007 私を愛したスパイのレビュー・感想・評価
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ロジャー・ムーア時代の最高峰。
ボンド役者の中ではロジャー・ムーアが一番のお気に入り。歴代で最もおちゃらけ要素の強いムーアだが、あの軽妙さ、どれだけふざけてもゆるされる愛嬌、そしてだからこそ生まれる哀しさなど、本当に得難いボンドだった。しかしだからといって作品が傑作ぞろいというわけではなく、むしろムーア時代はおふざけが過ぎていて駄作も多い。しかし、ムーアならではのボンドらしさと、作品のクオリティが珍しく両立したのが『私を愛したスパイ』ではないか。
エキゾチックなロケーション、荒唐無稽な秘密基地、ボンドを仇と狙いながらも惹かれてしまう女スパイ。いかにも007シリーズらしい定番ネタの数々が特に目新しいわけでもなく並んでいるのに、ここまで引き締まって見えるのかと驚かされるのは、製作費が倍増したおかげかも知れないが、とにかくシリーズ平均に比べてワンランクもツーランクも上の作品に仕上がっている。ムーア時代は半笑いで語られがちだけれど、まずは本作を試していただいた上でその是非を判断していただきたいところです。
古めの作品では一番面白い
オーストリアで敵の襲撃を退けたボンドは、イギリスとソ連の原潜が行方不明になった事件の調査でエジプトへ。そこでKGBのトリプルXことアニヤ大佐と遭遇。事件は海運王ストロンバーグによるもので、二国は協力することになり、二人はイタリアへ。
殺し屋ジョーズの初登場やロータスエスプリ、英ソのデカント、とシリーズ中でも話題の多い作品。古めの作品では一番面白い。ロジャームーアのボンドのセリフも楽しい。マティーニを「ステアではなくシェイクで」と言うのがボンドの定番セリフと知りました。エンドロールを見ると次作が「ユアアイズオンリー」となってる?実際は「ムーンレイカー」。そこで再びジョーズ登場で、シリーズで最も好かれる殺し屋に。
只々、あの”Nobody〜♪ Does It Better 〜♪”のオープニングをスクリーンで観たくて、性懲りもなく最新の4K鑑賞。
子供の頃、TVの新作映画の紹介で、真っ白なロータス・エスプリが海中から浜辺に出てくるシーンを見て、すっかり虜になり、親に映画代をネダったものの「007は子供には刺激が強い(つまりはエロい)からダメ」と言われて…
それから、あっという間に、もうはや46年…
その後、結局、ロジャー・ムーアのボンド役が全く気に入らず、いつか暇つぶしのタイミングでもあれば観るか、と思っていた本作。
今回は、4Kリストア云々より、劇場まで行って観たくなったのは、やはり、なんだかんだで、あのカーリー・サイモンによる主題歌の記憶の力が大きい。
当時の77年頃を色々と(スーパーカー・ブームとか)思い出してしまう。
その懐かしの”Nobody〜♪ Does It Better 〜♪”が流れるオープニングまでは、やはり流石の007。最初のツカミだけは外さない。
全身黄色のスキーウェアのボンドはダサイが、あの崖からの空中ダイビング!本当に命懸け。
あとチョットでスキー板がパラシュートに突き刺さりそうだった。撮影の瞬間、カメラマンや監督は、さぞかし肝を冷やしただろう。
でも、結局ソコがクライマックス。
その後の本編は、というと…
まあ、やっぱり、あんなモンだよなあ。
ロジャー・ムーアじゃあなあ。
今回も荒唐無稽が百も承知とはいえ…
まずアクション映画だというのに、格闘シーンでの動きが呆れるほどモッサリ。切れ味ゼロ。
ホントもう、コントだよ、あれ。
United Artists だってクビにしたくもなるよ。
レーゼンビー(マーシャル・アーツの達人)の『女王陛下〜』を観たばかりだったので、そのダメさ加減が、より際立った。その差は歴然。
あと、あのクルト・ユルゲンスを敵役で出すんだったら『眼下の敵』のオマージュをシャレでやるアイデアも出てたような気もするが、本人は嫌がったかな?
