劇場公開日 2019年9月27日

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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェストのレビュー・感想・評価

全47件中、1~20件目を表示

5.0一度はスクリーンで体感したい傑作。その鑑賞体験がきっと財産となるはずだから

2019年9月30日
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鑑賞方法:映画館

巨匠レオーネがハリウッドで撮った本作は、当時すでに斜陽となっていた西部劇そのものへの想いを綴った映画とも言われる。アルジェントやベルトルッチが原案に加わっているだけあり、そこには過ぎ去りし時代、そこに遺された多くの名作への感謝の念すら刻まれているかのようだ。

冒頭、列車到着を待つ数分間からすでに圧倒的だ。静かに、コミカルに、そして詩情たっぷりに描き尽くすこのシークエンスに、これまでレオーネ作品を、いや西部劇そのものを観たことのない人であっても、瞬時に魅了されてやまないはず。ブロンソンがハーモニカの音色とともに存在感を見せつけ、フォンダが絶妙な悪役ぶりを刻み、またカルディナーレが荒野に立つ女性の生き様を見事に体現。壮大なクライマックスには心のパノラマがぐっと開けていく感動を覚える。映画史に残る傑作であると同時に、できれば人生で何度もスクリーンで体感しておきたい、そうするにふさわしい一作だ。

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牛津厚信

5.0いつか劇場で観たい。いつか。

2024年2月18日
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鑑賞方法:DVD/BD

興奮

携帯切って、タイパなんて言葉忘れて、どっぷりと西部の世界に浸る。くどいほどのアップ、時間を贅沢に使った各シーン。これが「長い」ではなく「豪華」と感じられるから不思議。
因縁の対決、新世界に力強く踏み出す女、去り行く男たち。小手先無しの、レオーネによる壮大な西部劇。かつて、こんな素晴らしい映画が西部にあった・・・大好きな作品です。

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吠えない狼

4.5映像・音楽・俳優を愛でる映画

2024年1月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

楽しい

幸せ

いわゆる一般的滑らかなストーリーを楽しむ映画ではない。

『荒野の用心棒』のような胸のすく外連味を遠ざけ、
本来なら90分に収まるプロットを165分かけて描写したストーリーだ。

しかし映像と掛け合うストーリーや人物造形上の仕掛けなどはあり、それは俳優の長台詞に頼らず最小限のダイアログとゆったりした動きで描かれる引き算の映画だ。

そのハレを厳選しケを引き伸ばした間引きの話法の、日本映画との関係などは多分詳しく分析している人はいるのだろう。

贅沢に撮られた遠景ロケーションと極端な人物クローズアップ、タルコフスキーばりに間をとった編集と、電光石火に圧縮されたアクションによるドラマの展開と収斂の鮮烈。
セットもコスチュームもプロップも全て手が込んでる。
そこには過去の西部劇の名匠達を受け継ぐ雄大な詩情にフォーカスした世界が確かに在った。

編集次第でもっと売れる大衆的傑作にもなっただろう。
映画、または西部劇の可能性とはそこだけにはないという事を意志を持って示した作品であるという点において、これは予め誹りも受け入れた作品であろう。

その大衆性を捨て置いた贅沢さに老婆心ながら興行師はさぞ寿命が縮んだ事だろうと想像する。

個人的には顔が切れるほどのクローズアップが頻出するのは好みでないが、他の美点がなだめてくれる。

それにつけても主要キャストの魅力が素晴らしく際立つ。
特に私が感じたのは本作を通して出演時間は意外と多く無いブロンソンが、彼のキャリアを通してしばしば醸し出す「結局お前何者やねん」という通奏低音。
それが本作で最高の強度をもって作品の味わいを支配したという納得だ。
本作でも、ブロンソン出演作『雨の訪問者』などにみられる、いかがわしさを振り撒き死神の様にも見える「優しい野獣」の魅惑に男女問わず魅入られる事請合い。

