ホタル

劇場公開日:

解説

激動の昭和を生き抜いた特攻隊の生き残りである男と、その妻の人生を描く人間ドラマ。監督は「鉄道員」の降旗康男。脚本は、「義務と演技」の竹山洋と降旗監督の共同。撮影を「鉄道員」の木村大作が担当している。主演は、「鉄道員」の高倉健と「ざわざわ下北沢」の田中裕子。東映創立50周年記念作品。

2001年製作/114分/日本
配給:東映
劇場公開日:2001年5月26日

ストーリー

鹿児島県知覧。カンパチの養殖を生業としている山岡は、肝臓を患い透析を続けている妻・知子とふたり暮らし。子供がいない彼らは、漁船“とも丸”を我が子のように大切にしている。激動の昭和が終わり、平成の世が始まったある日、山岡の元に青森に暮らす藤枝が雪山で自殺したとの報せが届いた。山岡と藤枝は共に特攻隊の生き残りだった。それから暫く後、山岡はかつて特攻隊員に“知覧の母”と呼ばれていた富屋食堂の女主人・山本富子から、ある頼みを受ける。それは、体の自由が利かなくなった自分に代わって、南の海に散った金山少尉、本名、キム・ソンジェの遺品を、韓国の遺族に届けて欲しいというものだった。実は、金山は知子の初恋の相手で、結婚を約束した男でもあった。複雑な心境の山岡は、しかし知子の余命が長くて一年半だと宣告されたのを機に、ふたりで韓国へ渡ることを決意する。だが、金山の生家の人たちは、山岡夫妻の訪問を決して快く迎えてはくれなかった。それでも、山岡は遺族に金山の遺品を渡し、彼が残した遺言を伝えた。金山は日本の為に出撃したのではなく、祖国と知子の為に出撃したのだと。やがて歳月は流れ、21世紀。太平洋を臨む海岸に、その役目を終えた愛船・とも丸が炎に包まれていくのを、ひとり見つめる山岡の姿があった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚本
竹山洋
降旗康男
脚本協力
加藤阿礼
企画
坂上順
早河洋
竹岡哲朗
製作
高岩淡
朴京植
尹鎭鎬
プロデューサー
石川通生
浅附明子
野村敏哉
製作プロデューサー
小島吉弘
撮影
木村大作
撮影補佐
高田勉
別班撮影
佐々木原保志
撮影効果
南好哲
藤原洋見
美術
福澤勝広
装飾
若松孝市
美術装飾
金漢相
音楽
国吉良一
音楽プロデューサー
北神行雄
津島玄一
録音
本田孜
音響効果
佐々木英世
西村洋一
照明
渡辺三雄
李承求
編集
西東清明
衣裳
江橋綾子
申宗信
スタイリスト
高橋匡子
宮本まさ江
製作担当
菊池淳夫
製作管理
生田篤
助監督
佐々部清
スクリプター
石山久美子
スチール
大木茂
VFXテクニカルディレクター
木村大作
VFXテクニカルスーパーバイザー
根岸誠
録音補佐
南徳昭
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受賞歴

第25回 日本アカデミー賞(2002年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 降旗康男
脚本賞 竹山洋 降旗康男
主演女優賞 田中裕子
助演男優賞 小林稔侍
助演女優賞 奈良岡朋子
音楽賞 国吉良一
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映画レビュー

4.0必見‼️田中裕子

2023年7月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

田中裕子に釘付けになりました。
もはや高倉健が田中裕子の引き立て役であった印象です。
儚げで健気で穏やかながら強い田中裕子だけで観る価値ありました。

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tuna

3.0奈良岡朋子さんを偲んで

2023年4月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

奈良岡朋子さん
2023年3月23日肺炎のため93歳で他界
奈良岡さんといえば前任者丹阿弥谷津子から引き継いだ『釣りバカ日誌』のスーさんの奥さんが真っ先に思いつく
遺作の『土を喰らう十二ヶ月』ではファンだというジュリーと共演
今回は奈良岡さんが助演女優賞を獲得した『ホタル』を鑑賞
改めて合掌

監督と脚本は『あ・うん』『鉄道員(ぽっぽや』『単騎、千里を走る。』『憑神』『少年H』の降旗康男
脚本は他に『四十七人の刺客』『かあちゃん』『SABU 〜さぶ〜』の竹山洋
撮影はあの木村大作

