ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS

劇場公開日:

解説

ゴジラ、モスラ、メカゴジラの3大海獣のバトルを活写する海獣映画シリーズの第27作。監督は「ゴジラ×メカゴジラ」の手塚昌明。脚本は「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」の横谷昌宏と手塚監督の共同。撮影を「モスラ3 キングギドラ来襲」の関口芳則が担当している。主演は「巌流島―GANRYUJIMA―」の金子昇。尚、本作は「劇場版 とっとこハム太郎 ハムハムグランプリン オーロラ谷の奇跡 リボンちゃん危機一髪!」と同時公開された。

2003年製作/91分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2003年12月13日

ストーリー

一年前のゴジラとの戦いで、右腕と最大の武器“アブソリュート・ゼロ”を失った機龍(メカゴジラ)の修復に携わる整備士・中條義人と、彼の叔父で、43年前、言語学者として小美人をモスラに返す為に尽力した信一の元に、ある日、インファント島に住む妖精・小美人が現れ、機龍製造に使用したゴジラの骨を海に返せば、モスラはゴジラの脅威に対して全力で立ち向かう用意があることを告げた。以来、義人は機龍の修復作業を続けながらも小美人の言葉が頭から離れなくなる。そんな中、再びゴジラが東京へ上陸した。約束通り、日本に飛来したモスラはゴジラと壮絶なバトルを展開するも、その強大なパワーの前に倒れてしまう。この事態に五十嵐首相は修復不完全なまま機龍出動を決定、ゴジラを迎え撃つ。だが突然、機龍のコントロールが効かなくなってしまった。報を受け機龍修理に向かった義人は、小笠原諸島・曾孫島で生まれた双子のモスラの幼虫がゴジラを牽制する中、義人の気持ちを汲んでくれた小美人の協力もあって機龍修理に成功するが、出口を塞がれ機龍の中に閉じ込められる。義人を載せたまま動き出す機龍。とその時、機龍が暴走を開始した。しかし、義人はそれが機龍の意志で動いていることを感じ取っていた。「これ以上の戦いは望まない、ゴジラと共に海へ帰る・・・」。そして、機龍はモスラの繭でがんじがらめにされたゴジラを抱え日本海溝へと向かうと海底深く沈んで行き、特生自衛隊・機龍隊の如月、秋葉両隊員の活躍によって無事機龍からの脱出を果たした義人は、その様子をいつまでも見守るのであった。が、日本にはまだゴジラのDNAが保管されてていたことを彼らは知る由もなかった・・・。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
アクションコーディネーター
村上潤
脚本
横山昌宏
手塚昌明
プロデュース
山中和成
小川利弘
企画
富山省吾
企画協力
山田政史
渡邊文野
デザインワーク
西川伸司
撮影
関口芳則
江口憲一
美術
瀬下幸治
特美
三池敏夫
音楽
大島ミチル
音楽プロデューサー
北原京子
録音
斎藤禎一
音響効果
伊藤信一
柴崎憲治
サウンド・エフェクト・デザイン
佐々木英世
照明
望月英樹
斎藤薫
編集
普嶋信一
機龍隊衣裳デザイン
酉澤安施
小美人衣裳デザイン
安蒜保子
衣裳/スタイリスト
新井正人
アソシエイト・プロデューサー
鈴木律子
製作主任
原田耕治
製作担当
平山高志
助監督
村上秀晃
加藤晃
スクリプター/記録
鈴賀慶子
高橋美穂
スチール
工藤勝彦
西本敦夫
操演
鳴海聡
CGIディレクター
スズキケンスケ
CGIプロデューサー
増尾隆幸
野澤一弥
特殊技術
浅田英一
特効
久米攻
造形
若狭新一
スーパーバイザー
泉谷修
プロダクション・スーパーバイザー
荒木史生
松岡勇二
道木伸隆
高山滋史
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映画レビュー

5.0国会議事堂の破壊シーンは本作のテーマがそのまま映像になっており、怪獣映画の長い歴史の中でも屈指のシーンだと感嘆しました

2022年7月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

2003年12月公開
前作の「ゴジラXメカゴジラ」の続編です
そのままつながっています
但し主人公は交代
本作の主人公は機龍の整備士です
釈由美子が演じた前作の主人公は、米国へ派遣される研修団の一人となり、壮行会のシーンなど幾つか登場するのみです