勿論、潜水艦の登場が暗に示してはいるが…
それ以上のことは、あの誇大妄想キャラでは、結局リンクさせるにはムリがあるか…
あるいは、終戦間際にナチスを裏切った元艦長という、いかにも、解るヤツには解る的なノリでも面白かったかもしれない。
諸々のツッコミどころ満載プロットも相変わらず。
もう、ああでもなっちゃうと、いっそのこと、荒唐無稽である事を極限まで爆走させて、本当に有り得ないほどバカなコメディにした方が、よっぽど楽しめたはずだ。
そんなのフレミングが許すはずもないが。
でも、結局はコレで興行収入が歴代1位になってしまった。
これによって、やはり客の大半は知的快楽とは無縁の「お色気と大雑把でバカなアクションシーン」さえあれば喜んでもらえる程度の低い連中だという、人をナメた悪しき成功事例が、これまでの作品以上に、よりリアルな数字をもって出来上がってしまったようだ。
それが次作の『ムーンレイカー』へと繋がっていく。
音楽も主題歌は良かったけど、ハムリッシュにしては劇伴の方はイマイチ。
曲もアレンジもパッとしなかった。
ていうか、そもそも007特有のブリティッシュ感だったりロイヤル感が無いんだよなあ。
まあ基本、ニューヨークの人だからねえ。
結局のところ今回も本編の方は、2時間近い長〜いオマケなのであった。
その最大のオマケであったのはボンド・ガールのバーバラ・バック!
モデル演技だったし、KGBのスパイのイメージ(非情&冷血)からも程遠かったが、スラブ系とラテン系がミックスしたように見えるルックス(実際はユダヤ系×アイルランド系らしい)は歴代でもトップレベル(個人の意見です)
なので、もうちょっとエロさ匂い立つシーンは欲しかったなあ。
せっかくコードネームは「XXX(トリプルX)」
だったわけだし、もう少しオトナの洒落っ気は際どいエロが多めでも良かったんじゃない?
チラリとだけ見えた裸体(たぶん本人じゃないよなあ)も、ベタでコメディなシャワーシーンだけじゃねえ…
それにしても、この数年後のリンゴ、チョット羨ましい。
あと、デタントなんて言葉、久々に聞いたなあ。
まさに隔世の感あり。
もう当分は、この言葉の出番も無いんだろう。
まさか、こんな21世紀になっちまうとは思ってもなかったよ。
エンタメ指数No.1な007‼️
3代目ロジャー・ムーアのユーモアあふれるボンド像がエジプトロケなどのエキゾチックな世界観、ジョーズという名悪役、ロータスエスプリを始めとするガジェットの数々を得て、見事に花開いた作品‼️ムーア版ボンドの最高傑作だと思います‼️スキーでの断崖絶壁からの大ジャンプ、開くパラシュート、しかも英国旗柄、同時に流れるジェームズ・ボンドのテーマ、ユーモラスで、ダイナミックで、興奮して、愛国精神あふれる、このオープニング‼️ボンドがイギリスの諜報部員でよかった‼️日の丸じゃダサイですもんね‼️そしてスキーチェイス、オリエント急行での死闘、水中での戦闘と、過去作へのオマージュあふれるシーンが、そのまま見事な見せ場となっており、シリーズのファンにはホントにたまらない作品だと思います‼️中でも秘密兵器満載のボンドカー、ロータスエスプリの潜水艇に変形する名場面は拍手喝采モノ‼️BTTFのデロリアンと並んで子供時代の私の憧れの車でした‼️そして鋼鉄製の歯でなんでもかんでも噛みちぎる名悪役ジョーズ‼️どんな目に遭っても服の埃を払うだけでケロリとしているジョーズの不死身ぶりはシュワちゃんと並ぶ衝撃‼️また今回の敵役ストロンバーグの巨大タンカーや、水上に浮上したり、潜ったりするストロンバーグの秘密基地の近未来的デザインもホントにカッコいい‼️