昭和64年から平成にかけての鹿児島の小さな港町が舞台
特攻隊の生き残り山岡秀治は特攻任務で戦死した上官の許嫁と結婚し昭和天皇が崩御した現代になっても長く連れ添ってる
妻は腎臓の病気で透析治療を受けている
特攻隊の部下で山岡と共に生き残った藤枝洋二は地元青森でりんご農家を営んでいたが昭和天皇崩御を受けて八甲田の雪山に入山し戦死した仲間の元を行くため自害した

特攻隊として戦死した兵隊はホタルになって吉屋食堂に帰ってくるという
それが映画のタイトルになっている
『知廉の母〜ホタル〜』という歌があるがこの映画の影響でできたのだろうか

特攻隊を扱った映画は数多くあるがエンターテイメント性にすぐれた『永遠の0』と比較すると高倉健を持ってしてでもこれもまたやはりそれに劣っていると言わざるを得ない

比較的レビューは全体的に高め
しかし保守界隈の評価はかなり悪い
山本富子と朝鮮人金山の扱いが主な原因か
今では朝日新聞やテレビ朝日が映画作りに関わってるなんてありふれてる
だが右寄りから忌み嫌われるのも朝日が犯してきた罪の数々を想えばやむを得ないことだ
保守からすれば朝日新聞が関わってはいけないジャンルなのかもしれない

パヨクが大嫌いな自分でも然程気にならなかったが山本富子のモデルなった人物の遺族からは抗議があったという
政治的な発言は決して公にしなかった慎重な人だったらしい
東大出身の某立憲参議院議員や東京外国語大学出身の某作家兼大学教授よりよっぽど人間として賢明である
東映は誠意ある対応は取れただろうか
もはや死語になった感動なんとかという言葉は嫌いだが終盤のあれは彼女をよく知る遺族からすればそれそのものだったのかもしれない
だがその芝居で奈良岡朋子が助演女優賞を獲得したのも事実

金山の遺言を伝えるため金山の実家を訪れるため韓国の田舎にまでやって来た山岡夫妻
自分はパヨクが大嫌いだが朝鮮民族万歳に眉を顰めるほど嫌韓厨ではないので保守のレビュアーほど腹は立たなかった
朝日の圧力で急遽金山のエピソードを加えたというより初めから監督の思想の産物から特攻隊モノでこんな映画になったのだろう
それでもかまわない

高倉健の役は実年齢より10歳くらい若い
吉永小百合もよくやることだし然程問題はない
だがあの設定で田中裕子と夫婦役ってのはかなり無理がある
田中泯と吉永小百合が親子という設定以上に無理を感じた
なぜ田中裕子だったのかよくわからない
田中裕子が大好きで発言力が強い誰かのゴリ押しだろう

朝鮮出身の日本兵をなぜ小澤征爾の息子が演じたのか
世界的指揮者小澤征爾の征爾は当時帝国陸軍の英雄ともいうべき板垣征四郎と石原莞爾から一字ずつ貰い息子はその征を受け継いだ
朝鮮にルーツがある設定の役なら日本語が堪能な韓国人俳優か在日か在日から帰化した俳優が演じるべきではないか
そのくせ実家の遺族はしっかりと韓国の俳優なのに
『血と骨』みたいに殆ど日本人が演じれば良かろう
『新聞記者』では日本人記者を韓国人が演じたが小澤征爾抜擢はそれくらい謎を感じた
あれは週刊誌がデマを流したりプロデューサが言い訳したがいずれにしても納得のできるものではなかった
おそらく凡人には理解できないチカラが働いたのだろう
特定アジアからは日本の良心と呼ばれる人たちには偽善しか感じない
それでも韓日友好にこの作品がちょっとでも役に立てば良いんじゃないか(棒読み)

水橋の演技を酷評する者も何人かあるがそれほど気になるレベルではなかった
子供の頃に自分はもっともっと酷い代物を観てきたので「なんだこのくらい目が肥えすぎ」と感じてしまう
だから『隠し砦の三悪人』の上原美佐だって全く気にならない
たしかに声オタが声当て専門以外を棒読みと評するのとは違いこれはどちらかといえば正真正銘の棒読みに近い
雪のロケが寒くて辛くて嫌になったのだろう
ただ役者じゃなくても一般の若い人で棒読み口調の人なんてわりといるし監督はプロだから自分よりもそれを強く感じるのかもしれない
ちなみにその後彼女はテレビドラマや映画に数本出演したのちに事務所を退所し芸能活動からは足を洗ったようだ

