告発の行方

劇場公開日:

解説

1人の女性のレイプをきっかけに、真実の愛、現代の友情、勇気をもって生きる姿を描いてゆく。製作はスタンリー・R・ジャッフェとシェリー・ランシング、監督は「レベルポイント」のジョナサン・キャプラン、脚本は「ナッツ」のトム・トーパー、撮影はラルフ・ボード、音楽はブラッド・フィーデルが担当。出演は「トップガン」のケリー・マクギリス、「シエスタ」のジョディ・フォスターほか。

1988年製作/アメリカ
原題:The Accused
配給:パラマウント映画=UIP
劇場公開日:1989年2月18日

ストーリー

ミルという名の酒場から飛び出してきた若い男が、公衆電話から警察にレイプ事件が起きていると通報、彼の後を追うようにミルから出てきた半裸の女性が通りで必死に車を止めてそれに乗り込んだ…。被害者の名はサラ・トバイアス(ジョディ・フォスター)。酔ってマリワナも吸っていた彼女を3人の男達が犯したのだという。サラから事情を聞いた地方検事補キャサリン・マーフィ(ケリー・マクギリス)は、彼女とダンカン保安官(テリー・デイヴィッド・ムリガン)を伴ってミルに行き犯人達を確認する。やがて事件の捜査は進み、犯人側の弁護人が真っ向から戦いを挑む姿勢を見せたことにより、キャサリンは様々な証拠を基に裁判の状況を予測するが、被害者に有利なことは何1つなく、彼女は渋々ながらも、3人の容疑は過失傷害との裁定の取引きに応じた。この事実を知ったサラはキャサリンを激しく責め、深く傷つき悲しみにくれる。そしてそんな彼女を、レイプの際犯人達を止めるどころか暴行を煽ったクリフ(レオ・ロッシ)がからかい、彼のトラックにサラは何度も自分の車を激しくぶつけるのだった。傷つき入院するサラを見舞ったキャサリンは、身も心も打ちひしがれてしまっている彼女の姿に、女性として検事として真にあるべき道を教えられ、再び事件を裁判の場で争う決意を固めた。レイプを煽り、そそのかした男達を暴行教唆罪で告発しようという彼女は、サラの友人でミルのウエイトレス、サリー・フレイザー(アン・ハーン)に暴行教唆犯を特定してもらうが、その際サラが事件直前、暴行犯の1人、大学生のボブ(スティーヴ・アンティン)と寝てみたい、とサリーに言った事実が明らかになる。窮地に立たされたキャサリンは、事件の夜警察に通報した若い男ケン・ジョイス(バーニー・カールソン)を探し出すが、彼はボブとの友情から真実を話そうとしない。そして遂に裁判の日、サラが証言台に登った後、証人として事実を語るのはケンであった。彼の口から語られ自白のもとにさらされたショッキングな事実は陪審員の心を動かし、暴行教唆の罪は認められ、それは同時に、サラに対する暴行の事実まで明らかにする判決となったのである。

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映画レビュー

3.0彼我の立場の違い

2023年9月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

日本でいえば、不同意性交罪(ひと頃はごうかん罪と呼ばれた)と、その現場助勢のお話ということでした。

被害者サラの担当になったキャサリン検事が、不本意ながら、事務所の上司に推されるまま、司法取引に応じてしまったことは、地方検事に雇われているに過ぎない立場ということもあったと思いますが、それよりも、彼の地(アメリカ)での地方検事の立場というものが、色濃く反映されていたのだろうと思いました。評論子は。

つまり、日本の検察官が最終的には法務省に属する官僚(身分を保障された職業公務員)であるのに対して、彼の地の地方検事は、選挙で直接に住民から選ばれる(日本流にいえば)「特別職」であることと、深く繋がっていると思います。

つまり、必然的に「地域住民を不安に陥れる犯罪者を有罪にして、刑務所に放り込んでなんぼ」という彼らにしてみれば、有罪と見込んで起訴はしたものの、立証に失敗して被告人が無罪放免となることは、絶対に避けたいところだろうと思うのです。(選挙民の目に無能な者として映ると、次の選挙での当選はなくなる)。

そういう背景を考えると、「有罪さえ勝ち取れるのなら…」という、ともすれば被害者の心情にはそぐわない結果になってしまうことは、ことの当然の成り行きと言えそうです。

結局は、キャサリン検事にレイプの教唆(現場助勢)で野次馬連中を起訴させたというストーリーから「逆算」すると、ひょっとしたら実は本作も、そのような現実に疑問を投げかける意味で、ストーリーとして最初は司法取引に応じさせたのではないかと言ったら、それは評論子の勘繰りすぎというのもでしょうか。

