愛の嵐

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

戦後のオーストリアを舞台に、かつてユダヤ人収容所で出会った元ナチス親衛隊員とユダヤ人女性の倒錯した愛とエロスを描いた作品。1957年、ウィーン。元ナチス親衛隊員のマックスは、現在はその素性を隠し、ホテルのフロント兼ポーターとして働きながらひっそりと暮らしていた。ある日、彼が勤めるホテルに、著名なオペラ指揮者が妻ルチアを伴って宿泊する。ルチアは、かつてマックスが強制収容所で性の愛玩物として弄んだ少女だった。ルチアにとってマックスは2度と会いたくない相手のはずだったが、2人は倒錯した快楽に溺れていく。シャーロット・ランプリングがルチアを体当たりで熱演、特にナチス将校たちの前で半裸で歌い踊る姿は強い印象を残した。マックス役に「ベニスに死す」のダーク・ボガード。イタリアの女性監督リリアーナ・カバーニがメガホンをとった。

1973年製作/118分/イタリア
原題:Il portiere di notte
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1975年11月1日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

映画レビュー

5.0人間って・・・

2023年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

収容所で美貌のため将校に目を付けられ、収容所で死なずに生きて、戦後解放された少女。戦後、証人を消しながら生きていく元将校たち。戦後のヨーロッパの日常の裏側を描いた秀悦な作品。あのサスペンダー姿で歌う歌詞がすべてを表現してます。愛欲に溺れた男女の物語って言う単純な映画ではない。ウイキペディアで愛の嵐の時代背景などを一度読んでから、この映画を見れば見方が変わると思う。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
エオメル

4.5濃密でえらいものを観てしまった

2023年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 0件)
こまめぞう

3.5邦題が合ってない、損してる。

2023年4月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

難しそうな変な邦題のせいで、

もっと難しい話かと思ったら、思ってたより、観やすくて、面白いです。

主演の女優が気になって調べてみたら『ベネデッタ』に出てた!

『地獄に堕ちた勇者ども』『エンゼル・ハート』『デューン』(リメイク)…

この方の出てる映画は他にも数本観てたけど、今作で初めて認識。

覚えときます(笑)

大事なセックスシーンをカット、局部のボカシも大きく入ってるのが、この通常版らしく、

それを取っ払った完全版が存在するらしいので、完全版を観なきゃと思います。

どっちみち、もう1回観たいので。

つまり、けっこう面白いです。

でも、センスない邦題。

邦題で損してる映画です。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
RAIN DOG

5.0「愛の嵐」という邦題は、「夏の嵐」を思い出した日本の配給会社の宣伝マンの類い希な才能が付けたものだと思います 見事です

2022年8月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

心を鷲掴みにされました
男と女の究極の愛
だが、これが果たして愛といえるものかどうか分かりません

本作といえばあのポスターのビジュアルのインパクトでしょう

ナチ親衛隊の制帽を被り、上半身は裸
軍服のぶかぶかのズボンをズボン吊りで履く
その下の下着も履いていないのは明らか
薄い乳房がそのズボン吊りのバンドのしたにある
髪は短く刈られ男の子のよう
極度の栄養失調であばらの浮く、細い少女の体型
革の長い手袋
その姿で酔ったナチ親衛隊将校達の中で踊る
なんと背徳的で退廃的な映像でしょうか

サロメのエピソードはその直後にあります

ほとんどの宗教絵画はサロメが所望した聖ヨハネの首が皿に乗って描かれています
本作ではダンボール箱でした
それを観た時のルチアの表情!
恍惚の笑みなのです
自分の望みをここまでして叶えてくれた愛の証
ユダヤ人絶滅収容所の囚人とナチ親衛隊の究極の倒錯した愛

愛なのか?、そうでないのか?
戦後12年経って、過去を偽って日陰で生きる男、解放され優しく裕福で紳士的な夫を得て幸せに生きる女
会ってはならないし、互いに会いたくも無かった
なのに強烈な磁力のように引き合い、愛に狂ってしまう
暴力的に扱われて人の尊厳を剥ぎ取らたときにむしろ喜びを感じてしまう
愛ではないはず
なのにルチアには自己を解放されてのびのびとしている

ラストの道行きは心中の旅路でした
これは愛の成就なのでしょうか?

二人に取ってはそうだったのです
抗えない愛であったのです

正に「愛の嵐」です
理性もなにもかも全てを吹き飛ばしてしまう愛の暴風雨です
身体の中の熱くうずく芯が求める欲望がそう肉体を突き動かしてしまうのです

その意味で1955年のヴィスコンティ監督の「夏の嵐」と同じです
その映画の原題は「官能」邦題は本作と同じく理性を官能が吹き飛ばしてしまった熱い嵐を表現したものでしょう

本作の「愛の嵐」という邦題は、その「夏の嵐」を思い出した日本の配給会社の宣伝マンの類い希な才能が付けたものだと思います
見事です

原題は「ナイト・ポーター」
ウィーンのホテルの夜間受付人の意味です
なんの味わいもないこれよりも邦題の巧みさと味わいが際立っています

コメントする (0件)
共感した! 5件)
あき240
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る