さらば友よ

劇場公開日:

解説

「シンデレラの罠」の原作者として知られるセバスチャン・ジャプリゾとジャン・エルマンの脚本を、日本ではこれが初登場の新鋭ジャン・エルマンが監督したアクションもの。撮影はジャン・ジャック・タルベス、音楽は、「サムライ」のフランソワ・ド・ルーベ。出演は「サムライ」のアラン・ドロン、「特攻大作戦」のチャールズ・ブロンソン、オルガ・ジョルジュ・ピコ、「禁じられた遊び」の名子役ブリジット・フォッセイが十六年ぶりにスクリーンに登場。製作はセルジュ・シルベルマン。

1968年製作/フランス
原題:Adieu L'ami
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1968年10月20日

ストーリー

戦争も末期のある寒い朝アルジェリア帰りの兵士たちを乗せた船が、マイセイユについた。その中に、軍医のディノ・バラン(A・ドロン)もいた。そのバランに「モツアルトの友人のバランさんでしょ?」といきなり若い女が話しかけてきた。バランは表情もかえず無視して歩き続けた。同じ船からアメリカ人軍曹で、戦争を商売にしてきたフランツ・プロップ(C・ブロンソン)もおりた。彼は部下をかきあつめ、次はコンゴに出かけ一稼ぎしようと企んでおり、それには軍医が必要と、バランをくどいていた。そのプロップを殴り倒し、バランは彼を追ってきた若い女の車に乗った。女はイザベルといい、彼女はモツアルトに頼んでおいた約束を、バランに代行して欲しいと頼んだ。その仕事というのは、イサベルはパリの広告会社に働いているが、会社の債券をひそかに持ちだし利用していた。年末の決算も近づいたので、それを金庫に返さなければならない。地下室のもとモツアルトのいた医務室の隣りに金庫がありクリスマスの連休の間に、それを返してほしいというのだ。バランはその仕事をひきうけ、医務室にハイスピード分解写真装置のついたカメラを持ち込み、金庫室の見通せる小窓にそれをセットした。金庫の七つのダイヤルの組合せ番号を盗み出そうというのである。金曜日は会計簿をしまうために金庫が開けられることになっていたがその日は社員のボーナス、月給を含めて二億フランの現金がしまわれるのを知って、バランの目的はかわった。債券を返して同時に、中身をいただこう。だが、カメラは七つのダイヤルのうち、三つしか写してなかった。組合せは無数にあり、時間は三日三晩しかない。バランが作業を開始したとき、ふらりとプロップがあらわれた。いまさら彼を追いかえすわけにもいかず二人は一緒に、仕事をはじめた。が、ふとしたことから金庫室の中に二人はとじこめらわてしまった。男二人の間に奇妙な友情が生じた。そこでディノはかつてアルジェリアで、親友モツアルトとの関係も語りだした。そして長い苦闘の末、遂に金庫は開いた。しかし中はからっぽだった。壁をしゃにむにくずし、通風孔をとおり、医務室に脱出したが部屋には、警備員の死体がころがっていた。バランは罠にかけられたことを知った。恐らくバランが作業にかかる前に、誰かが金を盗み出し、警備員を射殺し、罪をきせようとしたのだ。バランとプロップは別々に逃げた。二億フランの金庫破りと、警備員殺しのニュースは派手にかきたてられ、非常線がはられた。プロップは空港でその非常線に引っかかったバランを救うため、自分が捕えられた。一方バランは、イザベルの行方を探して、医務室の助手をしているドミニクのところを訪ねた。そこでバランは、おぼろげながらではあるが真相をつかみかけた。盗聴されることを計算にいれバランは、警察に捕えられているプロップに電話した。その後、オステルリッツを連れて、医務室に行き、イザベルのカルテをさがさせた。バランの背中に銃がつきつけられた。イザベルだった。金をとり警備員を射殺したのは、イザベルとドミニクの共犯だったのだ。だが、ビルには警察官たちもひそんでいた。それに気づいて逃げるイザベルとドミニク。同性愛の関係にある二人を警官は射殺してしまった。ディノの制止も聞かず……。事件は終った。他の事件で再び刑事に連行されるプロップの煙草に、バランは無言で火をつけてやった。

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映画レビュー

5.0善悪という概念では測れない男の友情を思い知らされた

2023年4月29日
iPhoneアプリから投稿

‘70年代の我が国に於けるブロンソン・ブームの真っ盛りの時期の1972年11 月リヴァイバル・ロードショー公開された、渋谷パンテオン劇場での鑑賞。

事前の先入観(知識)全く無しの状況での初鑑賞にて、精神を揺るがすような衝撃を受けた。
それまで自分が知っていた世界(概念)を超えた、自分の日常とはかけ離れた別世界を知りそこに存在する、男の友情というか絆を知っってしまった(?)ことで、それ以前とは何かが変わったようにすら思えた。

また、この作品のテーマ曲にもまたすっかりハマってしまい、頭の中をグルグル状態となってしまった。
当時はシングル盤しか国内発売されていなかったオリジナル・サウンドトラック盤を直ちに探して入手し、それは再三聴いてました。

正に自分の映画愛を更に昇華させ、人生を変えた作品の一本と言って間違い無いでしょう…..