本編監督も前作に続き手塚昌明です
特技監督は浅田英一という人に交代です
もともと東宝で中野昭慶監督、川北紘一監督の下で助監督をされていた方です
1990年頃なぜか一度東宝を離れておられたのですが、手塚監督の強い要望で本作で古巣の特技監督に凱旋復帰されたのです
腕前は映像を観ればひと目でわかります
凄腕です
手塚監督が呼び戻した理由がわかります

お話はインファント島から小美人が現れて、機龍を廃絶せよと迫ります
その代わりゴジラからの防衛はモスラが行うと言うところからはじまります
本作では1954年のゴジラと1961年のモスラの来襲が史実になっている世界というわけです

見所は、まず1961年のモスラ第1作に登場した言語学者中條信一が43年を経て再登場して、同じ小泉博が演じます
77歳での再出演でした

次に小美人の一人が長澤まさみです
1999年の東宝シンデレラに選ばれて本作に出演しました

そして、最大の見所はやはり東京タワーと国会議事堂の倒壊シーンです
どちらも圧巻の映像です

特に国会議事堂の破壊シーンは本作のテーマがそのまま映像になっており、怪獣映画の長い歴史の中でも屈指のシーンだと感嘆しました

国会議事堂を画面中央に置いて、右からゴジラが攻撃します
それを阻止すべく左から機龍が反撃するのです
映像は左右逆に見えます
しかしその国会の議事場に身を置いて考えると右がゴジラ、左は機龍なのです

ゴジラとは自衛力の強化への流れ、機龍は平和憲法の遵守をそれぞれ表しているのです

小美人の主張はこうです
機龍にゴジラの骨を使うのは間違いである
ゴジラの骨は眠りにつかせるべきだ
よって機龍は廃絶すべきだ

つまり自衛隊は違憲であり、解散すべきだという主張のアナロジーです、

しかし機龍を廃絶したら、ゴジラの来襲からどう自衛するのか?
そう反論されると小美人はこの様に答えます

モスラが代わりにゴジラの脅威から守りますと

つまり機龍が自衛隊の暗喩なら、ゴジラとは他国からの侵略、モスラは日米安保条約をそれぞれ暗喩している訳です

すなわち、平和憲法の制定と日米安保条約締結の考え方そのものです
1954年の初代ゴジラの時代の考え方です
そこに立ち戻れと小美人は主張しているのです

沖縄に基地があると、他国から攻撃されると主張をする人がいます
まるで、その主張のように、ゴジラは機龍を破壊しようと東京に来襲し、八王子にある機龍の基地を目指そうとするのです

機龍は前作でうけた損傷の修復がまだ途中で出撃できません
前作の暴走で政府も国民の信頼も低下しています

中條博士の孫の少年が学校の机を校庭にならべてインファント島の紋章を作りモスラを呼びます
これは自国が侵攻を受けても、自衛隊は出動させずに、日米安保条約の履行を米国だけに求めようとする姿勢を表現しています
子供じみた考えだということでしょう

期待に応えてモスラは救援に飛来してくれるのですが、ゴジラの圧倒的な力の前に、モスラは敗色濃厚です
それでもモスラは約束を果たそうと戦い続けています

ここに至ってようやく首相は機龍の出動を許可します
「我々は助けてくれるものを見捨てる卑怯者ではない」と

機龍はやっと出動してモスラと力をあわせて戦います

そうして国会議事堂のでのゴジラと機龍の戦いのシーンとなるわけです
右から侵略の現実
左から平和憲法の理想
左右の主張がぶつかりあい、文字通り火花を散らします
相撲のように、何度も右から押し出されそうになり、左から押し返します
そして遂には両者が倒れ込んで国会議事堂が破壊されてしまうのです

