ダンボ(1941)

劇場公開日:

解説

「不思議の国のアリス(1951)」と同じくウォルト・ディズニーが製作し、ベン・シャープスティーンが総監督に当ったテクニカラーの長篇漫画で、1941年作品。ジョー・グラントとディック・ヒュウマーがストーリイを書き下ろした。音楽はオリヴァー・ウォーレスとフランク・チャーチル、作詞はネッド・ワシントン。なお、これは日本語ダビング版で、そのスタッフはディズニイ・プロの技術部長ジャック・カッティングが総指揮に当り、田村幸彦が製作を担当した。声の出演者は坊屋三郎、古川緑波、三木鶏郎、七尾伶子、竹脇昌作らである。

1941年製作/64分/アメリカ
原題:Dumbo
配給:大映洋画部
劇場公開日:1954年3月12日

ストーリー

サーカス団の象ジャンボ夫人が授かった赤ちゃん象は、耳が舟のように大きかったが、ジャンボ夫人にとっては大切な坊や。ダンボと名付けて可愛がった。だが、仲間の象たちや見物の悪童連はみんなダンボの大きな耳を馬鹿にしたので、堪りかねたジャンボ夫人はカッとなって思わず大暴れをしてしまい、鉄の牢屋に気狂い象として押しこめられた。ひとりぼっちになったダンボに、すっかり同情したのは鼠のティモシーである。ティモシーはダンボの大きな耳を見て、ふと思いついた。この耳を羽根がわりにして飛べないものか? カラスたちの応援でダンボはみごと空を飛ぶことが出来た。そして、満員の見物や団長の驚きを尻目に、ダンボは悠々とサーカス小屋の中を飛んで見せ、忽ち人気者になった。早速ハリウッドがダンボと契約し、ダンボは牢から出してもらったお母さんと一緒に美しい専用車でハリウッドに向かった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第14回 アカデミー賞(1942年)

受賞

作曲賞(ミュージカル) フランク・チャーチル オリバー・ウォーレス

ノミネート

主題歌賞
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映画レビュー

4.0耳がダンボ、の本家

2024年3月30日
PCから投稿

いかにもディズニーらしいファンタジーですが、楽しさより切なさが高い作品ですね。
ネズミのマネージャーが救いです。
もともと短編のつもりだったのが配給会社の意向で無理やり長編に作らされたので63分という長いような短いような長さになったそうです。

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越後屋

3.0みにくいアヒルの子

2024年1月1日
PCから投稿
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プライア

5.0人生初の映画にお勧め

2023年5月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

楽しい

幸せ

ウォルト・ディズニー・プロダクションが贈る4本目の長編アニメ映画。
(64分なので中編と呼んだ方が良いだろう)

ディズニー社は創立当初から「キャラクターアニメーション」という理想を掲げている。この場合の「キャラクター」は「個性。性格などを含めた本質」の方の意味だ。
登場人物の性格付けやバックヤードを丁寧に設定し、心情や行動の根拠を反映させる。
キャラクターアニメーションを重視する以上は、そのキャラクターを深掘りするストーリーも充分に練り上げられる。
今の時代、良作アニメならば当たり前の事ではあるが、1930年代というアニメ創世記、まだほとんどアニメーション作品が5〜15分の短編だった頃にその理想を掲げて貫く事は大変な価値があったと思う。
その理想は「白雪姫」の大成功に繋がり、続く「ピノキオ」「ファンタジア」「ダンボ」にも引き継がれる。

さて「ダンボ」だ。
子供向け作品として本当に秀逸だと思う。
編集による無駄なシーンの削ぎ落としも潔く、大変テンポの良い展開に仕上がっている。

まずは冒頭がめちゃくちゃかっこいい。
レシプロエンジンを響かせて登場する編隊のシルエットが浮かび、勇ましく渋い声のナレーションが流れる。
「吹雪、暴風にも負けず
山を越え、稲妻をくぐり抜け
真実のみを実行する彼を止めるものはない」(かなり端折ってます。英語&字幕で観てね。日本語吹き替えは作中音楽のいずれも、良さがまるで伝わらないから)