今でも私たちが愛しているスパイ
3代目ジェームズ・ボンド、ロジャー・ムーアのベスト作品で、いま観てもアクションとユーモアのバランスが取れた映画で楽しめました。でも、この作品以降はコメディ路線へと迷走してしまうんだよな。モーリス・ビンダーの美しいメインタイトルやケン・アダムのメタリックな美術と007シリーズの世界観を支えているスタッフの腕前は健在だし、オープニングの断崖からのスキージャンプ、そしてユニオンジャックのパラシュートと、アクションからユーモアへとつなぐ演出も見事です。また、機能満載のボンドカーも楽しく、カーチェイスから水中戦、対空ミサイルでヘリを撃墜と痛快です。役者では、ロジャー・ムーアが彼なりのボンド像を確立した感じで、なかなかです。悪役のリチャード・キールは、シリーズ屈指の悪役ぶりだし、肝心のボンドガールはバーバラ・バックよりも悪役のキャロライン・マンローの方がインパクトがありましたね。
「英国の任務、遂行中です」
調べてみたら自分が9才の頃に公開された作品なのだが、多分その公開時期に父親に連れて行って貰った初めてで、最後の観賞だったと記憶している 母親には東映まんがまつりとかはあったけど
そんな唯一の想い出を忘れられないのは決して父親が連れて行ってくれたことが嬉しいのではなく、とにかくロータス・エスプリの潜水艇へのフォルムチェンジに食らいついたことが脳裏に離れられないのであった その後スーパーカーブームがあの頃の日本中の少年達を虜にして狂わせていくのであるが、今作とは関係無いのでここまでに・・・
007シリーズ4Kレストア上映とのことで、脳裏に埋めていたその想い出をどこまでサルベージ出来るか、それとも老化に依るアンカー未回収で途方に暮れるか、実験的意味合いも込めて46年振に観賞
実は007シリーズの映画鑑賞は今作以外は一切無く、確かにオープニングのガンバレル(銃口の穴からの登場)等、テレビで観たことあるかもといった混濁が交じっていて、呼び覚ますという感覚には至らなかった それにしてもこの時代からR指定ってあったのか、それとも始めから作品の規定線を設けていたのか分らないが、直接的濡れ場やヌードシーン、バストトップの露出等は描かれない 勿論濡れ場はあるのだが、口づけなども今観るとそこまで濃厚には感じられなかったのは、変な映像の見過ぎのせいか? それでも、ラストの救助ポッドのまるで回転ベッドのような内装は、記憶の引き上げに成功した事を感じさせてくれるエロティックなシーンであった(苦笑 吊り橋効果なのか、それとも同じスパイ同士通じる勘なのか、恋人(アバンタイトルでの、実は"トリプルX"は女性だったという勘違いオチのひとくさりも、演出の小気味よさ)の敵であっても、救助に来てくれたことでの愛情にコロンと転換していく或る意味カラリとしたユーモアさに、娯楽の王道をまざまざと感じさせる作劇である
エジプト、イタリアといった観光映画的要素も入っていて、今でもこのパターンが綿々と引き継がれるプロットは、教科書といっても良いのかも知れない完成形なのだろう