当時的な表現で言うなら、まさにこの「男の世界」にシビレさせられたという事だ。

時代的には、TVマンガ(アニメとは呼ばれてない時代)「ルパン三世」の最初のが放映されたものの、あまりの不人気(低視聴率)ぶりに、あっという間に打ち切りの憂き目にあい、親たちの(アダルト描写への)ダメだしを尻目に自分らの小学校では大人気だったのに、とガッカリしていた時期から間もなくの頃になります。

現在とは全く違い、そのような「犯罪者が主人公」のようなインモラルと受け取られるタイプの作品は、一般人(普通の世間から)は大っぴらに容認、理解はされ難い時代だったと言えます。
要するに、ホントの「映画好き」、「漫画好き」の人たちの間だけの事で、今ほど映画って万人の物じゃなかったし、そもそも私のような「漫画と映画と両刀」という筋金入りみたいな好き者もそういなかったですから(何しろ小学生だったしね…..)。

蛇足ながらそのような事もあり、初代ルパンで「黄金の七人」とか「ミニミニ大作戦」などといったヨーロッパ映画のパクリネタやテイストみたいのが後年指摘されるようになりますが、その当時は私みたいな名画座のハシゴしてるレベルの好き者以外には気付かれ無かった時代柄でありました。

本題に戻りますが、上記のような出会い方だったという事が本当に大きかった。
その後の、現在に至るまでの情報過多な世に於いて、こうした脳天直撃のような”出会い“の仕方はもはや相当困難と思える。
ムシロ、現在はその真逆に「概ね確認済み(人気度も)の鑑賞」が基本となってしまった。

その昔、映画好きは一本でも多くを鑑賞したいために、順番を配分して鑑賞のタイミングを考え、ロードショー以下の二番館以降の名画座での鑑賞でコストを抑えることにも余念がなく、二本立て三本立ての抱き合わせ上映が当たり前だったことから、「お目当て作品は一本で、もう一本(二本)は未知の作品」と言う事も珍しく無かった。
それが逆に「そっちの方が面白かった!」と言う『運命の出会い』的な事が起こったりすることが楽しかった時代でした。
まあ、昔は「先入観なしに自分の純な感性で受け入れて」と言う場面はそれ程珍しい事でも無かったとも言える。

そう言う意味では、現在のシネコン全盛時代になってからの映画世代がなんだか不憫に感じられたりします。

最初の出会いの仕方って、つくづく大事だと思います。

因みに、これも原作本あります。
そのままのタイトルで早川ポケットミステリのシリーズで。
こちらのラストにちょっと継ぎ足しのように、「その後、今度はちゃんと中身が入った金庫を2人で….」などという楽しいオチが付いており、なんだかあの映画の後の二人の姿で想像をしちゃいました。

追加
それと当時、この映画の3人目のオトコと言えるベルナール・フレッソンが結構お気に入りになって、ブロンソンとの丁々はっしの駆け引きが魅せました。
この人が久しぶりに「フレンチ・コネクション2」に登場した時には「アアッ!」って感じで(笑)。
こっちではジーン・ハックマン相手にまたヤってて、健在ぶりに物凄く嬉しく思ったモンです。

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アンディ・ロビンソン

2.0リボルバー無宿

2022年3月4日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ストーリー:戦場からフランスに引き上げてきた傭兵と軍医は、不思議な女に誘導され番号が不明朗なまま金庫破りをする。

圧倒的な中だるみ地獄で評価を下げざるを得ない。
肝心の金庫破りシーンを中だるみ期間にすえるなんてどうかしてるぜ。
それ以外はスタイリッシュな画面構成と粋な台詞で面白いのだが。

今週の気付いた事:健康診断医はお得。

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ほとはら

4.5この二人、最高にカッコいい。 特にチャールズがカッコ良すぎる本当に...

2019年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

この二人、最高にカッコいい。
特にチャールズがカッコ良すぎる本当に。
渋いしスタイル良いし筋肉も結構ついてるし。
ハンサムの代名詞、アランドロンが霞む。
でも、最後の最後にやっぱアランドロンもカッコいい。

冤罪で捕まりそうになるチャールズの無実を晴らす為動くアランドロン。
それもきっと、空港で助けてくれ、一人で罪を被ろうとしてるチャールズへの友情。
最後に顔を合わせた時、二人話したい事が絶対あったはずなのに、頑なに約束を守りお互い知らぬ存ぜぬを貫き通す。
煙草をくわえ歩くチャールズに、さっとマッチを差し出し、チャールズもそれを自然と受け入れる。
何の台詞もないけど「さらば、友よ」「ありがとう」と聞こえてくるようなシーン。
そしてあの台詞。
チャールズの口癖を大声で言うアラン。
話せないけど最後に何か伝えたくて、お互いにだけ通じる言葉。
友達同士でじゃれ合うような。
アランからチャールズへ"友達だ"というメッセージ。

終盤まではチャールズが、終盤からはアランがかっこいい。
煙草にマッチを差し出すシーンとアランのイエー!!!は本当に最高のシーンだ。
2度目の鑑賞

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かぼはる

4.5違ったタイプのかっこいい二人

2018年2月14日
iPhoneアプリから投稿

ブロンスンとアランドロンを同じスクリーンで観れるとは!
最後の「yeah」「yeah !!!」
のシーンえ!ってなって巻き戻してもう一回見てしまった

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cinemagaski
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