日本の刑事司法では、まだまだポピュラーとは言えない「司法取引」の実相(犯罪者を迅速に処罰できるが、時として犯罪被害者に与える痛みも大きい)が描かれているなど、「cinema de 刑事訴訟法」としても、優れた一本だと思います。評論子は。

佳作であったと思います

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talkie

5.0お目当てのレイプシーンはクライマックス

2021年12月18日
PCから投稿

レイプ映画と聞いて不謹慎にも期待する男性陣が多いとは思うが(苦笑)これはそういう映画ではない。むしろ男性の目から見てもレイプがいかに惨いが分かるそんな映画。ジョディ・フォスターの出世作だがジョディ・フォスター主演作品では一番好き。クライマックスでついにレイプシーン再現というお約束の手法。 レイプシーン目当てで最後まで見る男性陣は、 クライマックスのレイプシーンで驚愕するだろう。 レイプがいかに惨いかを思い知るだろう。 それくらいに生々しいレイプシーン。

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HILO

4.5暴力で支配する。そんな思いと行為が世界から消えますように。

2021年10月7日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

怖い

知的

愛の愛撫は、お互いの意思と気持ちを尊重し、確かめ合う、思いやりに満ちた行為のはずだ。

けれども、そんなことを忘れて、人をおもちゃのように扱う人々がいる。
 力の誇示。無理やりの行為。
 そんなの、傍から見れば、その力を誇示する人のコンプレックス(本当は”力”がないことにおびえている)の裏返しにしか見えないのに。
 心が成熟した人は、相手に思いやりを示せる人。思いやりを示すためには、心に体力がいる。
 心の体力がない人ほど、暴力や暴言を振り回して自分が強くなったつもりになる。傍からは”ジャイアン”≒ただのどうしようもないがきっちょにしか見えないのに。否、ジャイアンだって、周りに思いやりを示す。思いやりを示せない暴力男は小学生以下ってことか。

サラが挑発したからいけないという人がいる。
挑発されたんなら、ちゃんと口説いてものにしろよ。
それができないから、力づくなんだろ。
そそられたからレイプするって、自分のちっささを相手のせいにする、責任転嫁。卑怯極まりない。

  知人の高校生が悩んでいたっけ。彼女がデートの度にキャミソールを着てきて、似合っていてかわいくてまぶしくてうれしいのだけれど、衝動が沸き上がってきて困る。なんて言って服を変えてもらうか。
  高校生でさえ、そそられても、衝動に身を任せない方法を考えるのに。

しかも、それをショーのように楽しむ男達。
 誰も助けに動かないことも衝撃だけれども、それよりも、”赤信号みんなで渡れば怖くない”的に、理性を吹っ飛ばせる感覚が信じられなかった。
 リンチ・いじめの構造。だんだんと過熱していく。

そんなわかりきった犯罪のはずなのに、裁判では勝ち目なしと司法取引なってしまう。罪状には納得いかないけれど、とりあえず、無罪になりそうな輩を、無罪ではないという”勝利”を勝ち取ったと検事は”力を尽くした”と思っていた(被害者に寄り添っているつもりの上から目線)。

けれど…。
 ここまでは、目の前で起こっていることがあまりにもショックで、目をそらしたくなるけれど、フォスターさんの圧倒的演技に引っ張られる。
 ここからは、やはりフォスターさんの演技に切なく胸が締め付けられつつ、この後の展開がどうなるのかも含めて、ハラハラドキドキしてしまう。
 そして、告発の行方は如何に。

とはいえ、この裁判の結末は協力者が声をあげてくれたからこそ。もし、そういう”勇気”を誰もが封じ込めていたらと考えると恐ろしい。

カップルで観て、感想を交わしてほしい。
 そうしたら、パートナーが、相手の気持ちを踏みにじって自分の気持ち・衝動を押し付けてくる奴か、相手の人間性を尊重しながら、その場にあった行動がとれる人か、わかるだろう。
 実はDV男だったなんていう男との結婚を回避できるかもしれない。

こんな被害にあわないように防御しなければならない世の中でなく、お互いの心を大切にしながら愛をかわせる日が来ますように。
こんな被害がなくなれば、痴漢の冤罪におびえる日もなくなるんだから。

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とみいじょん

4.0レイプは卑劣

2021年6月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

若くてセクシーな女の子(ジョディ・フォスター)がバーにやってきて、集団レイプされる。
担当検事(ケリー・マクギリス)は被害者に無断で被告と取引してしまう。
女の子は猛烈に反発、検事は反省し、次の手を考える。
同意なき性交は犯罪です。

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いやよセブン
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