劇場公開日 1948年6月

ゾラの生涯のレビュー・感想・評価

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4.5イスラエル建国のシオニズムへの匂わしは無かったが…

2024年2月11日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

イスラエルによるガザ地区侵攻の最中、
アカデミー作品賞を受賞したこの作品が、
ユダヤ人がパレスチナの地を目指すように
なる切っ掛けの一つとなった
“ドレフュス事件”を扱っていると知り
急遽初鑑賞した。

偽善的書物としてストーブに燃やして
暖を取ってむせぶシーン、
警察から当局批判記事の内容を警告され
それに反発して首になった出版社から
賃金を受け取る場面、
そして傘のエピソード等、
“高尚な”ユーモラスなウィットにニンマリ
させられた後には、
一転、優れたヒューマニズム的展開と、
さすがアカデミー作品賞受賞作との
納得の出来映えに満喫し、
未鑑賞の名作がまだまだあることを
痛感させられた。

友人セザンヌの言葉、
「芸術家は貧しくあるべきだ、
腹の膨らみと共に、才能にぜい肉がつく、
君はもうあの頃には戻れない、
でも忘れない」と語るゾラとの別れのシーンは
とても良い出来映えに感じた。
早々に作品から退場はするが、
セザンヌ役の彼こそが
本来はアカデミー助演男優賞に相応しかった
のではと思えた。
ゾラはセザンヌのこの言葉を心に秘めていた
ことから、逆風に耐えながらも
ドレフュス事件に対峙出来たのだろう。

映画の冒頭での断り書きもあったが、
ドレフュス事件の概要や
ゾラの生涯を垣間見ると、この映画での
フィクションもかなりありそうだ。
ゾラの最後の執筆、
「世界を征服するのは武力ではない、
自由に満ちた思想だ」は、
これも事実なのか、この映画での創作なのか
は判らないが、
世界中で紛争の増してきた昨今、
我々が目指すべき世界を
語っているようで重い言葉だ。

しかし、当初注目していた
ドレフュス大尉が
ユダヤ人との説明や台詞は全く無く、
この事件がイスラエル建国のシオニズム
への匂わしも無かった。
この作品の主題はあくまでも“ゾラの生涯”
なので、この事件の重要な要素ではあった
ものの割愛されたのだろうか。

この後に鑑賞予定のポランスキー監督の
「オフィサー・アンド・スパイ」では、
この点についてはどう描かれているのか
楽しみになった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0法廷劇

2024年2月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

すきま風エピソードがなかなかにくい。寒さに悩まされなくなれたと思ったら。

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ouosou

3.5「私は 弾劾する!」

2019年5月6日
Androidアプリから投稿

古い映画だったが、それが かえってゾラの時代の
フランスを 彷彿とさせる

私は「ドレフュス事件」のことが 知りたかったので 概要がつかめて、良かった
映画の主題も 彼の個人的成功より、この裁判で
彼の果たした役割にあるように、思う
(フランスの共和制を磐石にした)

冤罪だったドレフュス(ユダヤ人)には 苦しみ以外の 何ものでもないが、この事件が シオニズムに繋がり、イスラエル建国まで いくのだから
歴史的大事件である

ゾラの 新聞での 大統領宛の公開書簡と
裁判での 反論を読んでみたくなった

マーロン・ブランドが 尊敬する ポール・ムニ、
演技に対する執念みたいなものを 感じる
(今の時代から見ると やや重ではあるが)

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jarinkochie

3.0作家の生き様

2014年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

偉大な作家の生涯、そのまんま。
名言があちこちに散らばっている。
ゾラについてあれこれ言ってもしょがないので、映画のことで言うと、生涯、より貧乏作家から売れるまでに焦点を絞ってくれるともっと最高だった。ナナのくだりを濃く見たかった。

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okaoka0820