失われた航海

劇場公開日:

解説

1912年4月、北大西洋上で実際に起こった豪華客船“タイタニック号”の遭難事故を基に、船客ら2220名の生と死、愛と別れをドキュメンタリー・タッチで描く。製作総指揮はロジャー・ギンべルとウィリアム・S・ギルモア、製作はルー・モーハイム、監督はビリー・ヘイル、脚本はジェームズ・コスティガン、撮影はクリス・チャリス、音楽はハワード・ブレイク、美術はティム・ハッチンソン、衣裳はバーバラ・レインが各々担当。出演はデイヴィッド・ジャンセン、クロリス・リーチマン、スーザン・セント・ジェームズ、デイヴィッド・ワーナー、イアン・ホルム、ヘレン・ミレン、ハリー・アンドリュース、ジェフリー・ホワイトヘッド、アントワネット・オレイリーなど。

1979年製作/イギリス
原題:S.O.S. Titanic
配給:東宝東和
劇場公開日:1980年5月17日

ストーリー

1912年4月10日正午、世界の注目を集めるイギリスの超豪華船“タイタニック号”が、華やかな見送りを受けながらサウサンプトンを出港、ニューヨークへ向けて処女航海の途についた。この豪華客船の所有者であるブルース・イズメイ(イアン・ホルム)は、誇らしげに、乗客の紳士たちにあいさつしていた。この船の一等船客には、世界の社交界を代表する富豪や名士たちが乗っていた。ジョン・アスター(デイヴィッド・ジャンセン)は、2度目の妻と航海を楽しんでいた。裕福できまぐれなモリー・ブラウン(クロリス・リーチマン)は自らの名を高めるためにアスターに近づいていた。一方、これとは対照的に、三等船室は、アイルランドからの移民で埋まっていた。美しいが内気な娘ロザリーン(アントワネット・オレイリー)とマーチン(G・マクソーリー)の若いカップルがそこにはいた。また、一等と三等にはさまれた二等には、アメリカの学校教師リー(スーザン・セント・ジェームズ)がローレンス(デイヴィッド・ワーナー)と親密になっていたが、彼らは決して一等にも三等にも姿を現わさなかった。それは船室の等級に表われた、自分たちの“中産階級”としての意識からなのだった。タイタニック号の設計者であるトーマス(ジェフリー・ホワイトヘッド)は、徹底した完全主義者であり、殆どの時間を船の整備に費しており、スミス船長(ハリー・アンドリュース)は、長期間無事故記録の保持者で、船の点検に余念はなかった。しかし、運命とも呼ぶべき悲劇は刻一刻と近づいていた。気温は急激に下がり、流氷が船員たちの目に入つた。最初の鋭い衝撃がタイタニック号を襲った。大きな氷山との衝突だ。浸水は確実に勢いを増し、船長、イズメイ、トーマスらは、緊急会議を開き〈S・O・S〉を発信した。偶然、避難信号を耳にした貨物船“カルパチア号”の無線技師は、船長に知らせた。ただちに、船路を変更し、救助に向かったカルパチア号がタイタニック号に着いた時には、すでに機関室は地獄と化していた。避難が開始され、まず一等船客が救命艇に向かう。そして二等船客、アイルランド人たちの三等客船と避難が続けられた。しかし、乗客たちの混乱とともに、救命艇の少なさで、船内はパニック状態におちいった。海に飛び込む者、子供とはぐれる者など、凍りつく流氷の中で沈み続けるタイタニック号の悲劇は増していくばかりだった。4時間後、カルパチア号のクルーの目に、救助艇の小さな一団が映った。冷たい流氷に囲まれて夜明けの海上をゆっくり動いていたのだ。乗客、乗員2220名のうち1517名が死亡、救出された703名は女性と子供が主だった。多くの悲劇をのせたまま、タイタニック号はいまもなお北大西洋の海底に眠っている。

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