本作でも披露される「ドアを蹴破るor悪漢を前蹴りで蹴り飛ばすのが世界一似合う漢」がC.ブロンソンである。

フォンダの怖気のする円熟、ロバーツの巧みな二面性、カルディナーレの逞しさと可憐(これはやや監督の不得意か)。
それにしても皆、度を越してドーランが黒い。

文芸を愛し西部劇を見下す諸兄方々等はひとつ本作を観てから再考されたい。

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kokobat

5.0虫の声が止んだら危険を知らせる合図だぞ

2023年11月6日
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鑑賞方法:VOD

西部劇はあまり好みではないと思っていたのでほとんど観たことはない。当然セルジオ・レオーネ監督の作品を観るのも初めてだ。その名前は知っていても。

結論からいえばメチャクチャ面白かった。
なんといえばいいか分からない高揚感がある。近年のアクション映画などとは違う静けさしかないにもかかわらずだ。

万人ウケは無理だろうが、この作品が傑作として支持されている理由は分かった。
画面に映るもの、音、光と音の総合芸術と言われる映画らしい演出は素晴らしい。

主人公と悪人が対決するだけだろうと思っていたストーリーの方も、想像以上に込み入ったものだったのが印象的。全然単純ではなかった。
なんなら、この物語は何なのだ?というミステリーと言えなくもない。
物語の筋が見えてくるまで100分ほどかかるのでこれも万人ウケしない理由にになってしまうだろう。
個人的には、ストーリーなどあってないようなものだと思っていたので最初の100分も面白すぎた。

初鑑賞となったセルジオ・レオーネ監督作品である本作が本当に面白かったので、何となく避けていた「夕陽のガンマン」も観てみようと思う。
もう期待しかない。

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つとみ

5.0遠い昔 はるか西部のかなたで...

2023年8月15日
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泣ける

楽しい

興奮

このセルジオ・レオーネ監督による傑作西部劇、いつの間にか邦題が「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト」になってた‼️私的には「ウエスタン」なんだけど‼️新婚の夫をならず者連中に殺された新妻ジルが、謎のガンマンと山賊の助けを借りて復讐に乗り出す・・・‼️ドル箱三部作をはじめとするレオーネ監督作に限らず、私はマカロニウェスタンにあまり食指が動かないんですけど、この作品は別格ですね‼️とは言ってもこの作品、アメリカで撮影されているので、正確にはマカロニではないんですが‼️やはりこの作品は、レオーネ監督の巧みな演出は当たり前として、音楽とオープニングシーンに尽きます‼️音楽はもちろんエンニオ・モリコーネで、ハーモニカの響きを主体に、時に陰惨に、ノスタルジックに、ユーモラスな名曲の数々は素晴らしいの一言‼️特にジルのテーマは聴くだけで胸が張り裂けそうになります‼️そして間違いなく映画史に残るオープニング‼️ 3人のガンマンが列車を待ち受けている‼️帽子の上に落ちる滴、頬のまわりでブンブンするハエ、錆びた風車が不気味な効果音となる‼️列車が発車すると、チャールズ・ブロンソンがその場に立ってる‼️そしてバン❗️バン❗️バン❗️残ったのは3人のガンマンの死体、ちょっと傷ついたブロンソン、そしてハーモニカの響き‼️これぞ映画ですね‼️

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活動写真愛好家

4.5シャイアンのテーマの強さ

2023年7月8日
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映画が始まってしばらくたってもまだこの作品が何を描こうとしているのかわからない。どこかブレイキングバッドの蠅回を思わせるような出だし。誰が主人公なのかなんの物語なのか予備知識なしに観ているとわからないまま、濃い登場人物と無法地帯に飲み込まれる。徐々に、無法者のシャイアン、ニヒルなハーモニカ、寡婦となったジル、そして悪役フランク、実業家モートンを認識でき、彼らの物語なんだなとわかり始める。大きな筋書きとしては、シャイアンとハーモニカとジルが、フランクに立ち向かうという構図や、ハーモニカによるフランクへの復讐などがあるが、この物語は最後に締めくくられるシャイアンのテーマに象徴されるように、まさに「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウエスト」。無法地帯、無頼漢が制圧する世の中から、大陸を列車が横断し、庶民が力を握りいきいきと生きていく世の中が来ると期待させるような、ジルの姿がやはり印象的。どこか、七人の侍のラストを思い出すような光景で、そしてシャイアンのテーマで締めくくられることでその印象がより強まる。叙情的感傷的になることを求めないような、ユーモアとペーソスを感じる。どんな悲劇や執念があったとしてもそれはこの土地の血肉となるわけで、みんなただ生きていくんだなって、そういう感慨を抱いた。

