ハワーズ・エンド

劇場公開日:

ハワーズ・エンド

解説

名匠ジェームズ・アイボリーが「眺めのいい部屋」「モーリス」に続いてE・M・フォースターの名作小説を実写映画化した長編作品。知的で情緒豊かな中流階級のシュレーゲル家と、現実的な実業家のウィルコックス家。両家は旅行中に親しくなり、シュレーゲル家の次女ヘレンはウィルコックス家の田舎の別荘「ハワーズ・エンド」に招かれる。そこで次男ポールに一目ぼれするヘレンだったが、ある行き違いからウィルコックス家と気まずい関係になってしまう。その後、ロンドンのシュレーゲル家の向かいにウィルコックス家が引越してくるが、ヘレンは彼らに会おうともしない。一方、姉マーガレットはウィルコックス家の老婦人ルースと深く理解しあう。やがてルース夫人は「ハワーズ・エンドはマーガレットに」という遺言を残して他界する。しかし遺言はもみ消され、マーガレットはウィルコックス家の当主ヘンリーのもとへ嫁ぐことになり……。シュレーゲル姉妹をエマ・トンプソンとヘレナ・ボナム・カーター、ウィルコックス氏をアンソニー・ホプキンス、ルース夫人をバネッサ・レッドグレーブがそれぞれ演じ、トンプソンがアカデミー主演女優賞を受賞した。2019年9月、YEBISU GARDEN CINEMAほかにて4Kデジタル・リマスター版が公開。

1992年製作/143分/G/イギリス・日本合作
原題:Howards End
配給:ハーク
劇場公開日:2019年9月13日

その他の公開日:1992年7月11日(日本初公開)

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第50回 ゴールデングローブ賞(1993年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) エマ・トンプソン

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 ジェームズ・アイボリー
最優秀脚本賞 ルース・プラバー・ジャブバーラ

第45回 カンヌ国際映画祭(1992年)

受賞

コンペティション部門
45回記念賞 ジェームズ・アイボリー

出品

コンペティション部門
出品作品 ジェームズ・アイボリー
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映画レビュー

3.5肌感覚ではわからない

2023年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

登場人物たちが生き生きとしていて、それぞれの
信条での行動は揺るがなく
多少の設定が変わればどこの世界にも起きそうなようにも思える。

ハワーズ・エンドという邸宅をめぐって
階級の異なる二家族が
妙な縁に振り回されつつ理解し合えるのか、
そんな主題。

気持ちとしては好きと思っても結婚となれば
価値観の違いというものはより如実になる。
そこをわかってくれる人に家を受け継いでほしいと
いう気持ちはわからいでもない。

しかし前述したように価値観の違い、だけではなく
イギリスなのでそこには純然たる階級の違いも
存在している。

実業一家は階級的にはそれほど高くはなく、
実利ばかりで教養も足りてないという
認識があるのだろうと思う。
知的階級のマーガレットたちはむしろ
そういったことでの差別はいけないことだと
理想主義として教育されている。からこその
貧乏青年とも恋に落ちる。

行動の基盤がそこにあるんだろうというのは
頭ではわかるのだけれど
そんな階級世界をよくわかっていないので、
イギリスやヨーロッパの人たちがこの作品を観て、
肌感覚で「わかる」ところが
おそらく自分には理解できてないのではないだろうか。

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こまめぞう

2.5評価高かったから観たけど、良さが分からなかった

2022年10月25日
Androidアプリから投稿

身分違いの恋やタイトルにもなっている名家の別邸ハワーズ・エンドの所有者を巡るゴタゴタに
次第と明らかになる運命的な繋がりが組み合わさって物語が進んでいくんだけど、
盛り上がりに欠けるし、その割には時間が長いしで、私には合わなかった。

原作の小説は名作とされているようだから、たぶん本として物語に触れたら、
情景描写とか文章の綴られ方で惹かれるような作品なのかなと感じた。

人気小説を映画化したけど、うまく映像化できなかったという印象です。

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スクラ

5.0イギリスの階級制

2021年5月24日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

中産階級の三姉妹弟の長女(エマ・トンプソン)が主人公、次女(ヘレナ・ボナム=カーター)が恋愛沙汰を起こした上流階級の母親(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)と長女が仲良くなる。
母親は病死、別荘ハワーズ・エンドを長女に譲る、と遺言を残すが、遺族はこれを無視してしまう。
しばらくして素直な長女はこの父親と結婚することに。
イギリスのことが理解できるドラマ。

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いやよセブン

4.0【”現実主義と自由博愛主義との狭間で起こった様々な出来事と人間模様をハワーズ・エンド荘は静かに見守っていた・・。美しき、英国の田園風景が、この作品が醸し出す気品を支えて居る作品でもある。】

2021年4月28日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館

知的

難しい

幸せ

ー 自由博愛主義のシュレーゲル家の聡明な姉マーガレット(エマ・トンプソン)と、美しくも愛に奔放な妹ヘレン(ヘレナ・ボーナム=カーター:ティム・バートン監督とお付き合いを始まる前だったので、ヘンテコな役ではない。)と現実主義のウィルコックス家の長、ヘンリー(アンソニー・ホプキンス)を始めとした思想、生き方の違う人々の姿を、ウイルコックス家所有のハワーズ・エンド荘は、静かに見守っているようだ。
 ハワーズ・エンド荘の周囲の美しい自然と共に・・。ー

・ヘンリーの妻ルースのみが、聡明なマーガレットと病床で交流を深めるシーン。そして、末期の彼女が鉛筆でメモに遺した言葉。だが、ウィルコックス家の人々は、”その言葉”を受け入れられずに、破り捨て暖炉で燃やしてしまう・・。

・ヘンリーと、マーガレットが惹かれ合って、婚約したのはお互いにないモノを持っている事に対する敬意から産まれた愛情であろうと勝手に解釈する。
 ー ここは、劇場で観た際にも唐突感があった。今回も完全に払拭出来たわけではない・・。ー

・だが、終盤、情無き、チャールズ・ウィルコックスが、ヘンリーのアドバイスの転職を勧めた”ミス”で困窮したレナード・バストに行った仕打ち。その結果、ルースが遺した言葉通りになりシーン。
 ー ”家が人を選ぶ”とは、正にこのことである。ー

<初回、鑑賞時には一部難解に思えた作品であるが、再見すると人の心の機微の変遷や、運命の残酷な悪戯が、上手く描かれていると思った作品。
 英国の田園風景を映し出した映像も、大変美しく、この作品の醸し出す気品を支えて居る作品でもある。>

<2019年10月20日 京都シネマにて鑑賞>

<2021年 4月27日 別媒体にて再鑑賞>

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NOBU
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