劇場公開日 1994年2月26日

「語り継がねばならないものがある。」シンドラーのリスト ジョイ☮ JOY86式。さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5語り継がねばならないものがある。

2017年12月28日
iPhoneアプリから投稿

決して風化させてはならない真実がここにある。

スピルバーグ作品ながら、エンタメ性を極力廃してリアリティを追求した作風は没入感が高かったです。
モノクロ映像でドキュメンタリーのようになっているので、見ている最中は映画である事を忘れそうになりました。

安価な労働力として雇ったユダヤ人。
最初はビジネスとして判断したシンドラーが徐々に彼らに同情し、最終的には命を賭してでも守ろうとする姿が描かれていました。

ユダヤ人が迫害されガス室まで送られるようになる過程も丁寧に描写されています。
直接的なバイオレンス描写以上に、殺害された遺体から押収された写真や遺品の山を検品するシーンなど。
当時の異常性を感じさせる日常描写の方が見ていて辛かったです。

若き日のリーアム・ニーソンとベン・キングズレーの演技も素晴らしかった。
エピローグの余韻は他の映画とはひと味違った感慨深さを感じました。

ジョイ☮ JOY86式。