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ターコイズ

3.5西部劇の金字塔らしい。 冒頭、ハエと水が気になってしゃーない(笑)...

2023年2月3日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

西部劇の金字塔らしい。

冒頭、ハエと水が気になってしゃーない(笑)ストーリーはゆっくりゆっくり風格漂って進んでいく。そう、本作、その雰囲気は本当に素晴らしい。ラストの対決等、痺れます。
しかしアホな私にはちょっと分かりにくい話だった。
・ヒロインは生きるためなら相手は誰でもよかった?
・ヘンリー・フォンダは生粋の悪党?
・結局、ブロンソンの復讐劇?
・もう1人のおっさんは誰?(笑)
あらすじをサイトで確認、なんとか納得。私はやっぱりイーストウッドの三部作の方が好きかな。
まあとにかく雰囲気は抜群です(笑笑)

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はむひろみ

4.5【”ゴー・ウェスト。そして、哀し気なハーモニカの音色の意味するモノ。”練り込まれた脚本と、主要キャラクターのキャラ立ちも良き豊饒な西部劇。エンニオ・モリコーネの印象的なメインテーマも良き作品である。】

2023年1月22日
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鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

ー いやあ、面白かったなあ、今作。何時か、映画館の大スクリーンで観たいモノである。
  観る機会が訪れるかなあ・・。-

<メインキャスト>
1.悪逆非道なフランク(ヘンリー・フォンダ)
2.壮大な夢を抱いていた男マクベインと結婚した元娼婦ジル(クラウディア・カルディナーレ)
3.少し憎めない強盗団のボス、シャイアン(ジェイソン・ロバーズ)
4.個人的に一番格好良いと思った、ニヒルだが哀しき過去を持つハーモニカ(チャールズ・ブロンソン)

■今作は、西部開拓期を舞台に、上記4名の主要キャストの思惑が絡んだ、不思議なテイストのエンニオ・モリコーネのメインテーマを背景に描かれる、豊穣且つ壮大な西部劇である。

◆感想

・ヘンリー・フォンダが良く、悪逆非道なフランク役を引き受けたなあ。

・シャイアンが舐めて掛かった身体が不自由な鉄道王、モートンに撃たれていたとは・・。
で、ハーモニカに今際の際に言った言葉”相手にするなら、一発で仕留める奴にしろよ・・。”

・チャールズ・ブロンソン演じるニヒルなハーモニカの音色が哀し気な理由が分かる、フランクと対峙するシーンも良い。

<セルジオ・レオーネ監督が、マカロニウエスタン製作時代のエンタメ性高き作風を投げ打って作り上げた、豊穣且つ壮大な西部劇。
 エンニオ・モリコーネの軽やかだが、不思議な余韻を残すメインテーマも作品に彩りを与えている作品である。>

■先人の方々のレビューを拝読したが、皆様の映画知識の深さと愛情に驚きました。
 マダマダダナア、オイラ・・。

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NOBU

3.5冒頭のシーンが一番良かった!

