ナイトムーブス

劇場公開日:

解説

元フットボールの花形選手で、今はしがない私立探偵が連続殺人事件にまき込まれていくというサスペンス。製作はロバート・M・シャーマン、共同製作はジーン・ラスコ、監督は「小さな巨人」のアーサー・ペン、脚本はアラン・シャープ、撮影はブルース・サーティーズ、音楽はマイケル・スモール、編集はデッド・アレンが各々担当。出演はジーン・ハックマン、ジェニファー・ウォーレン、エドワード・ビンズ、ハリス・ユーリン、ケネス・マース、ジャネット・ワード、ジェームズ・ウッズ、メラニー・グリフィスなど。

1975年製作/アメリカ
原題:Night Moves
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:1976年1月31日

ストーリー

ハリー・モーズビー(ジーン・ハックマン)は、昔、プロ・フットボールの花形選手として鳴らしたが、今は社会の裏街道を歩くしがない私立探偵だった。仕事といえば逃亡者の追跡や失踪人の捜索などのケチな小口ばかりだったが、ある日、ちょっとした儲け仕事がころがり込んできた。元女優だったアーリン・アイバーソン(ジャネット・ワード)の17歳の娘デリー(メラニー・グリフィス)の行方を捜し出してくれれば金はいくらでも払うというのだ。ハリーは早速、デリーの周辺を洗ってみると、男出入りも多く、さらに麻薬にまで手を出していることが判明した。失踪の原因は男だとふんだハリーは、彼女と関係のあったスタントマンのクエンティン(ジェームズ・ウッズ)をまず訪れたが彼にいわせれば、デリーをそそのかしたのはスタントマンのエルマンで、多分今頃は彼女の義理の父トム・アイバーソンが住むフロリダ沖の島にいるのではないかという。そしてその島の場所を教えてくれたのは、スタントマンのテディ・ジーグーラー(エドワード・ビンズ)であった。一方、ハリーの私生活は危機に直面していた。妻エレンは、マーティ・ヘラー(ハリス・ユーリン)という男との情事に熱中している。そんな悩みをふきとばすためにも今度の仕事は役に立つかも知れない。推測通り、デリーは義父やその若い愛人ポーラ(ジェニファー・ウォーレン)とフロリダの小さな島にいた。ハリーは自分の職業や目的を伝えずにボートでデリーとポーラを沖に連れだした。そのとき、デリーが海底に沈んでる小型飛行機の残骸を発見した。パイロットの死体は既に腐乱しており、身元をただす証拠もない。デリーは異常なほどにおびえ、正体を明かしたハリーと一緒に帰ることを承諾し、アイバーソンは沿岸警備隊への連絡をひきうけた。カルフォルニアへ帰ってしばらくして、デリーを乗せたジーグラーの運転する車が事故を起こし、デリーは死にジーグラーは片腕を失ったことを知らされたハリーは、これが仕組まれた罠であることに気づき、捜査に乗りだした。ハリーの推理はこうだ。海底の飛行機のパイロットはエルマンだったに違いない。そこで彼女はクエンティンがこの犯罪に手を下していると考え、それを詰問するためにカルフォルニアに帰る気になったのだ。しかし、ハリーはそのあと、墜落事故が沿岸警備隊に報告されていないことを知った。アイバーソンなぜあの事故を隠したがるのか。ハリーは再びフロリダに飛んだ。そこでは、アイバーソンとポーラが逃亡の準備に大わらわだった。2人の間で格闘が始まり、アイバーソンは船のロープを巻く鉄の突堤に頭を打ちつけて死んでしまう。愛人の死にもはやそれまでだと思ったか、ポーラはアイバーソンがエルマンと組んでずっと密輸をやっていたこと、その2人の相棒はロサンゼルスに住んでいたらしいこと、エルマンが事故死したとき飛行機には50万ドルの彫像が積まれていたこと、などをしゃべった。潜水服に身をかためたポーラが彫像を捜すために海中に潜ると、水上飛行機の軽機関銃がハリーめがけて火を吹いた。ハリーは重傷を負い、さらに彫像を発見して上がってきたポーラめがけて急降下し、フロートで彼女を叩き殺してしまった。だが、急上昇をあせった機はフロートを彫像にひっかけて、バランスを失い、すさまじい水しぶきと共に海中に突っ込んだ。渦をまきながら沈んでいく機の操縦席で必死にあがく男--何とそれはジーグラーだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5G・ハックマン好きに良し

2022年4月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 これと決めたら頑としてやる男、強力な信念をもった男、といった役柄がぴたりはまるG・ハックマンです。私の大好きな俳優です。いっとき、”ウィンターローズ”とか”スーパーマン”とか、あまりG・ハックマンらしくない映画に出るのが多い時がありましたが、90年代からはいい役が回って来るようになりました。
 ナイトムーブズのG・ハックマンは、探偵稼業の中年男で、家出娘を探し出すという一見ドラマとしては地味な役をやっています。中年男だけならまだしも、ちょっとじめっとした男をやっていて、あまりやっていない役どころではないでしょうか。探偵ものですから、だんだんと謎が解けてくるのなら良いですが、案外、そうでなく、ラストあたりで急に大きな展開になります。急すぎて、登場人物がどういう人間関係だったのかが胸に入ってきづらいです。
 いろいろ課題はありますが、それでも、そう悪くはないのは、全編になんともいえないダルなムードが漂っている感覚が面白いのと、やはり、G・ハックマンが好きだからなのでしょう。

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yostakkaz
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