さて、ロータス・エスプリの登場は中盤のイタリアなのだが、記憶だと砂浜から浸海していったとばかり記憶していたが、逆で這い上がる時だったのだと改めて確認 多分現場ではあのシーンの撮影は相当大変だった筈と、苦労が容易に想像出来る演出である 車高が極端に低く(まるで白いゴ○○リ)殆ど寝る姿勢のコックピットは、運転していれば上を見上げるような姿勢なのだが、車内セットはもっと広く作ってあり、いわゆるボンドカーの真骨頂のスパイギミックに凝った造りで、現在でも決して古さを感じないのは、余計な計器類が所狭しとダッシュボードを占領せていなく、エレガントなヨーロピアン仕上げに設えている点に改めてそのデザイン性の高さを感じさせる
タイヤが格納されてラダーがにゅっと突出する、又は急にカット変更の画面で突然設置してある後ろのスクリューとか、大きくなった子供(自分)でもワクワクするギミックの演出であり、映画の外連味とウィットを存分に楽しませてくれる作品であった
原爆の演出方法やジェンダー的には、今日ではコンプラ案件であろうが、まぁ、昭和はこんなもんであり全く以て酷い時代だったと自省の念も込めて・・・<(_ _)>
007スランプ全盛のころ
この年にスターウォーズが公開されて、その後Drジョーンズやバックトゥザフューチャー、ダイハードなどハリウッド製超娯楽作が目白押しとなって、それまで唯一無比の豪華絢爛たる娯楽作の帝王だった007の地位が相対的に低下していったころの作品です。
もはや007の時代は終わったという感覚で、その後は全く遠ざかっていました。
今観るといかにも古くて陳腐です。ハリウッド系との決定的な違いはスリラーをまるで感じないところです。BウィリスやTクルーズみたような限界ギリギリの緊迫感がないんですね。まあ時代性といえばそういうことなんでしょうけど。
恐らく公開当時に観ればもっと評価高かったんでしょうけど、かつてのジェームスボンドマニアとしては忸怩たる思いです。
規模が壮大な悪党
英国とソ連の原潜が消息を絶った。目的を同じとする両国の諜報員は手を組み捜査に当たるが…。
シリーズ10作目。この辺りから敵の計画の規模が壮大になり、世界の崩壊を気安く企んでくる。ティーカップを配膳すると見せかけて殺害するQの発明が好きでした。
米ソ・デタントの象徴的作品
フレミングの007執筆時期は、ちょうどベルリン危機、キューバ危機を経て、米ソがあわや核戦争に突入する寸前までいった東西緊張の際たる時期に合致する。
そして62年からスタートした一連の映画シリーズは、「神出鬼没の忍者外交」とも呼ばれたニクソンの訪ソ・訪中、フォードのベトナム戦争処理、彼らを支えたキッシンジャーの外交理論(米ソ2極化は終わり、米・ソ・欧州・日本・中国の5大勢力がバランスを取って世界の安定を図る構想)などを如実に反映している。
中でも、007とKGBの腕利き美女スパイがタッグを組んで任務に当たるという本作は、米ソデタント(緊張緩和)を象徴する作品と言えよう。
本作公開に近い時期だったと思うが、人権外交を旗印とするカーターとブレジネフがハグを交わしたシーンを子供心に記憶している。
まぁ、せっかくの雪解けも、79年のソ連アフガニスタン侵攻によって終焉を迎え、世界は新たな緊張の局面に放り出されていくわけだが・・・。
さて、硬い話はこの程度にして、せっかくの緊張緩和時期、英ソに咲いたラブロマンス映画を楽しんでいこう。
第一印象は
「やれば出来るじゃないか!悪戯っ子3人組!(当然、ガイ、カビー、ロジャーだよ)」だった。
しかし、改めて思えば、ガイ・ハミルトンじゃないんだよね、これ(苦笑)
やっぱり今までのA級戦犯はガイだったのか?
