はつ恋(1975)

劇場公開日:

解説

16歳の少年が年上の女性に初めての愛を捧げるが、彼女は少年の父の愛人であった、というツルゲーネフの同名小説の翻訳映画化。脚本は重森孝子、監督は「がんばれ!若大将」の小谷承靖、撮影は「デルス・ウザーラ」の中井朝一がそれぞれ担当。

1975年製作/86分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1975年11月1日

ストーリー

高校2年、16歳の由木原一彦は、母の雅代と共に、海に近い田舎にある邸宅で受験勉強に取り組んでいた。一彦の父、直彦は、東京高裁最年少の若き判事であり、一彦にとっては尊敬と権威に満ちた存在であった。由木原家の隣に、画家の未亡人と娘が引越してきた。るおというその娘は、気位が高く奔放で、いつも画商の木村、カメラマンの阿川、浪人中の沢田などに取り巻かれ、女王の如くに振舞っていた。ある日、海辺で偶然、るおに出会った一彦は彼女の魅力にとりつかれてしまった。そして、パーティの招待を受けた時、一彦は初めて経験するときめきを覚えた。パーティでるおは、取り巻きの男たちを手玉にとっていたが、一彦にだけは優しかった。その後も一彦は、るおと度々会った。しかし、時には突然ひどく冷淡になる彼女の気まぐれに、一彦の心は激しく揺れ動いた。そんなるおを見ている一彦は、彼女に恋人がいることを直感的に知った。ある夜、一彦はるおの部屋を見張った。現われたのは、父・直彦の姿だった……。それからしばらくして、一彦は母と共に東京に移ることになり、るおに別れを告げに行った。るおは彼女の父親の作品だという彼女のスケッチを一彦に渡した。三カ月程後、一彦は直彦と乗馬に出かけた。途中、一人で林間の道に消えた直彦を探しに行った一彦は、木々の切れ目にるおと直彦の姿を見つけた。るおの腕にムチを振り、次の瞬間抱き合う二人を見て、一彦は疑惑と恐怖に蒼ざめた。直彦が馬の首に一撃を加え走り去った方向で、自動車の急ブレーキと悲鳴が聞こえた……。直彦の葬儀の日、一彦は父のために、るおが来てくれることだけを願ったが、ついに現われなかった。るおが子供を宿したまま病死したことを一彦が知ったのは、それからしばらくの後だった。るおは、子供の父親の名を誰にも知らせていなかった。一彦にはるおが直彦の後を追ったとしか思えなかった。直彦が一彦に遺したもの、それはるおのスケッチと、その傍に書かれた小さな文字だけだった。“女の愛を恐れよ、この幸福を……この毒を恐れよ……”

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