紀雄の部屋

劇場公開日:

解説

ガールフレンドの嘘に翻弄される青年の純粋な恋を描いた青春ドラマ。若手実力派俳優の高岡蒼佑(「青い春」)×つぐみ(「月光の囁き」)が共演。監督は本作が本格的劇場デビュー作とな、インディーズ映画界期待の才能・深川栄洋(「自転車とハイヒール」)。

2003年製作/57分/日本
配給:ベストブレーン
劇場公開日:2004年2月7日

ストーリー

薬学部4年の紀雄(高岡蒼佑)は、大学の近くにあるアパートに住んでいた。紀雄の部屋はきれいに整頓されていて、ラッピングされたプロレスグッズに囲まれていた。そして憧れてやまないレスラー・フゴフゴ夢路(富豪2夢路)の『常に男らしく、逞しくあれ』と言わんばかりの生き様をモットーとして生活していた。そんな紀雄にも、最近恋人が出来た。ある日、プロレス会場で見かけたその彼女に、一目惚れをしてしまったのだ。それからしばらくして、彼女が同じ大学の生徒だと知った紀雄は、気持ちを伝えたのだった。その彼女が綾子(つぐみ)だ。恋人として交際を始めたものの、綾子が紀雄をどれくらい好きなのかは分からなかった。それでも、綾子はここ最近、紀雄の部屋に入り浸っている。汚い靴下のまま紀雄の部屋に上がり込み、ベッドの上で食べ物をほうばる。「てめー、絞め落とすぞ!」紀雄はついぶっきらぼうな物言いをしてしまう。そんな紀雄をただ笑うだけで、綾子はいつも大好きなアニメのビデオに見入っているのだった。そんな綾子への紀雄の本心はこうだった。「僕は、彼女が初めてじゃないのを知っている……。今まで、どんな男と関係したのかを考えると、気が狂ってしまいそうになる」紀雄は、本当は小心者で几帳面な男の子だった。しかし、先輩である森下(菅原永二)の「女に負けては駄目だ!! 」というアドバイスを信じ込んでいたので、綾子の前では必死に“男らしく”振る舞っていたのだった。そんなある日、密かに紀雄に想いを寄せていた森下の妹・美土里(安藤希)が、紀雄を訪ねてやってきた。美土里はライバルである綾子のことをいろいろ調べたらしい。綾子のことをよく知っているという、綾子の昔の同級生・中村(木内あきら)を一緒に連れて来て。中村の口から、綾子の本当の素顔を聞く紀雄。いつもそばにいたのに、実は何も知らなかった綾子の本当の姿。紀雄は、綾子が自分に“ある嘘”をついていたことに気がつく。紀雄は思った。「綾子のことをもっと知りたい。本当の綾子を知りたい」。紀雄は綾子に、自分についている“ある嘘”について問い詰めた。その日以来、綾子は紀雄の前から姿を消してしまった。嘘に気づいてしまったけれど、綾子を好きな気持ちは変わらないはず。そして紀雄は、いつもの自分の殻から抜け出し、綾子を探すために小さな旅へ出るのだった。

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