「二度死ぬ」のルイス・ギルバートかぁ。でも、安易に信じちゃいけないな。「二度〜」は日本って事で大甘補正評価しちゃったし、次作はスターウォーズもどきの大バカ映画だった気がするし・・・。
まぁ、なんにせよ、第1作からの短期間鑑賞マラソンを実践してみて、初めて一切の文句なしに「面白い!」と言える作品だった。(これまでの評価には、年代を加味した上方補正は入っていたので)
ここまでのB.G.の中では最もガードの硬かった彼女。だから、その鉄のカーテンを開く要素がきちんと用意されている。
まず、冒頭。ひとときの短い逢瀬を惜しむ恋人達だが、同時にボンドの側にはまったく非がない事もわかる。007殺害こそが彼の任務であり、ボンドにしてみれば完全に正当防衛だ。
列車のシーン。誘惑を拒む彼女だが、ジョーズの襲撃が状況を変える。
ただでさえ、共通の恐怖体験をした男女は恋に陥りやすい。命の危険を感じる事により、大至急、子孫を残そう!とするDNAの働きなんだろう。
「ジェームスがいなければ確実に殺されていた」「彼はすでにこの世にいない」「彼と同じ世界に生きる男」
これだけ条件が揃えば、命のお礼に身を差し出す気持ちになった彼女を責められないだろう。
一夜明ければすっかりジェームスとステディな気持ちでいるアニヤ。ジェームスに秋波を送るナオミや他の女性に対して露骨に不快な表情を見せる。これまでのBGは自由恋愛と割り切っている姿勢がデフォルトだったから彼女の反応は新鮮だ。
しかし中盤、彼を殺したのはジェームスだと判明。
非情の掟に生きるスパイ。任務に私情を持ち込む事は許されない。複雑な心情に苛まれながら「任務が終わったらあなたを殺す」と告げる彼女。
ラストシーン直前。もし彼女が自分を殺したとしても、きっとジェームスは笑って許しただろう。
しかし、彼がしてくれた事を考えれば怒りも解けるというものだ。
軍人、ましてや秘密諜報員であるならば、アトランティスと共に海の藻屑と消えるのが当然。
それをジェームスは命令違反を犯してまで命懸けで助けに来てくれたのだ!
悪くすれば共に砲撃を受けて爆死か土左衛門。運良く助かったとしてもアトランティス破壊に支障があれば軍法会議で銃殺!まではいかないまでも重営倉禁錮刑くらいは喰らうだろう。軍人にとって軍法会議がどれだけ恐ろしいものであるかは言うまでもない。
それだけのリスクを覚悟で、助けに来てくれた。これで惚れなければ女じゃない。
斯くして東西友好を一層深める2人でありました。ロマンスですねー。
ロマンス面のレビューが長くなりすぎて、大好きなエスプリネタが書けない〜!(まぁ、今回はそれがメインテーマだからいいか。しっかし、トリプルX、つまり XXXってセクシャルな意味あったよね?(笑))
ロジャー、ようやくマティーニ飲んだし(飲まされたしw)、英国車乗せられたね。DB5じゃないけど、コーリン・チャップマン好きのワタクシとしてはロータスの方が嬉しい♪
ランボルギーニやフェラーリの国を英国のスーパーカーが疾駆するのは、英国人には痛快だろう。
海岸線では青い海に白い車体が実に映える。
海中(爆笑!Q、いつかはやるだろうと思っていたが)では、白鯨かベルーガのようだ。
リパラス号に囚われていた英露の潜水艦乗り達が意気投合しているのも嬉しいし、彼らがひとたび武器を手にすれば、ストロンバーグの私兵如きは太刀打ち出来ないのも痛快だ。厳しい訓練を生業にしているプロの海軍兵なのだから。
そんな彼らでも司令室の防壁は頑強過ぎて歯が立たない。
N.Y.とモスクワの壊滅危機を前にしてはリスクの大きさを問うてはいられない。核ミサイルの起爆装置を素手で取り外すという奇策のスリリングさは、如何に緊迫した事態かを視聴者に訴え、死すら厭わぬ彼らの覚悟を物語る。
(まぁ、当時の原爆だから出来る事。水爆ならば起爆装置自体が原爆だからね。防壁破壊にゃ使えない)
今回、唯一引っかかったのは「ボンドが女に容赦無い」ことだ。
カイロでも女を盾にするし、エスプリからはヘリのナオミちゃんと笑顔を交わした直後、ミサイルぶち込むし。
もう少し、他の手はなかったんかい?
