ノッキン・オン・ヘブンズ・ドアのレビュー・感想・評価
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余命宣告を受けてからの…
コメディ…?
30年近く前の作品。
高橋一生の「ヘブンズドア!」を思い出しながら鑑賞。
全然違うけど。笑
とにかく撃ちまくる。
穴だらけの車。
無駄じゃない?もうよくない?
と、思えるくらいバンバン撃つ。
その割に負傷者は見当たらず。
お金、洋服…強盗がなぜかうまくいく。
ボーイ、店員、みんなに配る札束。
全てお金で解決。笑
大雨の中母へ贈るピンクキャディラック。
濡れるから部屋に入ろうよ〜。
夕陽を見るため?に海を目指してオランダへ。
そうか…ドイツって海から遠いんだな、と世界地図を見る。
ようやく浜辺へ。
燃える夕陽を期待していたが見えない。
しかも曇り空の海。
病気はさておき、ホテルで、車中で、仲睦まじい2人が微笑ましい。
「やりたいこと」を紙に書くシーン。
子供のような2人。
マフィア?の下っ端コンビも憎めない。
そう、この作品に出てくる人達はみんな憎めない。
天国への扉
一人暮らしで仕事もバリバリしていたあの頃。
仕事は自分なりに頑張っていて、エリアマネージャー的ポジションも任される様になり、やり甲斐もあった。
だけどその時の彼氏が結婚したがっていて、出産も考えると、今なのかなぁ〜とか思ってた。
少しして父が入院したり、後輩が病んだり。。疲れていた。生きていくのってしんどいなぁ大変だなぁって思ってた。
そんな時、深夜のTVでたまたま見た本作。
衝撃?感動?当てはまる言葉が見つからない感覚になった。
それからずっと心にある作品。
今回の「Filmarks 90's」の企画でリバイバル上映されると知り、初めて劇場で鑑賞出来ました。
余命わすかな2人のロードムービー。
末期病棟で同室となったマーチンとルディ。
性格も考え方も違う2人が、死ぬ前にまだ見たことのない海を見るため病室を抜け出し海を目指す。
その道中、車を盗んだり銀行強盗をしたり、銃までぶっ放す。
余命わずかだからといって犯罪を犯してはならぬ。。というご意見や、ツッコミ所もそりゃあるよ。それは承知。
だけど、この作品はそこじゃない。
同じ運命を背負った2人の男同士にしかわからない芽生えた友情でみせる、残りわずかな人生となった時、本当に大切なこと、人生で何が価値があるのかを問いかけてくる作品なんだ!
死のタイムリミット。その時はもう目の前だ。
そんな絶望的な状況でも「海を見たい」という、ささやかな希望を叶えるため、前向きに死に向かおうとする2人を見ていると、自然と涙が溢れるし、海を見せてあげたくなる。
脚本、演出、演技、配役、音楽、全てが完璧。
若き日のティル・シュヴァイガーがクールでイケメン過ぎて国宝。
常識人でマーチンに押されがちなルディだったが、行動を共にし、徐々に自分の心に正直に、大胆になっていく。
ルディを演じたヤン・ヨーゼフ・リーファースとの、この2人の対比も素晴らしく効いている!
2人の"ツラ"が良いのだ!!
完璧な2人。
本作と同名の楽曲。
ボブ・ディランの名曲は勿論知っているが、本作の事は知らなかったので、、
初見で見た時、ラストに流れた
「Knocin' On Heaven's Door」を聞いた時は泣いてしまった。
この曲はリリースされたのがベトナム戦争終結の時期だったと思う。
帰還兵達は戦争で傷つき、PTSDで苦しんでいた現実がある。
その背景に想いを馳せてしまい、この曲を聴くと、もれなく泣いてしまう。
そして本作を観ても、もれなく泣いてしまう。
2人が出会えて良かった。
自らの死のタイムリミットが近づいてきた時。。きっと私は本作を思い出す。
【”天国じゃ、みんな海の話をするんだぜ。”余命少ない病院で同室になった二人の男が見たことがない海を目指す破天荒なおバカアクションエロティックロードムービー。ラストシーンは切なくて、沁みます・・。】
■余命わずかと宣告され、たまたま同室に入院させられたマーチンとルディ。
ふたりは死ぬ前に見た事がない海を見ようと病棟を抜け出し、ギャングのベンツを盗んで人生最後の冒険に旅立つ。
ところがその車には大金が積まれていたが、二人はそれを知らず銀行強盗をしつつ、恵まれない人や泊まったホテルで少年のボーイにチップをはずむ。
だが、当然の如く二人はギャングと警察から追われるはめになるが、マーチンはルディを被害者に仕立て、ストックホルム症候群に見せかけ、逃走を続けるのである。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・ユーモアに溢れつつ、人情味があり、エロティックなシーンも盛り込みながらマーチンとルディの入院するまで、見知らぬ関係だった友情の表現が見事である。
ー 道中、頻繁に頭の腫瘍により発作を起こすマーチン。ルディも末期癌であるが、彼は時に薬局で劇薬を強奪しつつ、彼を助け未だ見ぬ海を目指すのである。フランス、オランダを越えて・・。-