2022年10月17日
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2時間45分のオリジナル版を鑑賞。
観る前の感想は「長い」。
鑑賞中も「まだあるのか?」
観終えた後「ようやく終わった・・・」でした。

台詞間や演技間の「間」が冗長過ぎて、家で観るにはリズムが合わないように感じた(←言い訳)。
延伸される鉄道により西部が発展していく一方、鉄道により”西部”が失われていく喪失感や抵抗が、この「間」に重なり、まさに一分一秒でも長くこの世界を留めておきたい、西部愛を痛いほど感じさせる作品だった。むしろ自分の西部愛が足りなかった・・・。

追伸
冒頭の駅で繰り広げられるブロンソン演じる「ハーモニカ」の登場シーンが、個人的にはクライマックスだった。

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ラーメンは味噌。時々淡麗醤油。

5.0巨匠が描く、西部劇の最高峰!

2022年10月12日
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興奮

素晴らしい!! シビれた!!!
長尺を感じさせない、見応え満点の165分

いわゆるバンバン!!だけの西部劇ではなく、ストーリーがしっかり作り込まれているので、西部劇ファンじゃなくても楽しめる、巨匠セルジオ・レオーネ監督の大傑作作品です

いろんな思惑を持ったキャラクター達の人生が運命に導かれ交錯しエンディングへ突き進み、明らかになっていくストーリー展開が見事

60年前の作品とは思えない綺麗な映像
西部劇ではおなじみのモニュメントバレーに代表するアメリカ大西部の原風景
施設中のアメリカ横断鉄道を初期の蒸気機関車が煙を上げて走り、これから発展していくであろう駅周辺に発着、そこで大勢の人々が乗り降りする賑わいなど、全編にわたってダイナミックな構図が広がり、それだけでも見ていて気持ちが良くなりワクワクします

そんな映像美に輪をかけて、エンニオ・モリコーネさんの音楽がすごく綺麗で心洗われる気分になります

顔のアップが多い、さらにズームインする両目のアップが印象的
チャールズ・ブロンソンさんがカッコいい、目の色が白に近いウグイス色でチーターみたいだった
ジルを演じるクラウディア・カルディナーレさんがすごく美人でセクシー、ステキでした

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Jett

3.5イタリアのウェスタンは恨みつらみを豪快に晴らすと言った所に魅力がある。

2022年7月3日
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鑑賞方法:VOD

スクリーンで見るのが一番良いと思う。
映画の内容自体は面白くない。西部の歴史なんかどうでも良い。つまり、対決の凄さと非情さだけで、この映画は成り立っている。退屈はしないが、やはり、長すぎるし、説明が多いと感じる。続夕陽のガンマン(南北戦争の)もそうだが、イタリア人がアメリカの歴史を語ってもやはり偽善になってしまうと思う。大陸横断鉄道、アメリカ資本主義の確立を語りたいのたろうが。イタリアのネオリアリズモ作品があるので、アメリカ式の語り口は今一ピンとこない。
イタリアのウェスタンは恨みつらみを豪快に晴らすと言った所に魅力がある。つまり、日本に於ける『忠臣蔵』と同じ方向性。(但し、イタリアのそれには忠義など無いが。)

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マサシ

4.0開かれる男の世界

2022年4月10日
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顔にたかるハエ、頭上から落ちる水滴、指をパキポキ。のっけから観る者に覚悟を植え付ける。時間がかかるがその世界観に堕ちていく。ハーモニカの音色で現れる男。勝負は刹那で決まり、風車の音がカラカラ。本人も無傷で終わらないのも良い。
チャールズブロンソンの細い目は寡黙であるが、哀愁に満ちている。立ち姿が美しい。端正とは言えないが吸い込まれるような魅惑を放つ。そんな細い目に寄るドアップ。彼が見てた忘れられぬ記憶から銃を抜く。
対するヘンリーフォンダの描き方も一筋縄にいかない。冒頭の所業からして極悪ではあるが、享楽的ではなく、執行者として請け負わされたようでもある。未亡人にむしゃぶりつく濡れ場は妙に生々しく人間性をみせる。
対するクラウディアはそれまでの言に違わぬ仕事ぶりをここで果たす訳であるが、その世界の正しさは別として、自分の意思で歩む女性の姿を映す。そんな彼女が中心になって皆に振る舞うラストは、七人の侍の田植えシーンと重なる。
そんな下着の脱がせ方、そんな火の付け方など、ギミックも織り混ぜられて楽しい。確かに長回しが多くて睡魔にも襲われるが、最後まで堪能できる一本。