アニヤを演じたバーバラ・バックに撮影後、ボンドの印象を問えば
「女を盾にする豚野郎」と言ったとか言わないとか。
アニヤ、あにはからんや、、、である。
10作目記念作品(007⑩)
初のオリジナル脚本による10作目記念作。
KGBの(セクシーな)女スパイと共闘するけど、女スパイは後半は活躍せず。一緒に活躍した方が面白かった気が…
雪上の銃撃戦や、水陸両用車登場、スケールの大きな映像など、見どころは多かったけど、ストーリーがイマイチでした(^_^;)
ボンドガールは、スタイルは良かったけど、個人的に好きな顔では無かった(^_^;)
初の007シリーズ映画館鑑賞でした。
さすが地上波の番組では冒頭のスキーシーンがほとんどカットされていた。一番印象に残ってる激しいアクションだったのに・・・まぁ、音楽もカーリー・サイモンだし、初期007シリーズでは最高の作品。次の『ムーンレイカー』でがっかりしたため、その後は劇場から足が遠のいてしまった。
敵脇役にジョーズが初めての登場!これは当時も随分話題になった。ジャイアント馬場もキャスティング候補だったとか、もしそうなれば面白かったのになぁ。ジョーズが流行ったということもあって、秘密組織の粛清にもサメが使われていた。「G線上のアリア」が流れて美女が生贄に・・・なんとも身の毛のよだつシーンです。音楽も途中で『アラビアのロレンス』が入ってたりとコミカルな演出も忘れていない。
ボンドガールのバーバラとの初対峙のシーンで「ガールフレンドは数知れないが結婚は一度だけ」という台詞があった。結婚してたのかっ!知らなかったぜ。
英ソが共通の敵に対して手を結ぶという展開も東西冷戦の真っ只中にしては画期的なストーリーでした。しかし「任務が終わったら、あなたを殺す」というバーバラ・バック。なかなか死なないジョーズも最高のキャラだし、水陸両用のランボルギーニなどQの発明品も大ブレークしてた感じがする。007とXXXのベッドインも最後に諜報部の人たちに見られちゃうし・・・(笑)
【1977年12月映画館にて】
私たちが愛するロジャー・ボンド最高作
シリーズ10作目。1977年の作品。
英ソの原潜が行方不明に。両国の緊張が高まり、Mから調査を命じられたボンドは、ソ連側のスパイと共同任務に当たる事に。
東西冷戦を背景にした2つの国の睨み合い。
それに乗じた大陰謀。
敵ボスの印象や構える秘密基地。
まるでスペクターのよう。
実際、当初はスペクター再びの予定だったらしいが、『ダイヤモンドは永遠に』のいざこざ諸事情で叶わず。
なので、“スペクター的”な今回の敵は、海運王ストロンバーグ。
原潜から奪取した核ミサイルで世界を滅ぼし、世界を海の世界に創り変える。
海を愛する気持ちは人数倍だが、それが度を過ぎた異常者。
昨今のシリーズはリアリティーあるテロリストがほとんどだが、かつてはこういうブッ飛んだ敵が多く、リアリティーは無くともそれが魅力であった。
にしても、この頃の敵ボスってサメを飼ってる率高いよね。
共同任務のソ連のスパイ。コードネームは“トリプルX”。
初登場シーンでお楽しみ中電話を取ったのは、女の方。
随一の敏腕スパイで、今回のボンドガール、アニヤ。
演じたバーバラ・バックは歴代ボンドガールの中でもトップクラスの美幌と魅力。
スパイ能力もボンドに引けを取らない。時には出し抜く。
ロジャー・ムーア時代のボンドガールは単なるお色気添え物の時もあるが(本作もセクシー衣装あり)、ボンドと同じスパイなだけあって彼女にもドラマがある。
アルプスでの任務中ボンドがそうとは知らず殺した相手は、アニヤの恋人。
復讐を誓うアニヤ。
「任務が終わったら、あなたを殺すわ」
だけど、初登場シーンでお楽しみしたり、ボンドに惹かれたり、恋人が死んだというのに恋愛面は自由奔放。
登場キャラで忘れてはいけない…いや、忘れられない名物キャラが登場。
殺し屋ジョーズ!