岩手から宮城の県境に住む自分からすれば鹿児島県知覧は遠すぎる
遠くても秋田山形福島が限界で身内の法事が無ければ首都圏にさえ行く気になんてなれない
北見に住んでる人からすれば札幌に出るのも大変なことなんだから当然
映画では藤枝が青森から鹿児島に足を運んだけれど人生の重要なターニングポイントだからこそ
そんなわけで自分の場合この映画を観てもわざわざ知覧に旅行する気にはなれない
ごめんなさい

配役
鹿児島で漁師をしている元特攻隊の山岡秀治に高倉健
秀治の妻で腎臓を患い透析をしている山岡知子に田中裕子
戦時中に知覧で富屋食堂を営み出撃前の特攻隊を宿泊させていた山本富子に奈良岡朋子
富子の孫で富屋旅館を営む大塚久子に小林綾子
青森でりんご農家を営み特攻隊で秀治の部下だった藤枝洋二に井川比佐志
洋二の孫の藤枝真実に水橋貴己
秀治の上官で朝鮮出身の特攻隊員として戦死した金山文隆少尉ことキム・ソンジュに小澤征悦
藤枝の上官で特攻隊として戦死した北川に町田政則
漁業組合組合長の緒形成文に小林稔侍
元整備兵で現在はフェリーの船長をしている竹本に夏八木勲
若手漁師の鉄男に原田龍二
秀治の漁師仲間の山崎に石橋蓮司
知子の担当医の中嶋に中井貴一
戦時中の山岡秀治に高杉瑞穂
戦時中の藤枝洋二に今井淑未
戦時中の知子に笛木夕子
朝日新聞社会部記者の鈴木に田中哲司
洋二の息子の藤枝真一に伊藤洋三郎
中年の女性に好井ひとみ

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野川新栄

2.0ひどい・・・

2022年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

どうもこの監督には高倉健は荷が重い。演出が見てて恥ずかしくなる。健さんの作品としてはよう勧められんと・・・。それにしても方言指導が酷すぎる。高倉健は九州人だから未だしも・・・他がめちゃくちゃ耳に不快‼️あと大変恐縮だが友人の孫娘役の音堅亜紀子の演技がひどい。どうして出演することになったのかが不明。事実この一作でその後名前を聞かない。ラストの韓国でのワンシーンはよく出来ているものの播いたネタはすべて一律回収したいと言う律儀感が物語を台無しにする。この監督作品を見るのはこれが最後となるであろう。

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共感した! 0件)
mark108hello

4.0朝鮮人特攻隊員への想い

2021年1月14日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

高倉健扮する山岡秀治の船は進水式から14年。田中裕子扮する妻知子が透析を始めて14年経ったと言う事だった。天皇が亡くなられ昭和が終わった。井川比佐志扮する知覧の特攻隊生き残り藤枝洋二が上官だった秀治を訪ねて来たが、秀治は居らず奈良岡朋子扮する富子さんと会って東京へ帰って行った。富子さんが言うには、ある日宮川と言う特攻隊員が敵艦を撃沈した後でホタルになって帰って来ると言ったのを思い出していた。その後藤枝は、山へひとりで行き雪の中で帰らぬ人となってしまった。秀治は、藤枝が秀治に会わすに帰った理由が分かる様な気がすると言った。富子さんは、最後の仕事として朝鮮人だった金山特攻隊員の遺品を遺族へ返して来てほしいと秀治に頼んだ。実は知子は金山の許嫁だった。秀治は、知子に腎臓移植するための検査を受けたところ、腎臓移植は可能と出たが秀治の命はあと1年半と宣告された。秀治は、知子と韓国へ行く事を決めた。
数年前に知覧の特攻隊平和会館を訪れた。覚悟の遺書•遺品の数々を見てると何も言えなくなる重い雰囲気だった。特攻隊員らのおかげで今の時代があると思わずにはいられなかったのを記憶している。

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重
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