ムルデカ MERDEKA 17805

劇場公開日:

解説

第二次世界大戦後、インドネシアに留まり独立戦争に参加した日本人将校の姿を、事実に基づいて描いたドラマ。監督は「sanctuary サンクチュアリ」の藤由紀夫。脚本は「北京的西瓜」の石松愛弘。撮影監督に「クロスファイア」の高間賢治、撮影に「英二」の戸澤潤一があたっている。主演は「花のお江戸の釣りバカ日誌」の山田純大。尚、タイトルの“ムルデカ”とはインドネシア語で“独立”を意味し、“17805”はインドネシアが独立宣言した日を日本の皇紀“2605年8月17日”で表したものである。

2001年製作/122分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2001年5月12日

ストーリー

1942年、第二次世界大戦時下のオランダ領ジャワ島。単身軍司令部に乗り込み、見事オランダ軍を降伏させた南方戦線実行部隊の島崎中尉は、その後、インドネシアの自治独立を目指し、現地の青年たちを軍事教練する機関“青年道場”を開設した。“サンパイマティ”(死ぬまでやれ!)の精神の下、集まった理想高き志の青年・ヌルハディ、アセップ、パルトらに厳しい指導をする島崎。初めは対立することもあったが、身をもって行動する島崎の態度に、やがてヌルハディらの心の中にも自分たちの手で独立を勝ち取るという気持ちが芽生えていく。ところが、日本の敗戦により状況は一変。オランダとイギリスの連合軍が再びこの国を統治下に置くべく進行を始める中、インドネシアにムルデカの気運が高まるも、島崎は手出しの出来ない立場に追い込まれ、戦友の宮田中尉と共にオランダ軍に身柄を拘束されてしまう。日々続く拷問。そして、戦争犯罪を問われた宮田が処刑された。一方、ヌルハディらの手で奇跡的に救出された島崎は、彼らが率いる独立軍に参加することを決意。いつ終わるとも知れぬ戦闘に身を投じていくのだった。だが、インドネシアの運命を決する最後の戦いに勝った夜、島崎は敵の銃弾に倒れてしまう。そして現代、今や平和な独立国となったインドネシアの英雄墓地に眠る島崎と宮田の墓に、宮田の忘れ形見である娘・文子が詣でる姿があった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

1.0睡眠導入作品

2021年1月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 『プライド 運命の瞬間』に続く、東日本ハウスの子会社東京映像制作株式会社が作った映画。興行的にも大失敗だったようで、その後は活動していない。プライドと同じく、津川雅彦が出演している。

 ABCD包囲網により経済的圧迫を加えられた日本は南方資源を求めてアジア侵略を開始した。タイトルバックにもある通り。オープニングはジャワへの上陸作戦。そしていきなり、「黄色い人たちが救いに来る」という伝説が実現したと、日本兵を恭しく受け入れるのだ。そして、インドネシア独立のため、敗戦にもかかわらず二千人の日本兵は残り、圧倒的優位にたつオランダ・イギリス軍と戦うといったストーリー。

 批判する云々より、ストーリーが退屈すぎて眠くなる。元々、日本軍はインドネシアを独立させるためというより、大東亜共栄圏を確立させるために赴いたんだから、ストーリーの進め方自体に違和感があったためだ。つまり日本帝国主義。“解放”という言葉そのものがおかしい。そして敗戦。インドネシアに残るというのも、いつか日本とともに反乱を企てようとする意図しか感じられないのも、故郷への想いがこのあたりで昇華してしまったんじゃないか?と感じられたからか。どうせなら、兵士たちが敗戦によって行くべきところが無くなったと感じさせるものが欲しいぞ。まぁいいけど・・・

 とにかく、美談かもしれないが、これをほんの一握りの美談と思わせるほどの非道な侵略戦争との両面を描かなければ政治的意図が見え見えの映画でしかない!

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kossy

4.0オランダは悪いやつらだなぁ~

2019年10月24日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

東日本ハウスがノリノリで創ったが興行的にはぽしゃった本作。
いわゆる右派視点に偏っていることは認めつつも、戦後日本が制作した映画が常に左派視点に偏っていたところがあるので「おあいこ」でしょう。
ラストの島崎中尉、宮田中尉の墓前での捧げ銃シーンは素直に泣いていい。

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