・二人は、ギャングのベンツ230Lベイビー・ブルーを盗み、最後はエルヴィス・プレスリー好きのマーチンの母にエルヴィスと同じく、ピンク・キャデラックをプレゼントするのである。
ー 名車が次々に出てきます。-
・ギャングの大ボス、カーチスを演じた故、ルトガー・ハウアーの姿や、二人に対する懐の大きな粋な台詞も、実に格好良い。
<良くこの短い尺で、ここまで面白くって、エロティックで、沁みるロードムービーを作ったものだと、感じ入った作品である。
漸く着いた海岸で、二人は初めての海を揃って眺めるのである。
そして、発作を起こして横に倒れ、動かなくなったマーチン。
ボブ・ディランの名曲「ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア」のカバーが流れるラストも良き作品である。>
人生を終わらせる死の存在が人の背中を押すときもある。
◯作品全体
後先考えずに夢へ突き進む権利は、基本的に若さの特権だ。狭いコミュニティの中で自分の力を過信して飛び出していく「無敵感」の描写は若さがなければ説得力がないし、自分の力量を知っているくせに猛進していく様子は爽快感よりも痛々しさが勝る。
本作も若さという免罪符は持ち合わせていないが、痛々しさを感じない。きっとその理由は無計画に飛び出していったあとに起こりうる「なにもなかった」という結末が死によって奪われているからだと思う。
大の大人が突っ走ったあとに訪れる結末は、特別な才能や運がない限り、取り返しのつかない挫折と長い長い虚無の時間だ。大人であればそれが非常に恐ろしいものだと知っている。だから大半の人は大なり小なり夢を抱えつつも、今ある生活と天秤にかけて、今ある生活を選んで生きている。だが、本作のマーチンとルディのような、虚無の時間を味わっている余裕すらない人間には後先考えずに突っ走る特権を得ることができるのだ。
二人は時が違えど死が怖いと互いに口にするし、自分もそう思っていた。だが、本作を見ていると終わりを突き付けてくれることで、自分が本当にやりたいことに対して背中を押してくれる役割もあるのだと、感じることができた。
◯カメラワークとか
・前半のテンポの良いカット割りと物語を動かすアイデアが楽しい。十字架が落ちることで酒の入った扉が開かれて主人公二人の関係を近づけるアイデアとか。
・病院へ向かうマーチンが駅でたばこを吸うカットのQTUがめちゃくちゃかっこいい。
・ラストの海のシーンの舞台と明度が素晴らしかった。二人が目指していた海は特別な海じゃなくて、天国でみんなと共感できるような、ありふれた海辺であるっていう。明度も良かった。空は暗くて、画面上部は影のように黒い。序盤に二人が話していた神々しい海はそこにはなくて、ただ目の前には現実の象徴のように暗く、なんの変哲もない海がある。それでも二人そろって海にたどり着いたこと、そのものに価値があって、それを二人がかみしめている。海と二人のバックショットだけのラストカットは、着飾らずとも二人だけの特別を伝えられるっていう監督の英断だと感じた。
◯その他
・明るい雰囲気の本作だけど、たまにマーチンが発作で倒れることで死が隣にいることを思い出せるのが良いな、と感じた。個人的にはルディももっとボロボロでも良かったかもしれない。まったく異なる人生を歩んできた二人が、最期は同じような状況で、同じように海を見て、そのときの景色を共有してほしい気持ちがある。
・地下室でマフィアに銃を突きつけられるシーンも最高だった。「命だけは助けてやる」で思わず吹き出す二人とか、短い時間で見せる手をつなぐ二人とか、二人の境遇を把握していて多くを語らず死に場を与えてあげるマフィアのボスとか。見たい画をちゃんとみせてくれるのが嬉しい。
男の友情!
天国では海の話が流行しているということで、
海をみた事がない余命わずかの2人が海を目指すってお話。
ドイツ映画をあまり見たことがなかったから
あまり期待はしてなかったけど
本当に面白い!
病院から抜け出して
車盗んだり
強盗したりで、
警察からもマフィアからも追っかけられて!
それでもようやく海にたどり着いて…
ラストが大好き
酒を飲みながら
砂浜に行って
海を見て…
そして流れる
『ノッキンオンヘブンズドア』
ほかにも大好きなシーンはいっぱいある!
ルディがマーティンの為に銃を使う所とか
マーティンがお母さんにプレスリーがお母さんに贈ったのと同じキャデラック贈る所とか
本当に無駄なシーンがない!
それから映画の中では一切他の人が死なない。
銃撃戦とかでも誰も死なない。
そのぶん2人の死が強調されてるように感じた。
日本でもリメイクされたけど
全く別物みたいだし…
日本人の好きな
難病と恋愛でつくられてるからあんまり期待できないな。。
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