De-Sac
配給:マーメイドフィルム
劇場公開日:2013年6月22日

その他の公開日:1971年3月13日(日本初公開)、1998年6月

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

ストーリー

険気っぽい古城のある淋しい陸繋島に、一台の車に乗った二人のギャングがやって来た。容貌怪異な大男リチャード(L・スタンダー)は右腕を射たれて繃帯で吊り、狡猾だが気の弱そうな小男アルバート(J・マクゴーワン)は腹に弾を受けて苦しそうな様子。動けないアルバートを車に残し、リチャードは城の方へ向った。城に住んでいるのは奇妙な夫婦で、中年の禿頭の夫ジョージ(D・プリーザンス)は非情にエキセントリックな感じ、若い妻のテレサ(F・ドルレアック)は欲求不満そうでいて投げやりな物憂さがあった。二人は結婚十ヵ月目であり、夫のジョージは再婚で、全財産を投げ打ってこの城を買い取り、若妻と一緒に理想的な生活に入ろうとしたのであった。彼は好きだった絵を描きテレサは鶏小舎を作っていた。この日、彼女は近隣に住む青年クリストファー(I・クォーリア)とエビ釣りに行き、夜、ヤキモチを焼く夫をからかっていた。そんな時、リチャードが踏み込んだのだ。ピストルで脅かして大人しくさせ、自分のボスに電話を掛け、島まで迎えに来るように頼む。その電話の話では彼等の仕事は不成功だったらしくボスはカンカンだ。リチャードは夫妻を手伝わせてアルバートを迎えにいくが、潮が満ちて道は海に沈み、アルバートは全身水びたしで車の中に居た。ジョージはオドオドとリチャードの命令に従い、テレサはそれが不満そうだ。アルバートは死んだ。深夜、リチャードが彼を埋める穴を掘っているとテレサが手製のウォッカを持って現れ手伝う。ヘンな女だ。二人はへべれけに酔っぱらう。夜も白みかけた頃、二人の様子に驚いて出て来たジョージも加わり、ムリに飲まされて、彼も酔っぱらい、身の上話をしたりする。陽が昇ってもリチャードのボスの迎えは来ない。そんな時、折悪しくジョージの旧友一家が来訪した。フェアウェザー氏(R・ドーニング)や妻(M・キーン)、プレイボーイ風のニコラス(T・ドラニー)と連れの女ジャクリーン(J・ビセット)等だ。リチャードは慌てて召使の役を演じてゴマかすが、さっそくニコラスはテレサを口説くし、ジョージの以前の生活を知っていて、何故今の変化を求めたのかを俗っぽく問うフェアウェザーのスノッブぶりや、連れて来た小さい息子の手のつけられない我ままさにイライラしたジョージは彼等を追い返してしまう。後になって舞い込んで来たクリストファーもテレサが何の関心を示してくれないで結局、追い出される。リチャードは再び、ボスに電話で連絡をつけるのだが、「お前なんか勝手にしろ」の伝言だけ、迎えは来ないのだ。激怒するリチャード。奇妙な倦怠の時が流れ、三人は個々の手酷い疲労感を覚え、午睡についたり、休んだりする。そのうちテレサはリチャードの脱ぎ捨てた服のポケットからピストルを奪いジョージに渡した。いさかいの末、気の弱いジョージは滅茶苦茶に引き金を引きリチャードを射ち殺す。狂ったようになるジョージ。ケシかけておきながらオロオロし、何を考えているのかさっぱり分らぬテレサ。ジョージは海に面した岩の上に坐り込み最初の妻の名を呼びながら、サメザメと泣き濡れる……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0旦那に隠れて若い男とイチャイチャしていて、ギャングにもちょっかい出し、夫にギャングを殺させた挙句、夫を捨てお城の邸宅を出て行くヒロイン

2022年5月21日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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Kazu Ann

1.0ベルリン映画祭の審査員は何を評価したのか?

2021年6月29日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ポランスキー監督は第一作目の
「水の中のナイフ」の主人公たちに比べて、
次作の「反撥」やこの「袋小路」で、
どうして異常人格的人物を主人公に
選び始めたのだろうか。

「反撥」に引き続き、
この作品でも、説明もなく、
いきなりの異常人格者の登場だ。

犯罪者は、夫婦が自分への反撃や逮捕に
繋がるかも知れない動きに全く無頓着。
夫は、幾らでもある犯罪者への
反撃のチャンスを選ぶ素振りさえない。
若妻は、怖い素振りも見せず、
何故が馴れ馴れしく犯罪者に近づく。

3人全てが異常だ。
あるいは、これはコメディ?
ポランスキーにコメディの才能が無いのは
「吸血鬼」で証明済だが。

笑えないコメディではないのなら、
3人の異常性について、
他の描写を省いてでも、
その原因を描かないと話に説得力がない。

ベルリン映画祭では、
「反撥」が銀熊賞、「袋小路」が金熊賞、
と高い評価を受けているが、
少なくともこれらの作品が
「ローズマリーの赤ちゃん」や
「戦場のピアニスト」を上廻ると
評価する向きは少ないのではないだろうか。

この映画祭が、
カンヌやベネチアに比べて影が薄いのは、
審査の観点が2つの映画祭に比較して、
少し偏向し過ぎているためではないかと
勝手に想像するのだが。

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KENZO一級建築士事務所

2.5薄情な女

2020年10月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

単純

興奮

状況次第で臨機応変な振る舞いを、男に擦り寄る娼婦のような奥さんは、子供にまでまんまツッ込まれる。

サスペンス要素は皆無なコメディ路線まっしぐらで、人間の心理描写はグラグラに緊張感の欠片もない。

初期のロマン・ポランスキーの三作品を通して、女性に対する描き方が偏っているような、彼が犯した事件に納得してしまう変態さが滲み出ている雰囲気がプンプンする!?

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万年 東一

5.0面白かった

2019年3月26日
iPhoneアプリから投稿

ドラえもんが観たくなりました。
一本立ちの鳩のカット。

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ほぼぼーぼぼーぼぼ
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