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Kj

4.0ウエスタン

2022年2月20日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、DVD/BD、TV地上波

イタリア セルジオ・レオーネ監督作品
音楽は、エンニオ・モリコーネ

父が好きだった西部劇
幼い頃に 父がよく観ていたので
大人になり 私も鑑賞。

私が、洋画好きになったのも
父の影響が大きいのです。
この「ウエスタン」の世界観
男性にとっては感動ものでしょうね。

冒頭の効果音以外、音楽がないシーンも
印象的でした。

映画音楽の巨匠
イタリアの作曲家
エンニオ・モリコーネ氏
2020年7月6日逝去されました。

『ウエスタン』も美しく壮大な曲ですね。
他にも
「荒野の用心棒」
「夕陽のガンマン」
「続・夕陽のガンマン」
「ニュー・シネマ・パラダイス」
「海の上のピアニスト」等名曲がいっぱいです。
ミュージック・マエストロの映画音楽は永遠です。

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LaLa

4.0水膨れだと批判されても仕方ないだろう 緩急と言うものがないのだ とはいえ見応えは大きい

2021年10月11日
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鑑賞方法:DVD/BD

165分版で鑑賞
この3時間近い長さのものがオリジナル

1969年の日本公開時は、邦題が単に「ウエスタン」と縮められただけでなく、本編まで141分に短縮されたそうだ
理由は観れば分かるだろう

175分版のロングバージョンも存在するらしいが、それを観たいとは思わない
165分版でも充分に長過ぎる
これ以上長くして何の意味があるのか分からない

西部劇の金字塔とされている
確かに従来の西部劇とは一線を画したものだ

1966年の「続・夕陽のガンマン」のあと、西部劇の本場アメリカに進出して撮った作品
今までのスペインなどでのなんちゃって西部ではなく、本物のアメリカの西部での撮影だ
モニュメントバレーを画角の広い明るさレンズで美しく撮影している
美しいカメラは、癖のある俳優達を超どアップで捉えている
スケールの大きい西部の街並みのセット、鉄道などのシーンは壮観で、素晴らしい映画体験だ

物語はシンプル
筋だけなら90分でまとまるだろう
それを空気感や情念といったものをたっぷり見せたら165分に膨れ上がったと云うことだ

水膨れだと批判されても仕方ないだろう
緩急と言うものがないのだ
とはいえ見応えは大きい

西部劇の世界はこうして終わっていったのだ
それが本作のテーマだ
だからアメリカの良心を代表するヘンリー・フォンダがラスボスとしての悪漢を演じるのだ
ヒロインも強く人間として確立しているのだ

その同じテーマをクリント・イーストウッドが撮っている
「荒野のストレンジャー」と「アウトロー」だ
二つとも師匠の言いたかったこと、取りこぼしたものも拾いながら、もう少し短く表現できないものか挑戦したものだと思う
結局、2作品になり合計すると師匠より長くなってしまったというオチになるのだが

主人公はチャールズ・ブロンソン
エンニオ・モリコーネによる哀愁タップリなハーモニカの音は耳にこびりつくものだ

彼の本格的西部劇は実は本作しかない
なのに西部劇の役者イメージが強いのは、1970年の日本の超有名コマーシャルの映像によるものだろう
本作での活躍がその男性化粧品「マンダム」のCM出演につながったと思われる
そのCM に使われたジェリー・ウォレスの「男の世界」の曲も日本独自の大ヒットとなり、ブロンソンとは不可分なものとなった
このCMは大林宣彦監督が撮影したという
YouTubeで簡単に視聴できる

「ウーン、マンダム」
この決め台詞のCMをどうしてもまた観たくなった
やはりチャールズ・ブロンソンの単純明快な西部劇が観たかったのだ

1962年の西部劇の金字塔「西部開拓史」にはとても及ばなかった

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あき240

1.5全く良いと思えない。

2021年4月5日
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レオーネの作風は、長い間をとって絵で物語をわからせていくというやり方ですが、それが思わせぶりすぎて全く傑作だとも思えません。
黒澤明に影響された勘違いした映画監督というようなは思えます。イタリアで西部劇を作って当てた監督として、要するにアメリカ文化への憧憬を強く持っている映画作家であり、そのファンタジー性が評価されたというように思います。今となっては長ったらしさが鼻につくというのが正直なところです。

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zippo228

3.0Someday... 長かった...