なんと象徴的な映像でしょうか!
平和憲法と日米安保で事足りるという
初代ゴジラの時代の考え方が崩壊してしまった映像そのものなのです

モスラの幼虫が増援として、その戦いに加わります
口から吐く糸でゴジラの動きを次第に封じ始めます

機龍の出動から、ここまでのシーンは現実の政治での安保法制の制定への考え方を先取りしたものと言えます

機龍はゴジラをかなり追いつめるのですが、反撃を受けて機能停止してしまいますが、主人公の活躍でなんとか復旧します

あと少しでゴジラに勝てそうになっても、小美人は機龍を海に沈めろと主張するのです

そのとき、機龍はまた暴走を起こします

独自の意志をもって、モスラの幼虫の吐く糸で動きを封じられたゴジラを抱いて日本海溝へ飛び去って行くのです

圧倒的な軍事力を持つ他国からの侵略からどのように、私達は自主的に自衛するのか?
それらについて考えることを停止して深い海の底に沈めて眠らせてしまう

本作の結末はそれです

エンドロールが終わったあとのゴジラのDNA保管庫のシーン

それは一時的な危機をなんとかやりすごすことができて、安全保障について真剣に突き詰めて現実的に考え方ないようにしていたとしても、いつの日にかゴジラは蘇る

そのときどうするのか?
また本作と同じことをくりかえすのか?
それを問うて本作は終わるです

初代ゴジラから49年をかけて、そのテーマをここまて煮詰めて本作で結晶化したのです

実質的にゴジラシリーズの長い物語は本編で締めくくられたのだとおもいます

次作のゴジラFinal Wasは単なる過去作品への回想のオマージュに過ぎないのです
いわばカーテンコールだったのです

2022年の夏
ウクライナの戦争は8月で半年になろうとしています
東アジアの情勢もきな臭さはますばかりです
憲法を改正して自衛隊を憲法に明記しようとした元総理は暗殺されました
その国葬について国論は二分しています

ウクライナにもかって小美人が現れたようです
ソ連時代の核を全て廃棄したら、モスラがあなた方を命がけで助けますと
それをウクライナの人々は信じました
果たしてゴジラは現れましたが、しかしモスラは遠くから牽制するのみだったのです
ウクライナの機龍は懸命に戦っています
ロシアはウクライナの機龍の内部にはゴジラの遺骨があると非難をしているようです

侵攻が始まってすぐキーフのテレビ塔にロシア軍のミサイルが直撃しました
幸い倒壊は免れましたが、本作の東京タワー倒壊シーンを連想された方も多いと思いことでしょう

今こそ新しいゴジラシリーズが求められているのだと思います

ならばどうすべきだったのか?
これからどうするべきなのか?
これからどうなってしまうのか?
誰もが不安で一杯です

ゴジラをアナロジーにして新しい物語を語る時が来たように思います

切にその物語を観たいと思います

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あき240

3.53式機龍、再び

2022年1月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

世界観は前作の延長上にあり、キャストも大半が引き続き出演しているが、主人公は3式機龍の整備士となる。
モスラの小美人が大塚ちひろと長澤まさみなのは、東宝シンデレラ出身だからだそうだ。
CG及び特撮のクオリティは前作からの流れを保っている。モスラの造形は相変わらずファンタジックなおもちゃっぽい作りだが、羽根の動きや毛並みの質感はかなり向上している。
逆にゴジラの方は眼球や皮膚の質感がサラッとした感じの印象を受ける
ちなみに機龍をメカゴジラと呼ぶ描写は一切ない。

彦摩呂が細くてしっかり役者をやっている。
滝籐賢一は今と全然変わらなさすぎ。

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ヒックス伍長

3.0大怪獣プロレス映画

2021年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

アマゾンプライムで観賞。

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たろう

3.0双子!

2019年5月30日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

 主人公の自衛隊機龍(メカゴジラ)整備士中條はかなりメカオタクの雰囲気を出していて面白かった。さらに『モスラ』で言語学者・中條(小泉博)を演じていた小泉博がそのままの役で小美人の再訪を受ける。43年ぶりの再会。彼女たちは「ゴジラの骨を海に帰してほしい」と彼に訴える。「人間がゴジラの骨から戦いの道具を作ったのは大きな過ち」「さもないとモスラが人間の敵にならねばならない」と。機龍自体がゴジラの骨を使っているため、難しい決断を迫られることになったのだ。

 そんな折、巨大生物の遺体が漂着する。かつてセルジオ島で発見されたカメーバ!どうもゴジラにやられた様子だった。そしてゴジラが東京に襲来。機龍を廃棄するかどうかで悩む政府内の運用反対派もいる中で、モスラを呼ぼうとする中條の孫が学校の校庭にモスラの紋章を描く。

 すごい!東京タワーは折れちゃうし、国会議事堂もつぶれちゃう!しかし音響面が弱いのか恐怖が伝わらない。せっかくのドルビーサラウンドが活かされてません。そんな中でもモスラの卵から双子の幼虫が生まれ、善戦を続けていたモスラの応援へと駆け付ける姿に感動。彼らを守って最期に火の玉となったモスラ成虫が綺麗で泣けてくる。中條が倒れた機龍を修理しようと単独乗り込もう奮闘するところがク中盤の見どころとなるが、整備士の苦労を描きたかったのだろうか、一風変わった内容でもある。

 見所は小美人の「モスラの歌」!音もいいし、懐かしくて感動的だった!

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kossy
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