悪夢の香り

劇場公開日:

解説

フィリピンの生んだ“日記映画作家”キドラット・タヒミックの作品の特集上映〈キドラット・タヒミックの世界〉で上映された1本。95年に日本でも公開された代表作「虹のアルバム」も併映された。上映館はBOX東中野。スペイン人が建てた橋、アメリカの軍用車を改造したジプニー、月ロケットなどをモチーフに、フィリピン社会に染みついた植民地主義を、とぼけたユーモアと温かい詩情、途方もないナンセンスさのなかに炙り出しにするユニークなファンタジー・コメディ。監督は「虹のアルバム」などのキドラット・タヒミックで、第1作である本作はアメリカではフランシス・F・コッポラが配給権を獲得するなど、国際的な注目を集めた。インディペンデント製作で製作、脚本、撮影、編集も自ら担当し、主演もしている。共同撮影はハルトムート・レルヒで、アメリカ人役で出演もしている。美術は現在のタヒミック夫人であるカタリーナ・ミューラーで、本作では主人公がドイツで会う女性として出演もしている。共演はマン・フェリイ、ドロレス・サンタマリア、ジェジェト・ボードリィなど。

1990年製作/95分/フィリピン
原題:Kidlat World Mananangong Bangungot/Perfumed Nightmare
配給:シネマトリックス
劇場公開日:1996年11月30日

ストーリー

村のただひとつの入口の橋はスペイン人が建て、アメリカ人が軍事用に拡張した。僕、キドラット・タヒミック(キドラット・タヒミック)は三才のとき、おもちゃの車をひいて初めてこの橋を渡ろうとした。今、僕はこの村のジプニー運転手として毎日橋を渡り。ラジオの『ボイス・オブ・アメリカ』は僕の憧れの源。僕は宇宙旅行に憧れ、ロケットを発明したヴェルナー・フォン・ブラウン博士のファンクラブの会長だ。僕の夢はアメリカに行って、宇宙飛行士になること。母(ドロレス・サンタマリア)の話だと、父はスペインからの独立戦争の終了直後、米軍の敷地に無断で入ったとして射殺された。僕のジプニーがアメリカ人のビジネスマン(ハルムート・レルヒ)の気に入り、僕は彼とジプニーと一緒にパリに行く。一年後にはニューヨークだ。初めての飛行機、村には一本しか橋がないのに、橋だらけの空港、そしてどこでも進歩、進歩、僕はヨーロッパの文明に驚きながらも、戸惑いを感じる。仲良しの市場のローラ叔母さん(ジェジェット・ボードリィ)は、自分たちはまもなくスーパーに追い出されるという。ドイツに行くと、教会の塔のタマネギ状の屋根の葺き替え工事をやっていた。手作りにタマネギ屋根を作れるのもこれが最後だという話だ。僕は妊娠したドイツ人の女性(カタリーナ・ミューラー)と出会う。パリに帰ると、スーパーの周りには最新式の鉄製のタマネギがいっぱい並んでいた。なぜ昔ながらの手作りの銅のタマネギではいけないのだろう?小さな飛行機で十分なのになぜコンコルドが必要なのだろう?僕は先住民の友達のカイヤ(マン・フェリィ)の教えを思い出し、国に帰ることにした。

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