2mを軽く巨体、車を持ち上げ素手で壊す力持ち、崖から車ごと落ちてもサメの居るプールに落ちても死なない不死身。
最大の特徴の鋼鉄の歯! 噛み付くシーンは“ジョーズ”ではなく、ドラキュラのよう。
何故か不思議と愛すべき感じながらも、とにかくそのしつこさで、ロジャー・ボンド時代の代名詞キャラに。
前2作以上の予算で、アクションもスケールもセットも大掛かり。
アルプスの断崖絶壁から大ジャンプのOPアクション。
エジプトのピラミッドやスフィンクスのライトアップ。『アラビアのロレンス』の音楽も使用され、オマージュ。
中盤のお馴染みチェイス・アクション。
『サンダーボール作戦』のような海中アクション。活躍する水陸両用のボンドカー。今作からQの秘密兵器説明が完全定番になったとか。
あのキューブリックにアドバイス貰ったという海上要塞や巨大タンカーの奇抜なセット。(オスカー美術賞ノミネート)
それらで繰り広げられるクライマックスのアクション。
…などなど、見所はいっぱい。
音楽と主題歌はマーヴィン・ハムリッシュで、アカデミー作曲賞・主題歌賞にWノミネート。主題歌は他の映画でも使用されるほど有名。
難点・不満点が無い訳ではない。
任務が終わったら殺す。
今回のこのタイトルからもドラマチックなラストを期待するも…。
アレ、いつもと変わりナシ。
クライマックスの核ミサイル起爆装置を外すシーンはハラハラドキドキだが、そのシーンや核ミサイルの軌道を変えたり、ボンドさん何にでも万能過ぎッ!
やっぱり、ロジャー・ボンドはロジャー・ボンド。
それから、洋画あるある。核ミサイルのいい加減な扱われ方…。
これまでも面白いのは面白いが、正直秀でた作品が無かったロジャー・ボンド。
記念すべき10作目という事もあって、面白さに気合いが入り、現在に換算するとシリーズ最大のヒット。
ロジャー・ムーア自身最もお気に入りと語り、『ユア・アイズ・オンリー』もいいが、ロジャー・ボンド最高作。
…しかし!
次作でまた珍作に逆戻り…。いや、シリーズの中でも珍作中の珍作になろうとは…。
余談。
延期に次ぐ延期を繰り返し、最新作『ノー・タイム・トゥ・ダイ』がやっと11月に観られる筈だったが…、
何やらまた延期の話が聞こえてきた。
え~、またぁ~!?
The spy who loved me, Nobody does it better. 良くなってきたムーア・ボンド
2020年公開のボンド25作目に向けて見直し007。3代目ムーア・ボンドの第三作目「私を愛したスパイ」です。ボンドさん、これまでに比べてなんか渋くなってて良かったですね。でも女スパイにはコロッと騙されてます。またキーボードを打つときは指一本って。ブラインドタッチ覚えて!
冒頭で裏切り者がサメに食べられた!っと思ったらジョーズって敵が出てきた!?なるほど、ジョーズの公開が1975年、で本作が1977年。当時はジョーズが流行ってて、流行をちゃんと取り入れていたんですね。でも、殺し方が噛み殺すって!ある意味斬新です。って歯がマグネットに引っ付くって展開は確実に笑い取りにいってると思われます。
本作はボンド・ガールがちゃんとボンド・ガールっぽく活躍してたのが良かったです。新しい方から観てきたので3代目に入って突然ボンド・ガールが活躍しなくなってて違和感を覚えてた所でした。今回のアニヤさんは有能です。トリプルXなんてカッコいいコードネームは伊達じゃなかったですね。でも、捕まった後に水着になってたのは何故?
色々なガジェットが出てきてアイデアに満ち溢れています。Qさん楽しそう!水の中も走れる車は面白いですね。ああいう車が未だに発売されないのは需要が少ないからでしょうか?安ければ一台買うのになぁ。そうそう、水中の秘密基地も良いですね。ただ核兵器の雑な使い方はNGです。
色々と奇抜ではありましたが、ツッコミできる箇所の多さも含めてムーア・ボンドの中では今のところ一番楽しめました。まだ残り4作もあるって考えるとムーア・ボンドって長かったんですね。色んなインパクトもあり、ムーア・ボンドが一番印象に残ってる世代が多いのも納得ですね。
ユニオンジャックのパラシュートが開いてカーリー・サイモン唄う「No...