2020年7月23日
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アキ爺

5.0全部が良かった!!

2020年7月18日
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鑑賞方法:映画館

興奮

知的

萌える

舞台でいうと、大道具、小道具、消えもの、衣装、照明、音響にあたるもの全てが、細部までリアルで、かっこよくて、素晴らしかったです。長いダスター、マトリックスに引き継がれてるのかな。

そして、カメラ。扉が開いて、クラウディアがちょっと驚くのですが、何が・誰が到来したのか、観客からまだ見えない。あと、顔の大アップの多用とか。瞳に何が映っているかわかるほど、長~くアップが続いてた。

そして、モリコーネ!贅沢なオーケストレーション、コミカルなメロディーの中に挟まれる休止、全てが良かった。モリコーネなら、続・夕陽のガンマン!とお薦め頂いたので、今度は夕陽を楽しみにします。

お話としても、面白かった。一家全員殺しから始まるんだー!とビックリして、ハーモニカ?と思ってたら、そんな辛い過去を背負っていたのー、早撃ちブロンソン!かっこよくてしびれました。クラウディア・カルディナーレ、綺麗!まさにイタリア女性のメイク!目に力入ってます!

ヘンリー・フォンダの目ってとても特徴的で素敵ですよね。和田誠さんが、フォンダの絵を描くと、本当にシンプルな線なのに、それだけで、ヘンリー・フォンダだってすぐわかる目になっててすごいな~と思ってました。

映画が大好きだった和田誠さん、モリコーネ、二人を想いながら観ました。いい映画でした!

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talisman

4.0重厚なマカロニ

2020年7月8日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

語義矛盾のようだが、重厚なマカロニウェスタン。
おおいにやってのけたという感じでしょうか。
ショットのひとつ一つがバッチリ決まって美しいので観ているだけでうっとりとしてしまう。
それでいて軽薄なストーリーとお約束のドンパチ。
この食い合わせの妙、変な結晶みたいな作品でした。
おっさんの顔ズーム多用で最高でもありました。

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あした

4.5圧倒的な傑作

2020年7月6日
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鑑賞方法:映画館

この映画は家の小さなテレビで見ちゃだめです。
まさに、映画館という場所で見るのに相応しい、これ以上無い映画です。

特に素晴らしいのは、西部にやってきた高級娼婦のジルが駅に到着するシークエンス。
ジルが駅舎に入る→カメラがトラックアップ→西部の街並み…というカメラワーク、圧倒的。
こればかりは映画館で見なければ分からない凄み。本当に目の前に西部の街並み、いや西部の時代そのものが映し出されているとしか思えない、映画史に残る映像とモリコーネの音楽。

この映画をDVDで見てしまった人達が可哀相に思えてくるぐらい、映画館で見ることができてとにかく幸せであった。最近このような映画が果たしてあっただろうか?

映画館のシネスコで見るからこその目のエクストリームクローズアップの衝撃。
全てを画の力だけで美しく表現している。映画という表現に最大限の敬意を表している傑作。

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円

4.0ようやく観れた

2020年6月24日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

興奮

幸せ

昨年公開されてから、絶対に観に行くと決めていたがここまで延びてしまった。

圧巻の映像日、素晴らしいです。DVD等では何回も観たが劇場では初。この作品はやっぱり映画館でみるべき。

レオーネの真骨頂祭り。前降りが長く勝負は一瞬なり。人物のアップとメロディー。

完全版最高でした。

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エンジェル・ハート