と思ったら次の瞬間には、厳かで勇ましい雰囲気から一転して和やかで明るい曲調に変わり、彼らの正体判明。
実はコウノトリの配達員さん達であった(笑)
曲はそのままスムーズにLook Out For Mister Storkへ移行。

描かれる母子の深い情愛。無償の愛。
耳が極端に大きいからというだけでFreak扱いされ、象仲間から迫害される幼いダンボ。
ダンボの境遇に義憤に燃えて、次々と状況打破のアイデアを考えては実行してくれるティモシー。
情に脆くダンディで気のいいカラス達。
外見の異質さをポジティブに捉えて、個性を輝かせるダンボ。
その為に必要なのは「勇気」だと、本作は子供達に教えてくれる。
胸打たれるシーン、心が熱くなるシーン、スカッと爽快なシーン。
それらが実によく構成されている。

30分程度の幼児向け物語を集中して見られるようになった子供の、次のステップアップとして最適の作品だと思う。
知能面にも情緒面にも大変良い影響を与えるだろう。
pink elephantの映像はダダイズムやシュールレアリスムを盛り込んでいる。大人はわざわざ理性を抑え込まねばダダイズム作品を鑑賞出来ないが、幼児は苦もなく「理性を通さずに」作品を受け止めるであろう。

さて、本当はここでレビューを終えたいが、下記に言及せねばならない現状を哀しく思う。
こんなに素晴らしい名作が、昨今のコンプライアンス云々によって激しい自主規制対象になっている事を懸念する。

ダンボではカラス達が黒人のステレオタイプな描き方として不謹慎狩りの対象に。
また、Song of the Roustabouts(テントを張っているシーンの曲)辺りの労働者の描かれ方も差別的だと批判されるでしょうね。
(このシーン、めちゃくちゃ大好きなんだけどなぁ。辛い時に自分を鼓舞するには「ベーコンエッグを食べれば元気」が我が家の合言葉(笑))

ステレオタイプな描き方は「当時は自然なこと」だった。
フリークス扱いされたダンボを容姿外見関係なく丸ごと愛し、彼の個性を見出してありのまま長所に転ずる、という差別意識払拭のテーマを込めた本作に人種差別の意図があったはずがない。
「不適切だ!」との怒りで優れた作品を闇に葬り去るのではなくて
「人類の過去に、どのような差別意識がまかり通っていたのか」という「生きた史料」という眼で受け止める事は出来ないものだろうか。
子供達も馬鹿じゃない。
隣で大人が一緒に視聴しながら、さまざな学びを語り聞かせてあげれば「過去の姿」と「望ましい未来」についてきちんと考えることが出来る。

「臭いものに蓋」や「悲しい歴史をなかったことにする」のではなく、
傷や痛みの記憶を風化させずに次世代に伝えていく事こそが、同じ過ちを繰り返さないための人類の叡智だと考える。
「ダンボ」という素晴らしい作品を、いつまでもオリジナル映像のまま鑑賞する事が出来るように願ってやまない。

コメントする 1件)
共感した! 4件)
pipi

2.5ディズニーだからって気に入るとは限らない

2022年10月23日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

もう生まれたときにはすでに評価が決まっていた、古典の名作アニメーション。歴史的に見てもこの当時誰もマネの出来ないようなクオリティで、オリジナリティ溢れるキャラクターをファンタジックに描いてあります。

でも、ちゃんと見たのはごく最近で、きっと素晴らしいに違いないという先入観のせいでしょうか?見終わった後に不思議な手ごたえの無さが残りました。
どうやら、今の基準で見るには厳しいのかもしれません。

2018.1.3

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うそつきカモメ