ユニオンジャックのパラシュートが開いてカーリー・サイモン唄う「Nobody does it better」がかぶるオープニングシーンに先ずうっとり。バーバラ・バックの軍服の似合わないこと。キャロライン・マンローのボンドガール中でも屈指の曲線美!なんやかや言って一番好きなボンド映画。
娯楽の真髄を体現している映画を観た満足感に浸れる
ルイス・ギルバートが監督に復帰
この監督海戦映画の傑作ビスマルク号を撃沈せよ!を撮った人だけに今回は適任
前作黄金銃を持つ男が変化球過ぎて今一つ評価が低いのをどう修正して本道に戻すかが本作の課題
前作の反省点としたのはまず時代対応が温かったこと
音楽を名人マーヴィン・ハムリッシュに替えて見直しを図っており随所にその効果を聞くことができる
ガンバレルの音楽からしてテンポをかなり早めている
主題歌は死ぬのは奴らだ!で好評だったポール・マッカートニーとウイングスの路線を踏襲して70年代の空気感があるカーリー・サイモン
歌詞はなんとキャロル・ベイヤー・セイガー
劇伴も時代に合わせてディスコ調それもビージーズ風を入れてあったりしている
本気度がわかる
モーリス・ビンダーのメインタイトル・デザイン のクオリティは変わらず素晴らしい出来映え
これだけで正に芸術だ
肝心お話の内容も観客の観たいものを観せる事に徹底する方針を追求している
ロシアから愛を込めてからは列車内での活劇
女王陛下の007からはスキーアクション
サンダーボール作戦からは水中活劇
もちろんマティーニも無理にでも飲ませる
という具合にセルフオマージュを連発
さらには大ヒット映画のジョーズは鮫に喰われるシーンだけでなく、それを敵の殺し屋にまで練り上げてくる
ロケ地もカイロを出せばアラビアのロレンスのオマージュシーンを入れてくるし、当然ピラミッドもスフィンクスも古代遺跡も、ナイル川まで観せる
尋常ではない位のサービス精神に感服する
小賢しい理屈はいらん、客の求めるものをだせ!
その見上げたプロ根性が貫かれている
それを練り上げた脚本で快調なテンポでまとめてあるのだ
いくら凄いシーンでもそれを惜しげもなくどんどん場面を切り替えていく
どう凄いでしょう!とながなが垂れ流すアクションシーンは皆無だ
そして美術が凄い
予算の掛け方、使い方が物凄い
洗練されたデザインワーク、それをその通りに実現させてある
少しも妥協がない
デザインも少しアート風味な現代性が取り入れられた独創的なものだ
クレジットにはないが当時売れっ子グラフィックデザイナーだったロジャー・ディーンが参画しているのではないか?
俳優陣も素晴らしい
ロジャー・ムーアは真に新しいジェームス・ボンドを確立しており、本作でコネリーとは別のボンドのスタンダードになっている
彼の衣装も細身になっておりシャープだ
大学教授の変装シーンでは太い紺ストライプのシャツを着せておりコネリーではだせないお洒落感を出している
これは当然ボンドカーのロータスエスプリに合わせたものだが、ムーアに実に似合っている
ボンドガール達も素敵だ
しかしなんといってもジョーズ!
キャラが立ちすぎなくらいで製作陣もラストシーンで殺すのは惜しくなったのでは?
彼の不敵さ不気味さはゴールドフィンガーの山高帽子を投げる日本人オッドジョブを発展させたキャラクターであるがまさに敵の殺し屋の完成形だろう
本作はその美術の豪華さ内容の濃さで007シリーズの一二の出来映えをダイヤモンドは永遠にと争う名作といえる
娯楽の真髄を体現している映画を観た満足感に浸れる
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