チャタレイ夫人の恋人(1982)

劇場公開日:

解説

大胆な愛と性の描写でセンセーションを捲き起こしたイギリスの作家D・H・ローレンスの原作の映画化で富裕だが性的に満たされない貴族の若妻が森番と愛し合い初めて性に目ざめてゆく姿を描く文芸作品。製作総指揮はメナヘム・ゴーランとヨーラム・グローブス、製作はクリストファー・ピアースとアンドレ・ジャウィ、監督は「ガールズ」のジュスト・ジャカン。ロレンスの原作を基にしたクリストファー・ウィッキングとジュスト・ジャカンの脚本をマルク・ベームが脚色。撮影はロベール・フレス、音楽はスタンリー・マイヤーズとリチャード・ハーヴェイ、美術はアントン・ファースト、衣裳はシャーリー・ラッセルが各々担当。出演はシルヴィア・クリステル、シェーン・ブライアント、ニコラス・クレイ、アン・ミッチェル、エリザベス・スプリッグスなど。

1982年製作/イギリス・フランス合作
原題:Lady Chatterley's Lover
配給:東宝東和
劇場公開日:1982年5月8日

ストーリー

1918年、イギリス中部ノッティンガムシャー。若くハンサムな男爵クリフォード・チャタレイ(シェーン・ブライアント)は、清純な娘コニー(シルヴィア・クリステル)と結婚し、幸福の絶頂にいた。しかしコニーの歓迎パーティで人々がダンスを楽しんでいる時、第一次大戦勃発を知らせるニュースが入り、クリフォードはハネムーンもそこそこ、戦地へと旅立っていった。ドイツ戦線で負傷したクリフォードは、下半身マヒの体となり、コニーは半処女のまま日々を送ることになる。毎日車イスの夫につかえているコニーは、若い肉体をもてあましていた。そんなある日、クリフォードのおばレディ・エバ(エリザベス・スプリッグス)は、コニーに忠告した。クリフォードは男性としては半人前以下だ。やりたいことがあったらやるべきだ、と……。動揺するコニー。彼女の不安を刺激するように、ある日クリフォードが、コニーに愛人をつくることを勧めた。やがて、クリフォードの世話人として未亡人のボルトン夫人(アン・ミッチェル)という看護婦がやってきて生活が一変する。仕事のなくなったコニーは、チャタレイ家の収入の一部であるキジの養殖の番をするオリバー(ニコラス・クレイ)の存在を意識するようになる。作業小屋の前で体を洗っていた全裸の彼を見てしまったのだ。野生的な彼に魅力を感じたコニーは、その姿を忘れることができなかった。クリフォードがボルトン夫人の積極的な治療を受けている間に、コニーは何度か森小屋に足を運び遂に肉体的に結ばれた。そして、その歓喜に酔いしれた。初めてオリバーの家で一夜を明かしたコニーは、家に戻るが、全てを察したクリフォードの怒りの迎えを受けた。彼女はフランスの姉の所に行かされ、そこで妊娠していることを知る。再びラグビー・ホールに帰った彼女は、オリバーがくびになり炭抗で働いていることを知る。今では身分を越えてオリバーを愛するコニーは、炭抗に行き、彼に子供が生まれることを告げるのだった。

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映画レビュー

4.0愛のその先の姿を真面目に描いている作品 大人の女性にこそ観て欲しい

2019年1月17日
Androidアプリから投稿

シルヴィア・クリステル29歳
エマニエル夫人の主演と監督が再度タッグを組んで製作だけあって、テーマを見事に映像化したと思います

女性の性を真正面から扱うのは同じながら、原作が戦前の古いものであるので、エマニエル夫人と比べるとかなりソフト

原作は1928年英国で出版されるも戦前戦後を通じて発禁
ようやく1960年に出版が許されたもの
日本でも最高裁まで出版を争う事件となるも結局発禁となり、1973年になって初めて無修正で出版されたという曰く付きのもの
果たしてその内容はといえば、今日からみれば何のことのないもの
こんな程度のお話は2時間ドラマやかっての昼メロで幾らでもありそうなものでしかありません

本作ではカメラがソフトフォーカス気味で美しく撮影しています
昔一世を風靡した写真家デビット・ハミルトンのグラビア風のタッチと言えばどれだけ伝わるのか分かりませんが…

シルヴィア・クリステルの美しいピンクの裸体はもちろんですが、男性の裸体が男の目から見ても美しく撮られています

主人公のチャタレイ夫人の夢にでる走り去る白馬の逞しい尻の筋肉と、素っ裸で水浴びをする愛人となる森番の引き締まった尻や背中の筋肉との対比で性への衝動が繋がっていくシーンや、
夫人を組敷き、彼女の足を広げた所にある男の逞しい尻の筋肉のシーン
これらの密やかな肉体関係のシーンも決して扇情的なものではありません
初めての夜通しの密会での性交のあとの夫人の裸体をカスミ草とリンドウの花で、髪、胸、腹、下腹部と飾っていくシーンは特に甘やかで芸術的ですらあります

人は肉体を持つ生き物であり、男と女がいる以上
そこには性があり、愛と性は不可分なはずです
本作は愛のその先の姿を真面目に描いていると思います
大人の女性にこそ観て頂きたいと思います

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